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046★後悔先に立たず

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 一通り説明を受けた時に、私達は戻ったらすぐに入浴できるように、浴槽にたぁ~っぷりの熱いお湯を溜めた。
 ついでに、熱保存の魔法をかけておいたわ。

 魔法は、魔力量と意志力とイメージ力っていうラノベのテンプレ通りでした。
 これは、本当に助かりました。
 でも、残念なコトにラノベ定番のクリーンとかフレッシュは、この世界には無いようです。

 後で、合成魔法とか? 創造魔法とか? で、創り出したいと思います。
 便利で快適な生活の為に………私は、楽する為の努力は惜しみませんよ。
 生活の為の便利魔法は必要ですもん………頑張ろう。 

 浴室は、大きめの浴室と小さい浴室の2つあったんです。
 だから、私は小さい方を使うコトにしました。
 だって、疲れをとる為にゆっくりと、浴槽に浸かりたかったから………。
 でも、明日からは、交代で入ることになるかも? なんて思いました。

 だって、ハルト君に『1人で入る為に、1人で掃除するのは、非効率だ』って言われたから………。
 それに、ジーク君にも『大きい浴室を2人で掃除して、交代で入浴した方が、効率的だ』って言われると、そうかもって思ったから、頷いたわ。

 食事は、みんなの提案で『訓練に身体が慣れたら、交代で料理を作ろう』って話しになったの。

 私達の会話を聞いて、マリウスさんが教えてくれたのは………。
 必要な材料を書き出して、食堂棟の受付に出して置くと、私達の宿舎まで配達してくれるというコトでした………。

 魔法使いの方々が、『けっこう、ワインやビールなんかのお酒の樽を、嗜好品として良く頼んでいる』って聞いたから、私達も便乗することにしました。

 ふふふ、胃袋を掴んでやるわ。
 大家族出身だから、5人分ぐらい簡単よ。
 ハルト君達とは別の料理を、作ってあげればイイんだもん。
 なんて思いながら、こっちの衣装に着替えたわ。

 私に用意されていた衣装は………。
 勇者のみんなさんと一緒に行動するから、男装なんですよって………言われました。
 実際に、女性がいない場所で訓練を受けるんだから、男装の方が良いって思う。
 ついでに、チッパイだから………。

 着替え終わって、待機していたマリウスさんに連れられて騎士専用食堂に行きました。
 テーブルに料理を自前で運んだら、マリウスさんがこれから仕事に戻ると言いました。
 その時、神官様にお礼を言い損ねたコトを思い出して、私はマリウスさんにお礼を言いました。

 「案内と説明…ありがとうございました」

 「いいえ、侍従として当然の仕事ですから。でも、生の勇者様や聖女様と会話できて、私としては、とても嬉しかったです。明日からの修行頑張ってください。では、失礼いたします」

 マリウスさんに、さらりと返されました。
 そんなマリウスさんを見送ってから、私達は夕食を食べ始めました。
 私は、なんとなく喉の渇きを感じたので、野菜とお肉がゴロッと入った具沢山スープを口にしました。

 見た目より濃い味だったので、ちょっと困ってしまう。
 でも、飲み物の中にも牛乳らしいモノがあったのを、色々と使える(紅茶とかの飲み物など)と思って持って来ていたので………。

 すかさず、熱々のスープに牛乳を足しました。
 お陰で飲み頃の味と温度になりました。
 私の行動を見て、ハルト君達もスープに牛乳を足していました。
 私と味の好みが近いとわかった瞬間でした。
 
 「うん、美味しい。牛乳を足すと塩っぱさも軽減されるし、飲みやすい温度になるしね。アリアの発想って凄いね」

 ジーク君の発言に私は、にっこり笑ってしまう。

 「………」

 でも、所詮は、コミュ障な私なので、気の利いたコトが言えない、残念さんでした。
 私は、このスープだけで、かなりお腹がいっぱいになりました。
 こんな時、小柄な自分が恨めしいと思っちゃいます。
 だから、食べ放題のバイキングは憧れるけど、行ったこと無かった………。
 ああ、行きそびれたわ。

 行けば良かったプリン○ホテルとかのホテル系ケーキバイキング。
 お姉ちゃん達に誘われた時に、RPGゲームしていてパスったこと………。
 過去に戻れるなら、自分に言いたい、『食べに行けよ、二度と行けない場所に行くんだから、後悔するぞ』ってさ。

 はぁ~後悔って、後でするから、後悔なんだよね。
 でも、自分でケーキを作るのもありかな?
 なんか負けた気がする………ハルト君達に作ってもらって、ケーキバイキングしちゃおうかな?

 綺麗な彼女達を誘えば、ケーキバイキングに行った気になれるしね。
 良し、何とか会話して誘おう。
 さてと、ご飯ご飯。







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