煉獄の中の溺愛

ブラックベリィ

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0025★なるようにしかならないよね*side彪煌+瑛煌*

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 …………悠虎ゆうと君も、可哀想にねぇ…本当に運がないよなぁ~…………
 …………こんなあぶねぇ~ヤツに、目ぇ~付けられちゃってさぁ…………

 何時もいつも、女相手にしらけ切っていた彪煌あきらが、こんな風に燃え盛っているのを見たコトがないから瑛煌えいきもどう対処していいか困るだけだった。

「マジで?」

 だから、何度も念を押すように聞いてしまうのは、無理も無かった。

「ああ」

 起こるコトなく、即答である。
 そんな彪煌あきらに、ようやく瑛煌えいきは本心から納得する。

 …………しゃーねぇーなぁ…悠虎ゆうと君には悪いけど…………
 …………本気になった彪煌あきらのコトを、俺は応援しよぉ…………

 …………それに、これ以上…踏み込んだら怖いモンが出て来る…………
 …………もしかしたら、あの婆が言った運命の子かもしれないし…………

 彪煌あきらの本気に納得した瑛煌えいきは、先程までの悲愴感はどこえやら、という表情になる。
 そう、瑛煌えいきは意識を切り替えて、これからの事態を楽しむコトにした。

「了解、そこまで本気なら、俺はもう何も言わないよ
 俺に、悠虎ゆうとをレイプするってコトを話したのは

 もしもン時にめろってコトだろう
 そん時は、ちゃんと考えて抑制してやるよ」

 いっくら、悠虎ゆうとが可愛かろうと、所詮はひとごとである、事態がややっこしい程、じっさいには面白いモノなのだ。
 もっとも、それは当事者にならなければの話しであるが。

 そして、この事態に杞憂を感じつつも、瑛煌えいきは他人事と決め込むコトにした。
 もっとも、結局は彪煌あきら悠虎ゆうとのコトなので、巻き込まれるのは確かな事実だったりする。

「これ以上は言及する気ないわ…せいぜい上手うまくやれよ」

 この事態の影響が自分に降りかからないコトを願いっつ、瑛煌えいきは肩をすくめて頷くのだった。

「ああ、失敗するつもりはない…俺の邪魔はするなよ瑛煌えいき
 あと、はき違えている馬鹿共も粛清しといてくれると助かる」

 …………まっ…こんだけ言って脅しておけば、邪魔しねーだろ…………
 …………それでも、クギは刺しておいて損は無い…………

 …………なんつっても、瑛煌えいきは親父と同じ、面白がりやだ…………
 …………親父にどんな風に、面白おかしく報告するかわかったモンじゃない…………

 …………それに、瑛煌えいきに俺の真意を言っとけば…………
 …………目障りな、馬鹿共も幾らか手出しを控えるだろう…………

 テーブルに置かれたまま、冷え切った珈琲をクイッと飲み干し、彪煌あきらは生徒会長の椅子から立ち上がる。

「うん、オッケー……裏の方は少し整理しとくよ
 理事連や教師達も抑えておくから、ドジんなよ

 るんなら、確実に捕まえて逃がすなよ
 捕まえてあれば、懐柔かいじゅうするコトはできんだからさ」

 …………悠虎ゆうとが婆の言う運命ので、ソレをを手に入れて…………
 …………彪煌あきらがもう少しまっとうになってくれれば良いんだけどなぁ…………

 思うのは勝手だが、彪煌あきらが更に鬼畜で残忍に変貌するとは思わない瑛煌えいきであった。

「逃がす?…そんなコトするか、この俺が
 とにかく悠虎ゆうとに目を付けている奴等は処分しておけよ」

 そう言って、彪煌あきらは生徒会長室から出て、自分の教室に向かった。
                                                                    
   後には、酷く重い溜め息を吐く瑛煌えいきが、グラウンドで駆け回る悠虎ゆうとを窓から見下ろしていた。

 その視線の先では、悠虎ゆうとがゴールにシュートを決めていた。
 今のいままで、彪煌あきらはここから獲物と見定めた悠虎ゆうとを見下ろしていたのだ。

「……伊槻いつき………悠虎ゆうと……か………君が運命の子なのかな?」

 彪煌あきらの狙った悠虎ゆうとを見詰めて、瑛煌えいきは我知らず呟くのだった。

 カバンを持ってグラウンドに降りた彪煌あきらは、先までの狡滑で邪悪な顔を隠し、無邪気にサッカーボールにじゃれ付く悠虎ゆうとに声をかける。

悠虎ゆうと、そろそろ終わりにしろよ」

 彪煌あきらに渡り廊下から声をかけられて、悠虎ゆうとはふっと顔をあげる。

「はぁーい」

 無邪気にその呼びかけに振り返り、どこか子供の甘えを含んだ声で返事をした悠虎ゆうとは、彪煌あきらの元に走って来る。

「さて、荷物を持ったら、真っすぐ帰ろうな」

 ポンポンと悠虎ゆうとの肩を軽く叩き、彪煌あきらはふわりと優しく笑う。
 が、内心で考えているコトはかなり外道だったりする。

 …………悠虎ゆうと、お前は俺の腕の中でどんな風に啼いてくれるかな?…………

 彪煌あきらの胸内で、残虐な漆黒のケダモノがぺロリと舌舐めずりをする。
 が、そんなコトをおくびにも出さず、彪煌あきらは今日も悠虎ゆうとを手懐ける為に、作られた?優しいお兄さんを演じて、帰宅するコトをうながした。













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