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049★衝撃の連続で、思考停止してます

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 1番目の攻撃は、ハルト君からだった。

 「アリア、明日から、一緒にお風呂に入ろうよ」

 年齢=彼氏いない暦の清らかな乙女である私に、ハルト君ってば、なんて怖い提案するのぉぉぉぉ………。

 ハルト君とお風呂に入るコトを想像しただけで、羞恥心で軽く10回は死ねると思いました。

 いや、それ以前に、鼻の奥にある動脈を興奮し過ぎて切ってしまい、出血多量で死ぬかもしれないって………。
 なんて、恐ろしい死に方をさせようとしているの。

 色々と、その衝撃的な提案で考えすぎた私の思考は、限りなく停止状態になりました。
 お陰で、意味不明な言葉を発するだけに………。

 「はっ? ……えっ? …うっ?」

 そんな私に、トドメとばかりに、ジーク君が言葉を被せてきます。

 「その長い髪の手入れは、僕達に任せて欲しいんだ」
 
 まさに、ロングヘアーフェチって感じの提案を………。
 ジーク君、私の羞恥心は………考慮する気が無いってコトですね。
 その提案に、ダリューン君も被せてきます。

 「それと、お肌の手入れもね」

 どさくさに紛れて、私のお手入れをしたいって………。
 そんなに、私のお手入れはへたくそなんでしょうか?
 女子力がとぉっ~ても低いって指摘された気がします。 
 これって、私のひがみ根性のセイでしょうか?
 美容関係で思考がいっぱいな私に、アルス君がサラリと質問してくれます。

 「アリアは、あんまり体力無いよね?」

 あまりにも普通な問いに、私も淡々と事実を答えてしまいます。

 「えっ? あっうん、習い事は色々とやらされているけど、体力の付くような運動は散歩以外やっていないから………」

 これって、緩急自在の高度な取調べテクニックって、ヤツでしょうか?
 逆○裁判ゲームなんてやったことの無い私には、わかりませんが………。
 質問の意図がいまひとつわからない私に、今度は、ダリューン君が、もっとわからないコトを言う。

 「これから、最低限の体術と乗馬、剣や槍、弓やナイフも習うと思うんだよね」

 そう言えば、私ってば、勇者のみんなと同じ修行をするんだったっけ………。
 体術って…合気道しか習ったコトないわ。
 乗馬は、馬に乗って並足出来る程度しかやってない。

 剣は、お祖母様に、居合いをちょっと習っただけ………。
 槍なんて、本物を見たコトも触ったコトも無いわ。
 薙刀(なぎなた)だったら、子供のころに型を習ったコトがあったけど。

 弓は、アーチェリーをちょっと齧った程度。
 ナイフって、伯父様に教えてもらった、暗殺術もどきしか知らないわ。
 本職超えてるかも?なハルト君とジーク君に、どうやっても追いつけませんわ。

 アルス君やダリューン君の底なしの体力も、私にはありませんわね。
 うふふふ、これは、かなりの無理ゲーですわ。
 勇者様には、付いていけません。
 ここは、それをアピールしておきましょう。

 「私の屍を越えて行ってくださいって、声を大にして言いたいわ」

 「「「「…うん…うん……」」」」

 私の答えがわかっていたのか? ハルト君達は全員でこくこく頷いてくれました。
 なんかムッとしますね…どうせ足でまといですよ、体力の無い私は………。
 頬を無意識で膨らませた私に、にこにこ笑って、ハルト君が言います。

 「うん、だから、アリアの身体のメンテナンスは、オレ達に任せてくれよ」

 「…………」

 ハルト君、その…だからって、何の脈絡もありませんが………。
 そう思っていても、コミュ障の私は、思うように言葉を口に出来ず黙ってしまう。
 口をもごもごしている私に、今度は、ジーク君が、優しく王子様スマイルを浮かべて話しかけてくる。

 「僕達は、姉達や妹達のお手入れをしまくって生活していたから、何もしないのはかえって苦痛なんだよ。手持ち無沙汰? って状態になって、ストレスが溜まってしまうのがわかるんだ」

 あっ…それなら…わかります。
 いつも、やっているコト、特に趣味のような好きなコトが出来ないって、想像するだけで辛いですよね。








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