55 / 57
0055★突然、肉体と意識が乖離しちゃいました
しおりを挟む悠虎は、ゆるゆるとペニスを咥え込まされた肛門を撫でられる感触に、腰を震わせながら、今、問われた内容に戸惑う。
…………肛門にペニスを突っ込まれても、許せる相手…………
…………そんなの紫條さんしかいないよ…………
…………次点で…なんとか、紅條さんかなぁ?…………
…………でも、それが限界だし紫條さんと紅條さんとの開きも天地…………
こんな状態にならなければ、そんな答えにたどり着くコトも無かった悠虎だか、今は精神的に追い詰められて極限状態の為、同性で許せる相手と問われ、何時も信頼を寄せる2人を思い浮かべてしまう。
答えるコトに躊躇いをみせる悠虎に、動きたい衝動を捩じ伏せて、彪煌はその耳孔に、再度問い掛ける。
「さぁ…誰なら許せるのかな?こうして、悠虎の中に入って
好き勝手を許されるのは、誰だい?
好きな人の名前を教えて欲しいな…怒らないから、教えて
ほら…悠虎が我慢できる人でもイイよ」
彪煌の問いかけに、悠虎はクッと一度唇を噛み締めてから、その唇に名前を乗せる。
「されても大丈夫だと思えるのは…………」
「思えるのは?」
「生徒会長している紫條さん、次点で紅條さん
あの2人なら我慢できる……けど、それ以外の人は、絶対無理……」
思い切ってそう名前を口にした 悠虎に、そのウチのひとりである彪煌は危うく、自制の手綱を手放しそうになって、息を飲む。
まして、自分が悠虎の中で一番の地位を占めているコトを知り、湧き上がる歓喜に喉が鳴る。
「そうか、悠虎の中では紫條彪煌が一番好きな人か………次点で、紅條瑛煌か
くすくす………それじゃ、今、悠虎を抱いているのは
お前の大好きな人だ、そう思って名前を呼べよ
そしたら、もっともっと優しく抱いてやるぞ
そう、恋人として…な」
囁かれた言葉に、悠虎は逡巡した後に、オズオズと、細い声で言う。
「紫條さん……や…やさしく…して………」
恥ずかしそうにそういう悠虎に、ズクッと股間を刺激され、彪煌は深まる欲望にベロリッと唇を舐めてから、クックッと喉を振るわせて言う。
「クックックックッ……悠虎…本当に、可愛いな、お前は
こういう時は、姓の方じゃなくて、名前の方で呼ぶもんだぞ
この場合は彪煌だろう…こういうコトしてんだからさ」
そう囁いて、彪煌は緩く抜き差しをする。
「…ひっ……やぁぁ~……動かないでぇ…痛いよ……許してぇ……
あ…あきら…さん…優しくして……」
望んだ通りの言葉を言わせた彪煌は、自分の中の欲望が急速に膨れ上がるのを感じたと同時に、理性の手綱が振り切られるのを感じて、クッと唇を噛んで耐える。
強く噛み過ぎて、彪煌は唇を噛み切り、口中に広がる血の味に、逆に興奮してしまう。
「ごめんな悠虎…優しく出来ない
お前が可愛すぎて……堪らないっ………」
そう言うと同時に、彪煌はぐっと悠虎の肩と腰を逃がさないように抱き込み、欲望のままに腰を深く沈め、容赦なく腰を振り始める。
「ひぃぃぃぃぃ~……ぃやぁぁぁ……やさ…しく…してぇぇ~………
ゆるしてぇ~…痛い…痛い…よぉぉ……し…じょ……さ……」
悠虎の啼き声に、興奮を煽られた彪煌は、容赦のない抜き挿しを始めながら、その耳孔に囁く。
「……はぁ…はぁ…たまんねぇ~な…ゆう…と……あきら…だ…
呼べよ…ほら…あきらって……クッ…流石に、初めてだけある
このキツイ締め付け…慣らして…あっても…かなり狭いな
ゆうと…良い子だ…ほら、あきら…って…呼ぶんだ」
そう囁いた後、強引な抜き挿しが始まったコトで、啼き声を上げる唇に唇を重ね、彪煌はその口腔も蹂躙する。
…………いたい…いたい…うぐっ…苦しいよぉ~…っ…?…?…………
…………えっ…この味…血の味がする…どこかで口ン中切った?…………
…………いや、そう意味じゃ顔を叩かれてたりしてないし…………
…………痛いのは…ペニス…突っ込まれてる肛門だけ…って…………
…………もしかしなくても…興奮して…あ…あきら…さん唇切った?…………
…………肛門を押し拡げられて…痛いし苦しいけど…俺は…………
いくら意識の無い時に異物の挿入に慣らされていようと、意識のある状態での挿入が初めての身体である。
そのセイもあって、苦痛を感じている身体と意識がなんらかの理由によって、ぷっつりと感覚が途切れてしまった。
そのお陰で、意識と身体へのアナルセックスという虐待行為の為に、乖離してしまっていた。
…………もしかしなくても…あきらさん…興奮しすぎて唇切った?…………
…………もしかして、本当の本当に…紫條さんなのかな?…………
…………俺が何度も注意されてんのに、その忠告を無視したから…………
…………だから、コレは悪い子な俺へのお仕置きなの?…………
…………それと、本当に、俺に対して恋愛感情があるの?…………
…………でも、そんなコト絶対に聞けない…怖い…嫌われたくない…………
…………これが単なるお仕置きでも…なんでもかまわない…………
…………なんでだかは、わからないけど…今は乖離してるし…………
意識と肉体が乖離した悠虎は、激しい抜き挿し行為に悲鳴を上げながら、ただただ彪煌の欲望のままに揺すぶられる。
そんな自分の身体と、喉からほとばしる悲鳴を他人事のように感じながら、荒い息を吐きながら、アナルセックスに没頭する、男の正体をただただ埒も無いまま思考する。
…………乖離しても、まるっきり感覚が無いわけじゃないんだな…………
…………肛門を限界いっぱいまで拡げられて擦られる痛みと異物感…………
…………泣き叫ぶ喉の痛みとか…なんか厚い膜越しに感じるコトは出来る…………
…………ただ、その不思議な膜のお陰で、さほどキツクは無い…………
…………男としては最大の屈辱のはずなんだけど…今は何も感じない…………
…………それって、俺が紫條さんを好きだからなのかな?…………
…………こんなコトになって、はじめて自覚するなんて…皮肉すぎねぇ…………
…………自分の中に、恋愛感情ってモン…あったんだなぁ~…………
肉体との感覚が乖離した悠虎は、今自分の肉体にされているコトを、どこか他人事のように思いながら、ただただこの時間が終わるコトを望むのだった。
0
お気に入りに追加
263
あなたにおすすめの小説






鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる