煉獄の中の溺愛

ブラックベリィ

文字の大きさ
上 下
15 / 57

0015★~夢の中~私立條清学園は、俺達の遊び場*side彪煌+瑛煌*

しおりを挟む


 彪煌あきらは、瑛煌えいきを見もせずに、自分に向かって放り投げられた無印のチューブをキャッチする。

「サンキュー瑛煌えいき

 そう言いながら、無印のチューブのキャップを取って白い軟膏を指にすくい取る。
 そして、彪煌あきらは深く昏倒こんとうしている悠虎ゆうとの身体のそこかしこに散る打撲だぼく鬱血うっけつ痕跡あとに、至極丁寧な作業で、ソッと特製軟膏を塗り込んで行く。

彪煌あきら、この分じゃぁ~…脚の方も酷いと思うんだけど
 足首も膝も酷かったから、たぶん大腿部や臀部も酷いと思う………」

 『どうする?』と視線で問う瑛煌えいきを無視して、平然と悠虎ゆうとのズボンのベルトに手をかける。

 ベルトのバックルを外し、ボタンを外してチャックを降ろし、出来るだけ身体に負担がかからないようにズボンを脱がす。
 彪煌あきらは脱がした悠虎ゆうとのズボンを瑛煌えいきに放り投げる。

 そして、よく観察する為に、悠虎ゆうとの脚を広げて、眉をひそめる。
 そこには、大きく鬱血うっけつした痕跡あとがあった。
 内股の部分に彪煌あきらの掌ほどのモノがふたつも存在していた。

「マジで酷いな」

 ボソッとした呟きに、放られたズボンをたたんでいた瑛煌えいき彪煌あきらの脇から、悠虎ゆうとの広げられた脚を覗き込む。

「うわぁ~…本当に酷いな…こりゃ~しばらく痛むぞ」

 その大きなふたつの鬱血うっけつ以外にも、打撲だぼくによる鬱血うっけつが大小様々な形で細い華奢な両脚にところ狭しと浮かんでいた。

 瑛煌えいきじゃなくてもそう思うだろう。

「ああ、そうだな……つーコトでちょっと手伝え
 背中とケツまわりも確認して傷や鬱血うっけつあったら治療する」

「はいはい、オーケーオーケー」

 瑛煌えいきは軽く返事をして、彪煌あきら悠虎ゆうとの身体をひっくり返すのに合わせて、ソッとうつ伏せた時に楽なようにクッションを入れる。

「あやぁ~…背中も凄いね」

「ああ、ケツまわりもっ飛ばされたようだな」

 そういう彪煌あきらは、悠虎ゆうとのパンツを平気で降ろしていた。
 現れた双丘は、見事にまだら模様になっていた。

「うわぁ~…いたそぉぉぉぉ~………コレ、座るの大変だよ、絶対
 あいつ等、この子をる気だったみたいだけど………

 全然、後のコトなんて考えて無かったね
 なんでも、金で解決できるって思っているんだろうね」

 悠虎ゆうとの剥きだした双丘のまだら模様に、彪煌あきらは苦虫を噛み潰したような表情で、無印の軟膏を丁寧に塗って行く。

「本当に、ああいうやからは困る…頭が痛いぜ…はき違えやがって
 ここ私立條清学園は、俺達の遊び場であってあいつ等の遊び場じゃねぇ………」

 彪煌あきら悠虎ゆうとの臀部全体に軟膏を塗り終えた頃、背中の治療をしていた瑛煌えいきもひと通りの治療は終わっていた。

「ちょっとパンツ上げるのは待って、スプレーしておこう
 流石に鬱血うっけつが酷いから、ちょっと多めに軟膏を塗ったから
 あと、べたつくと気持ち悪いだろうからさ………」

 そう言って、瑛煌えいきはててっと棚に行き、傷薬を塗っても肌がサラっとなるスプレー缶を手に戻って来た。
 そして、カシカシと振ってから、シューっと悠虎ゆうとの背面全部に振り掛けたのだった。

「はい、これでオーケーね…あっパンツ上げて良いよ」

 瑛煌えいきの言葉に応じて、丁寧に軟膏を塗り込んで、スプレーをかけられた悠虎ゆうとのパンツを上げる。
 そして、彪煌あきらは溜め息をひとついて言う。

「んじゃ、ソッと仰向けにすっぞ」

「はいはい」

 身体に極力負担をかけないように仰向けにした悠虎ゆうとに、彪煌あきらは手触りが極上の軽く柔らかい絹の毛布をソッとかけてやる。

「あれ?服を着せてあげないの?」

 不思議そうに言う瑛煌えいきに、彪煌あきらがそっけなく応じる。

「自動調整で快適温度になっているから、後で着せればいいだろ
 今は、負担になるモノはつけない方が良い
 出来るだけ、リラックスした状態の方が治癒力ちゆりょくが上がる」

 そう言いながら、壁にあるスイッチの一つをピッと押して、裸体でも良い温度にセットする。
 実際、今の悠虎ゆうとはパンツ一枚でほぼ全裸に近い状態なのだ。

 静かな寝息に、彪煌あきらはフッと微笑わらう。

「さて、どうせここに来たんだから、生徒会の仕事でも片付けちまうか」

 シニカルな笑みで、彪煌あきら瑛煌えいきあごをしゃくる。
 ようは、瑛煌えいきに仮眠部屋から退出するコトをうながしているのだ。

「ああ、そうだな」

 取り敢えず、出来る限りの治療を済ませた瑛煌えいきは頷いて、椅子から立ち上がる。
 そして、仮眠部屋の唯一の出入り口であるドアに向かうのだった。                                    
                                                                                      
                                                                                      
  









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店

ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。

無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子
BL
Dom/subユニバース ★が多くなるほどえろ重視の作品になっていきます。 ぼちぼち更新

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

3人の弟に逆らえない

ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。 主人公:高校2年生の瑠璃 長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。 次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。 三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい? 3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。 しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか? そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。 調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

官能を暴き、屈辱を貢ぐ

クズ惚れつ
BL
物腰柔らかなサディスト有能編集者(24)×プライド高い人間嫌い性欲強め官能小説家(27) 「エロはファンタジーだからリアルではしたくない」主義の処女童貞官能小説家、蜘蛛野糸一(くものいといち)と、「作品にリアリティを持たせるため小説家に性的行為を強要する」サディスティックな担当編集者、一ノ瀬貢(いちのせみつぐ)。 蜘蛛野が執筆した小説の濡れ場のワンシーンを模したエロを強要する。嫌悪してやまないリアルの性的行為を、男、さらに年下の担当編集に強要される辱め。そして、自分が執筆した性描写を自身で再現させられ、同時に自分の作品にダメ出しをされる屈辱に、蜘蛛野のプライドはズタズタに引き裂かれる。 「至極の官能小説を執筆させる」ために一ノ瀬はアブノーマルなセクハラを繰り返すが、それは建前で、彼の嗜虐心を満たすための玩具に過ぎないのかもしれない。 ※単話でも読めます ※ほぼずっと濡れ場 ※不定期更新

処理中です...