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0020★~夢の中~優しい時間*side彪煌+瑛煌*
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姿勢を正してそう言い出す悠虎に、瑛煌が手を振って笑う。
「気にすることないって、なっ彪煌」
「ああ」
瑛煌に話しを振られた彪煌は、幾分おざなりな感じで頷いて紅茶を一口飲んでから言う。
「いや、むしろ謝らないといけないのは俺達の方だな
我が学園の生徒達の特待生に対する認識が、まさかあれほどだとは………
世間一般と違ってきているコトは、一応把握はしていたがな
自分達の都合の良い妄想と欲望の果てがアレだ
まったく、わざわざ学園がお金を出して、出来の悪い生徒達に下げられた偏差値を上げる為に
優秀な生徒を外部から呼んで、レベルを底上げしているというのにな
どこをどう考えたら、あんな思考になるんだか妄想もいいところだ
特待生は、寄付金を積んだ生徒達のオモチャにして良いなんて
ふざけた解釈して、特待生を下に見て悪戯する馬鹿共がいる
一部に、はき違えた奴等がいるってコトは把握していたが
そういう勘違いを正し、周知徹底しなかった俺達が悪い」
重い雰囲気でそう言う彪煌に、ちょっと異様なモノを感じつつも、悠虎は何も言わずにティーカップに手を付ける。
そんな中、瑛煌が最優先事項を口にする。
「取り敢えず、勘違い野郎共の認識の改めは横に置いておいて
今しないとならないコトを片付けよう………ってコトで
悠虎君を狙ったアレは、流石に目に余ると思う
その為に入れた、特待生を潰されちゃたまらないよ
ここは、ちゃんと対処しないとね…悠虎君の身体考えたら
立派な傷害事件だし、停学程度では済ませないよ」
などと、クッキーを食べながら、何の気ない感じで瑛煌が言う。
「そうだな、確かに、わざわざ呼んだ特待生に対するイジメなど
ここのところ目に余るモノがありすぎるな
一般生徒達への認識の是正と、諸悪の根源の排除だな
教師達の手前……少し考えて……とは思っていたのだがなぁ
どうするか観察していたが、注意する教師は居なかったしな
ここは、俺達が仕切って、正すしかないな」
言外に、特待生をターゲットにして遊んでいる者達は、多少粛清した方が良いと匂わす彪煌に、瑛煌も心得たという、少し意地悪な笑顔を浮かべる。
「生徒会としての対策も、万全じゃないからね
教師達の良心に期待したんだけどねぇ~…………
あいつ等は、ワイロもらっているのかもな
そっちも確認して、腐ったところは削除しないとね
………あぁ…悠虎君、これ食べてみなよ、美味しいよ」
…………これ以上、学園内をかき回されるのは迷惑だ…………
…………これはもう、裏から粛正しても良いよな…………
瑛煌は悠虎にお菓子をすすめながら、視線で彪煌に確認を取る。
「そりゃ~…そうだな…腐ったミカンは取り除かないとな
…………悠虎、無理するコトないぞ
苦手な味だったら、食べなくて良い、食べたいモノだけ食べとけ
それと、お前は、ちょっと痩せすぎだと思うぞ
ここに抱いて運んだ時、あんまりに軽いんでびっくりしたぞ」
…………まぁ~瑛煌の好きにしてイイぞ…………
…………ああいう…煩い奴らはさっさと排際するに限るしな…………
口で言ってる言葉とは別に、視線で無言の会話をしつつ、ふたりはさりげなく悠虎を構う。
そういう構い方をされたコトの無い悠虎は、どこか面映ゆい思いをしつつ、無意識に僅かに微笑みを浮かべて言う。
「おふたりって、仲が良いんですね」
言われた彪煌と瑛煌は顔を見台わせてから、苦笑する。
「まぁ…血縁で幼馴染みだからな」
「そっ…親戚だし、小さい時から一緒だったからね
こいつの扱いにも、それなりに慣れてるんだ」
と、こいつ扱いされた彪煌がチラッと瑛煌に視線を飛ばし、悠虎に向き直る。
「悠虎気を付けるんだぞ
瑛煌にかかったら、何でもないコトでも
一大スキャンダルにして、噂を飛ばすヤツだかんな」
目をパチクリさせる悠虎に、彪煌は自分のコトを棚上けした言動で、気を反らさせようとする。
「そうなんですか?」
「ああ、だから、気を付けるんだぞ
それと、敬語で話さなくったって良いぞ」
よくわからないという顔をする悠虎に、瑛煌も続けて頷くように言う。
「そうそう、普通に話しなよ、友達としてさ」
更に躊躇いと困惑を見せる悠虎に、瑛煌が茶めっけたっぷりの表情で続ける。
「そうそう、悠虎ってばお姫様抱っこで運ばれたんだよ
きっと、明日には彪煌が悠虎を………
って話しが学園を駆け巡っているかもね」
瑛煌の発言に、紅茶を優雅に飲んでいた彪煌がシレッとした表情でいう。
「間違いなく、ソレを流すのはお前だろう、瑛煌」
「だって面白いじゃない、冷静沈着の能面彪煌が………ってさ
きっと、おじさんはその話しを喜んでくれるよ」
と、ふたりして未知の会話をしてくれるので、ちょっと意識を逃避行させた悠虎は、紅茶とクッキーに逃げるのだった。
「気にすることないって、なっ彪煌」
「ああ」
瑛煌に話しを振られた彪煌は、幾分おざなりな感じで頷いて紅茶を一口飲んでから言う。
「いや、むしろ謝らないといけないのは俺達の方だな
我が学園の生徒達の特待生に対する認識が、まさかあれほどだとは………
世間一般と違ってきているコトは、一応把握はしていたがな
自分達の都合の良い妄想と欲望の果てがアレだ
まったく、わざわざ学園がお金を出して、出来の悪い生徒達に下げられた偏差値を上げる為に
優秀な生徒を外部から呼んで、レベルを底上げしているというのにな
どこをどう考えたら、あんな思考になるんだか妄想もいいところだ
特待生は、寄付金を積んだ生徒達のオモチャにして良いなんて
ふざけた解釈して、特待生を下に見て悪戯する馬鹿共がいる
一部に、はき違えた奴等がいるってコトは把握していたが
そういう勘違いを正し、周知徹底しなかった俺達が悪い」
重い雰囲気でそう言う彪煌に、ちょっと異様なモノを感じつつも、悠虎は何も言わずにティーカップに手を付ける。
そんな中、瑛煌が最優先事項を口にする。
「取り敢えず、勘違い野郎共の認識の改めは横に置いておいて
今しないとならないコトを片付けよう………ってコトで
悠虎君を狙ったアレは、流石に目に余ると思う
その為に入れた、特待生を潰されちゃたまらないよ
ここは、ちゃんと対処しないとね…悠虎君の身体考えたら
立派な傷害事件だし、停学程度では済ませないよ」
などと、クッキーを食べながら、何の気ない感じで瑛煌が言う。
「そうだな、確かに、わざわざ呼んだ特待生に対するイジメなど
ここのところ目に余るモノがありすぎるな
一般生徒達への認識の是正と、諸悪の根源の排除だな
教師達の手前……少し考えて……とは思っていたのだがなぁ
どうするか観察していたが、注意する教師は居なかったしな
ここは、俺達が仕切って、正すしかないな」
言外に、特待生をターゲットにして遊んでいる者達は、多少粛清した方が良いと匂わす彪煌に、瑛煌も心得たという、少し意地悪な笑顔を浮かべる。
「生徒会としての対策も、万全じゃないからね
教師達の良心に期待したんだけどねぇ~…………
あいつ等は、ワイロもらっているのかもな
そっちも確認して、腐ったところは削除しないとね
………あぁ…悠虎君、これ食べてみなよ、美味しいよ」
…………これ以上、学園内をかき回されるのは迷惑だ…………
…………これはもう、裏から粛正しても良いよな…………
瑛煌は悠虎にお菓子をすすめながら、視線で彪煌に確認を取る。
「そりゃ~…そうだな…腐ったミカンは取り除かないとな
…………悠虎、無理するコトないぞ
苦手な味だったら、食べなくて良い、食べたいモノだけ食べとけ
それと、お前は、ちょっと痩せすぎだと思うぞ
ここに抱いて運んだ時、あんまりに軽いんでびっくりしたぞ」
…………まぁ~瑛煌の好きにしてイイぞ…………
…………ああいう…煩い奴らはさっさと排際するに限るしな…………
口で言ってる言葉とは別に、視線で無言の会話をしつつ、ふたりはさりげなく悠虎を構う。
そういう構い方をされたコトの無い悠虎は、どこか面映ゆい思いをしつつ、無意識に僅かに微笑みを浮かべて言う。
「おふたりって、仲が良いんですね」
言われた彪煌と瑛煌は顔を見台わせてから、苦笑する。
「まぁ…血縁で幼馴染みだからな」
「そっ…親戚だし、小さい時から一緒だったからね
こいつの扱いにも、それなりに慣れてるんだ」
と、こいつ扱いされた彪煌がチラッと瑛煌に視線を飛ばし、悠虎に向き直る。
「悠虎気を付けるんだぞ
瑛煌にかかったら、何でもないコトでも
一大スキャンダルにして、噂を飛ばすヤツだかんな」
目をパチクリさせる悠虎に、彪煌は自分のコトを棚上けした言動で、気を反らさせようとする。
「そうなんですか?」
「ああ、だから、気を付けるんだぞ
それと、敬語で話さなくったって良いぞ」
よくわからないという顔をする悠虎に、瑛煌も続けて頷くように言う。
「そうそう、普通に話しなよ、友達としてさ」
更に躊躇いと困惑を見せる悠虎に、瑛煌が茶めっけたっぷりの表情で続ける。
「そうそう、悠虎ってばお姫様抱っこで運ばれたんだよ
きっと、明日には彪煌が悠虎を………
って話しが学園を駆け巡っているかもね」
瑛煌の発言に、紅茶を優雅に飲んでいた彪煌がシレッとした表情でいう。
「間違いなく、ソレを流すのはお前だろう、瑛煌」
「だって面白いじゃない、冷静沈着の能面彪煌が………ってさ
きっと、おじさんはその話しを喜んでくれるよ」
と、ふたりして未知の会話をしてくれるので、ちょっと意識を逃避行させた悠虎は、紅茶とクッキーに逃げるのだった。
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