58 / 140
060★なんか、壁がどんどん削られている気がします
しおりを挟むあまりの恥ずかしさに固まっているのを良いコトに、そのまま浴室へと運ばれました。
浴室内に入ると、ジーク君にお姫様抱っこされたままの私に、みんながお湯を優しくかけてくれます。
それも、魔法で………。
何時の間に、そんな器用なまねを覚えたんですか?
私が目を見開いて、口をぱくぱくしていると………。
アルス君が説明してくれました。
「ここの浴室には、シャワーが無いだろう?」
そう言えば、シャワーが無いから、私は髪を洗うのを諦めたんです。
浴槽からお湯を汲んでは髪を洗ってすすぐという作業を、疲れた身体でする根性が無かったから、私は今日は髪を洗わないって決めたんです。
そうですね、思いつきませんでした。
シャワーが無いなら、シャワー代わりの魔法を使えば良いんですよね。
そんなコトさえ思いつかなかった私は、ダメな女です。
身繕いに魔法を思いつかない私の女子力は、かなり低いですね………ガックリ。
うなだれている私を抱いたまま、ハルト君は浴槽に入りました。
全身を暖かなお湯で包まれた私は、ほぅーつと息を吐き出しました。
「はぁ~あったかい……生き返るわぁ~」
「「「「アリアのご機嫌が直って良かった」」」」
「…えっ?」
「オレ達のプロポーズのセイで、眉間にしわがよったままだった」
「……う…そ…」
「本当だよ」
「今は、お風呂に入ったお陰で消えているけどね」
「どう僕達と一緒にお風呂に入るのは?」
「そんなに、イヤじゃ無いだろう?」
「あっ…うん…でも、恥ずかしいの」
「うん、アリアが恥ずかしがっているのはわかるよ。でも、慣れてね」
「えっとぉ~………」
「これから、ボク等と一緒に行動するコトに慣れてもらうからね」
「…え?」
「僕達が、魔王討伐の旅に出るとわかっている?」
「うん」
「旅の間に、宿に泊まってお風呂に入るとき、アリアはオレ達の誰かと一緒に入るんだよ。攫われる危険があるから……相手は…人間や人間以外だけどね」
「あっ……」
うわぁ~……すっかり忘れていたわ。
そうだよね、ここって………嗚呼、危険がいっぱいだわ。
もう、ここはみんなに守ってもらわないと、貞操の危機に生命の危機もあるんだよね。
聖女の力があるって言っても、所詮は平和で温い日本から来た私は、危機管理が弱いみたいです。
「そうだよ。今日から、一緒に寝ようね。最初は緊張で眠れないかもしれないけど、慣れるしかないからね」
「………」
「当分の間、おトイレは、結界を張って、ドアの外で待っていてあげるけどね」
「………」
「旅行中に、宿以外の場所でする時を考えると、危険だから………慣れようね」
「………」
「ハルト、アリアを膝から降ろして、斑に温まるのは不味いから」
「ああそうだな。アリア、眼を開けてさっき食堂で、ミルクをもらって来たから、お湯に入れておいたんだ」
「匂いは、風魔法で飛ばしてあるよ」
目を開けると確かに、お湯は白く染まっていた。
その為、お互いの裸を見なくてすみました。
いえ、見られなくてほっとしました。
1
お気に入りに追加
1,210
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
気づいたら異世界で、第二の人生始まりそうです
おいも
恋愛
私、橋本凛花は、昼は大学生。夜はキャバ嬢をし、母親の借金の返済をすべく、仕事一筋、恋愛もしないで、一生懸命働いていた。
帰り道、事故に遭い、目を覚ますと、まるで中世の屋敷のような場所にいて、漫画で見たような異世界へと飛ばされてしまったようだ。
加えて、突然現れた見知らぬイケメンは私の父親だという。
父親はある有名な公爵貴族であり、私はずっと前にいなくなった娘に瓜二つのようで、人違いだと言っても全く信じてもらえない、、、!
そこからは、なんだかんだ丸め込まれ公爵令嬢リリーとして過ごすこととなった。
不思議なことに、私は10歳の時に一度行方不明になったことがあり、加えて、公爵令嬢であったリリーも10歳の誕生日を迎えた朝、屋敷から忽然といなくなったという。
しかも異世界に来てから、度々何かの記憶が頭の中に流れる。それは、まるでリリーの記憶のようで、私とリリーにはどのようなの関係があるのか。
そして、信じられないことに父によると私には婚約者がいるそうで、大混乱。仕事として男性と喋ることはあっても、恋愛をしたことのない私に突然婚約者だなんて絶対無理!
でも、父は婚約者に合わせる気がなく、理由も、「あいつはリリーに会ったら絶対に暴走する。危険だから絶対に会わせない。」と言っていて、意味はわからないが、会わないならそれはそれでラッキー!
しかも、この世界は一妻多夫制であり、リリーはその容貌から多くの人に求婚されていたそう!というか、一妻多夫なんて、前の世界でも聞いたことないですが?!
そこから多くのハプニングに巻き込まれ、その都度魅力的なイケメン達に出会い、この世界で第二の人生を送ることとなる。
私の第二の人生、どうなるの????
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
女性が少ない世界へ異世界転生してしまった件
りん
恋愛
水野理沙15歳は鬱だった。何で生きているのかわからないし、将来なりたいものもない。親は馬鹿で話が通じない。生きても意味がないと思い自殺してしまった。でも、死んだと思ったら異世界に転生していてなんとそこは男女500:1の200年後の未来に転生してしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる