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065★未来の夫達に、婚約者としての権利を主張されました
しおりを挟む私の愚痴に、ハルト君が苦笑しながら言います。
「アリアは、たっぷり寝ないと活動出来ないタイプでしょう?」
あれ? 何時、私は、そんな話しをしましたか?
でも……はい、その通りです。
私は、毎日、きっちり8時間眠る人間です。
基本的に、夜の10時に寝て、朝の6時に起きます。
見たいテレビ番組があったら、予約録画して朝に見るか、休日にまとめて見ます。
睡眠は何が何でも、ガッツリとりたい人間なんです。
勉強は、学校から帰宅して、家事をやってからちょっとやってます。
後は、朝にちょっとやっていますね。
休日には、それなりにやっていますよ。
だって、小学校と中学校と苛められていたので、暇つぶしに勉強して大検をとっていますから………。
でも、日常ではそこまで勉強していません。
成績は、ハルト君やジーク君と一緒で上位一桁ですよ。
理系の大学に行って、薬の開発に関わりたいんです。
本当はお医者様になりたいんですが、コミュ障なので、ソレは諦めました。
色々な難病の治療薬の開発に関わりたいという、野心を持っていたんです………けどねぇ………。
異世界召喚に巻き込まれてしまったので、本当に、ただの夢になってしまいました。
ふっ…もう、ここでは叶わない儚い夢になってしまいましたね。
でも、その代わりに、究極の治癒魔法が使えるなら、色々な怪我や病気に対処出来るのでは? なんて、儚い希望を持っています。
なんて、ちょっと逃避していたら、今度はアルス君に話しかけられました。
「あのね、アリア………ここの魔法使い達は、ぎりぎりアリアの夫になれそうな魔力を持つ者が多いし、年齢を考えなきゃ夫になれる魔力持ちも多いんだ」
それを聞いて、私は顔を顰めてしまいました。
魔力量だけで、私に婚姻を申し込む馬鹿が居そうで嫌だなぁ~って………。
私の顔を見て、ハルト君が言いました。
「だから、ライバルにアリアを見せたく無いんで、今日の朝食をもらって来たよ。魔法で温かいままに維持してあるから、食堂に行こうね」
ハルト君達の嫉妬心に感謝です。
私は、出来るだけ可愛く、そしてにっこり笑ってお礼を言います。
いや、それしか出来ないから………保身は大事よ。
笑顔なんてタダ………0円スマイルよ。
「朝食を確保してくれて、ありがとうハルト君。それから、とりあえず言っておくね。着替えを手伝ってくれてありがとう。できれば、私、ひとりで出来るから、私にさせて欲しいんだけど………」
私のささやかな望みは、予想した通りにあっさりと却下されました。
「「「「着替えは、婚約者と夫の義務であり権利だからダメだよ」」」」
「郷に入っては郷に従えって言うでしょう」
ダメですか………もう既に、完全に、こっちの世界の常識に染まっているんですね。
4人で、私を共有することに、何の不満も違和感も無いんですね。
こっちの神様って、勇者に優しいんですね。
だって、こっちの男女の関係を彼らに納得するというチートをあげたんですから………。
それなのに、私の感性は、日本仕様のままなんですから………キツイですよ。
聖女に付与されているチートって何でしょうねぇ?
もしも、R18の部分、それも…あっはんうっふんの時に、身体が直ぐに快感に流されて、彼ら全員とHしても平気になっていたりして………。
これは、Hしてみないとわからないチートですよね。
でも、今は必要にならない限り、絶対に確認しないチートとして封印します。
「………」
色々と考え過ぎて黙っている私に、ジーク君が言います。
「慣れるしかないって思ってね」
「………」
私は、無難に黙って頷きます。
口は災いの元ですから………これ以上の墓穴はいりません。
黙っている私に、ハルト君が優しく話しかけてきます。
「朝食は、僕達で、味付けを手直ししているから、アリアの口に合うと思うよ」
昨日、あの食堂で出て来た料理が、かなり塩っぱかったので困った私には嬉しい心遣いです。
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