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082★同郷の彼女達と、水晶越しに情報交換?9
しおりを挟む「アリアは、魔力量が多すぎたから、勇者と婚姻するだろうってコトで、神殿内にある聖女専用棟に入れなかったのよ」
「まっ、今代の王家には、王女がいないし、王家の血を引く高位貴族にも、勇者に釣り合う魔力を持った姫はいないんですって………」
「だから、魔力が多すぎてあぶれている、王子様や高位貴族の嫡男達は、ぜぇ~んぶアリアの夫候補なのよ。私達は、伯爵家~子爵家かな?」
突きつけられる現実に、私はあわあわしてしまう。
だって、同郷の4人相手でさえ大変なんだもの………特に、黒いダリューン君とか。
「あうぅぅぅ~…私、ハルト君達でいっぱいいっぱいなんだけど」
「あのね、結婚しても、毎日、夫全員とぴーするわけじゃ無いのよ」
「そうなの?」
って、確かにそうかも知れないけど………。
こっちの4人にそれって通用するのかなぁ………ちょっと、いや、かなり不安。
でも、なるようにしかならないから、これ以上増えないように努力するしかないよね。
「当たり前でしょ。そんなにやっていたら、妊娠する前に体力消耗しちゃうでしょ? だから、夫のなかで、気に入っている者とだけでいいのよ。気に入らない相手でも、週に1回ぐらい相手するだけで良いコトになっているの」
ふ~ん、そういうモノなんだぁ………こっちの常識って………。
でも、それってロコツに贔屓が判っちゃうから………私には無理ね。
「爵位と領地を持っている貴族と婚姻すると、それぞれの領地や王都の館で過ごすことになっているから………。3ヶ月~4ヶ月で巡って行くっていう結婚形態が普通らしいわよ。ただし、全員、爵位は有っても領地が無い法衣貴族だったら、1ヶ月~2ヶ月で王都内の館を移動するみたいね」
「うっわぁ~…ここって、法衣貴族があるのね。もしかして、寄り親もあるのかな?」
ラノベに出て来るような内容に、私は思わず食いついてしまう。
そんな私に、慈愛のこもった? 温い瞳で答えてくれる。
「あるみたいよ。くすくすく、もしかしたら、アリアが寄り親の妻かもね」
なんて、彼女が言ったら………。
「「「「それは無いね」」」」
即座に、否定されました。
いや、私としても、4人以上になるのはパスなので………良いんですけどね。
そんな4人に、彼女達はかまぼこ目になって言う。
「あらあら、ヤキモチなの?」
なんか、雰囲気が不味いような気が………。
ここは、ちょっとで良いから話しの内容を逸らそう。
「あっあの…どうして伯爵様を選んだの?」
私の質問に、彼女はあっさりと答えてくれる。
「私は、領地有りの貴族が良かったのよ。地盤がしっかりしているって良いわよね。アルス君達は、こっちに何も持って無いから問題外よ」
あはは、昨日の予想通りのことを言うのね。
彼女達と価値観が違うって、本当に実感できるわ。
領地や爵位なんて面倒じゃないの。
貴族としての面倒くさい生活なんてしたくないわ。
常識の違いなんて無いハルト君達とのんびり暮らすほうが、ずっと良いわ。
ハルト君達は、勇者なんだもの、魔王討伐を成功させたら、冒険者になるはずよ。
それも伝説級のSSS級の………依頼をこなしてたっぷり稼げるはずよ。
魔王が消えても、魔物が全て消えるわけじゃないもの。
なんて考えていたら、ハルト君達を選ばなかった理由を話しだしていた。
「そうそう、魔力格差も激しいから、子供が出来るかどうか? なんて人と結婚する気にはなれないわ。だって、私達は、怪我とか病気をしなければ、500年は生きるんだって………アリア達は、もっと生きるみたいだけどね」
えっ? なにその500年って? こっちの時間の流れって違うの?
「だから、こっちの婚姻は、毎日、全員とするわけじゃないのよ。みんな仕事を持っているし、領地もあるから時期によって暮らす場所もかわるのよ。社交シーズンは、王都に滞在して、それぞれの館を1ヶ月ごとに移動するのよ。そして、社交シーズンが終わったら、それぞれの領地を4ヶ月はローレル伯爵と共に生活、次の4ヶ月はシーゼア伯爵と共に生活、次の4ヶ月はミシュア伯爵と生活するって感じになるの」
えっとぉ………時間の流れって、元の世界と一緒じゃないの?
うわぁぁ~ん……情報が足りない。
ここは率直に聞いてしまえ………。
「4ヶ月ってことは、1年が12ヶ月なの?」
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