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010★2人の王子様の内心は怖かった
しおりを挟む私が、2人に知られたら不味いことを、もんもんと思っていると………。
2人の雰囲気が、唐突にガラリと変わった。
馬車内の空気も、緊張感を孕んだモノに変わってしまう。
どうかしたのかな? と思って、考えるコトを止めて、2人の会話を聞くことに意識を集中した。
勿論、目を瞑って、気絶したふりのままで………だって、恥ずかしいんだもん。
「さてと、アリアで和んだから、真面目な話しをしようか?」
「というと、まずは、治安か?」
「俺らが、気が付いたように、アルスもダリューンも気が付いているだろうなぁ」
「アリアだって、わかっていると思うけど」
「ああ、召喚を指導した王子様がだ、勇者や聖女を召喚したのに、一緒の馬車に乗らないで、馬に乗り先に城に向かうなんてありえないだろう」
「本当にねぇ…礼儀もなってないよねぇ……無理やり、召喚したっていうのにねぇ………」
「ああ、だから、たぶんに、魔法って存在が、馬車を危険にしているんだろうなぁ~……」
「うん、有りだね。馬車に遠距離からファイアーボールの類を当てられたら、簡単に火葬が出来てしまいそうだからね」
「それに、馬車の中に、魔法陣を書いたものを投げ込まれて、魔法発動って危険も考えられる」
「まぁそういうのも有りだね。それに、防御系って攻撃よりまず弱いから………」
「ああ、だから攻撃は最大の防御って言うんだろう……じゃなくて、魔族とかと戦っていると仮定するなら、何でも有り………」
「勇者と聖女を何の為に、召喚したのか? その理由にもよるからね」
「ああ、あとすごく気になるのは、女性が見当たらないことだな」
「うん、そうだね」
「身の危険が有るから、王女は城から出さないってのはイイとして………聖女の世話をする侍女すらいないのは、不自然すぎる」
「馬車の窓から外を見ても女性が、歩いていない」
「女性が歩けない程、治安が悪いというのもありだろうなぁ」
「それと、もともと、女性の生まれる数が少ないっていうのも有りだろう」
「だけど、王家の権力自体は、まだ健在だよな」
「ああ、貴族も神官も騎士も、勝手に俺達に話しかけてこなかったからな」
「女性の世話をするというか、姉に従っているアルスとダリューンの話しに反応していなかったから、女性は世話されて当然って世界だろう」
「はっ、ごめんだな。そんな傲慢な女なんて」
「ああ、俺も好みじゃないな」
「手を貸そうとすると、戸惑うとか、はにかむとか……たまに、嬉しそうに笑って受け入れるとか………」
「そうそう、何かでご機嫌斜めになって拒絶するとかで、なかなか受け入れてくれないのをさ、じょじょに自分に慣らしていくのが良いからなぁ………」
「そうだよねぇ……どう行動したらイイのか? って悩む姿が可愛いんだよ。その点、アリアは俺達の好みにピッタリ………」
「こっちの女は、色々とやってもらって当然って感じだろうから、反応がワンパターンですぐに飽きるっていうか、1回で嫌になりそうだな」
「そういう意味で言うなら、アルス達と一緒にいたビッチどもも同じだ」
「そうだね。反応がつまらないね」
「男に媚びて気に入られて、そこからジワジワと男の心に侵入して、男を支配するって行動が楽しいって女達だから………。つまらないな」
「色んな男と関係を持ってるから、僕の好みじゃないしね」
ふわぁぁぁ~………王子様が真っ黒けですぅぅぅ~………。
でも、怖いから、このまま寝たふり続行しますぅ……どうしよう。
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