煉獄の中の溺愛

ブラックベリィ

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0055★突然、肉体と意識が乖離しちゃいました

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 悠虎ゆうとは、ゆるゆるとペニスを咥え込まされた肛門を撫でられる感触に、腰を震わせながら、今、問われた内容に戸惑う。

 …………肛門にペニスを突っ込まれても、許せる相手…………
 …………そんなの紫條しじょうさんしかいないよ…………

 …………次点で…なんとか、紅條くじょうさんかなぁ?…………
 …………でも、それが限界だし紫條しじょうさんと紅條くじょうさんとの開きも天地…………

 こんな状態にならなければ、そんな答えにたどり着くコトも無かった悠虎ゆうとだか、今は精神的に追い詰められて極限状態の為、同性で許せる相手と問われ、何時も信頼を寄せる2人を思い浮かべてしまう。

 答えるコトに躊躇ためらいをみせる悠虎ゆうとに、動きたい衝動を捩じ伏せて、彪煌あきらはその耳孔に、再度問い掛ける。
 
 「さぁ…誰なら許せるのかな?こうして、悠虎ゆうとの中に入って
  好き勝手を許されるのは、誰だい?

  好きな人の名前を教えて欲しいな…怒らないから、教えて
  ほら…悠虎ゆうとが我慢できる人でもイイよ」

 彪煌あきらの問いかけに、悠虎ゆうとはクッと一度唇を噛み締めてから、その唇に名前を乗せる。

 「されても大丈夫だと思えるのは…………」

 「思えるのは?」

 「生徒会長している紫條しじょうさん、次点で紅條くじょうさん
  あの2人なら我慢できる……けど、それ以外の人は、絶対無理……」

 思い切ってそう名前を口にした 悠虎ゆうとに、そのウチのひとりである彪煌あきらは危うく、自制の手綱を手放しそうになって、息を飲む。

 まして、自分が悠虎ゆうとの中で一番の地位を占めているコトを知り、湧き上がる歓喜に喉が鳴る。

 「そうか、悠虎ゆうとの中では紫條しじょう彪煌あきらが一番好きな人か………次点で、紅條くじょう瑛煌えいき

  くすくす………それじゃ、今、悠虎ゆうとを抱いているのは
  お前の大好きな人だ、そう思って名前を呼べよ

  そしたら、もっともっと優しく抱いてやるぞ
  そう、恋人として…な」

 囁かれた言葉に、悠虎ゆうと逡巡しゅんじゅんした後に、オズオズと、細い声で言う。

 「紫條しじょうさん……や…やさしく…して………」

 恥ずかしそうにそういう悠虎ゆうとに、ズクッと股間を刺激され、彪煌あきらは深まる欲望にベロリッと唇を舐めてから、クックッと喉を振るわせて言う。

 「クックックックッ……悠虎ゆうと…本当に、可愛いな、お前は
  こういう時は、姓の方じゃなくて、名前の方で呼ぶもんだぞ

  この場合は彪煌あきらだろう…こういうコトしてんだからさ」

 そう囁いて、彪煌あきらは緩く抜き差しをする。

 「…ひっ……やぁぁ~……動かないでぇ…痛いよ……許してぇ……
  あ…あきら…さん…優しくして……」

 望んだ通りの言葉を言わせた彪煌あきらは、自分の中の欲望が急速に膨れ上がるのを感じたと同時に、理性の手綱が振り切られるのを感じて、クッと唇を噛んで耐える。

 強く噛み過ぎて、彪煌あきらは唇を噛み切り、口中に広がる血の味に、逆に興奮してしまう。

 「ごめんな悠虎ゆうと…優しく出来ない
  お前が可愛すぎて……堪らないっ………」

 そう言うと同時に、彪煌あきらはぐっと悠虎ゆうとの肩と腰を逃がさないように抱き込み、欲望のままに腰を深く沈め、容赦なく腰を振り始める。

 「ひぃぃぃぃぃ~……ぃやぁぁぁ……やさ…しく…してぇぇ~………
  ゆるしてぇ~…痛い…痛い…よぉぉ……し…じょ……さ……」

 悠虎ゆうとの啼き声に、興奮を煽られた彪煌あきらは、容赦のない抜き挿しを始めながら、その耳孔に囁く。

 「……はぁ…はぁ…たまんねぇ~な…ゆう…と……あきら…だ…
  呼べよ…ほら…あきらって……クッ…流石に、初めてだけある

  このキツイ締め付け…慣らして…あっても…かなり狭いな
  ゆうと…良い子だ…ほら、あきら…って…呼ぶんだ」

 そう囁いた後、強引な抜き挿しが始まったコトで、啼き声を上げる唇に唇を重ね、彪煌あきらはその口腔も蹂躙する。

 …………いたい…いたい…うぐっ…苦しいよぉ~…っ…?…?…………
 …………えっ…この味…血の味がする…どこかで口ン中切った?…………

 …………いや、そう意味じゃ顔を叩かれてたりしてないし…………
 …………痛いのは…ペニス…突っ込まれてる肛門だけ…って…………

 …………もしかしなくても…興奮して…あ…あきら…さん唇切った?…………
 …………肛門を押し拡げられて…痛いし苦しいけど…俺は…………

 いくら意識の無い時に異物の挿入に慣らされていようと、意識のある状態での挿入が初めての身体である。
 そのセイもあって、苦痛を感じている身体と意識がなんらかの理由によって、ぷっつりと感覚が途切れてしまった。

 そのお陰で、意識と身体へのアナルセックスという虐待行為の為に、乖離かいりしてしまっていた。

 …………もしかしなくても…あきらさん…興奮しすぎて唇切った?…………
 …………もしかして、本当の本当に…紫條しじょうさんなのかな?…………

 …………俺が何度も注意されてんのに、その忠告を無視したから…………
 …………だから、コレは悪い子な俺へのお仕置きなの?…………

 …………それと、本当に、俺に対して恋愛感情があるの?…………
 …………でも、そんなコト絶対に聞けない…怖い…嫌われたくない…………
 
 …………これが単なるお仕置きでも…なんでもかまわない…………
 …………なんでだかは、わからないけど…今は乖離してるし…………

 意識と肉体が乖離した悠虎ゆうとは、激しい抜き挿し行為に悲鳴を上げながら、ただただ彪煌あきらの欲望のままに揺すぶられる。

 そんな自分の身体と、喉からほとばしる悲鳴を他人事のように感じながら、荒い息を吐きながら、アナルセックスに没頭する、男の正体をただただ埒も無いまま思考する。

 …………乖離しても、まるっきり感覚が無いわけじゃないんだな…………
 …………肛門を限界いっぱいまで拡げられて擦られる痛みと異物感…………

 …………泣き叫ぶ喉の痛みとか…なんか厚い膜越しに感じるコトは出来る…………
 …………ただ、その不思議な膜のお陰で、さほどキツクは無い…………

 …………男としては最大の屈辱のはずなんだけど…今は何も感じない…………
 …………それって、俺が紫條しじょうさんを好きだからなのかな?…………

 …………こんなコトになって、はじめて自覚するなんて…皮肉すぎねぇ…………
 …………自分の中に、恋愛感情ってモン…あったんだなぁ~…………

 肉体との感覚が乖離した悠虎ゆうとは、今自分の肉体にされているコトを、どこか他人事のように思いながら、ただただこの時間が終わるコトを望むのだった。 











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