煉獄の中の溺愛

ブラックベリィ

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0015★~夢の中~私立條清学園は、俺達の遊び場*side彪煌+瑛煌*

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 彪煌あきらは、瑛煌えいきを見もせずに、自分に向かって放り投げられた無印のチューブをキャッチする。

「サンキュー瑛煌えいき

 そう言いながら、無印のチューブのキャップを取って白い軟膏を指にすくい取る。
 そして、彪煌あきらは深く昏倒こんとうしている悠虎ゆうとの身体のそこかしこに散る打撲だぼく鬱血うっけつ痕跡あとに、至極丁寧な作業で、ソッと特製軟膏を塗り込んで行く。

彪煌あきら、この分じゃぁ~…脚の方も酷いと思うんだけど
 足首も膝も酷かったから、たぶん大腿部や臀部も酷いと思う………」

 『どうする?』と視線で問う瑛煌えいきを無視して、平然と悠虎ゆうとのズボンのベルトに手をかける。

 ベルトのバックルを外し、ボタンを外してチャックを降ろし、出来るだけ身体に負担がかからないようにズボンを脱がす。
 彪煌あきらは脱がした悠虎ゆうとのズボンを瑛煌えいきに放り投げる。

 そして、よく観察する為に、悠虎ゆうとの脚を広げて、眉をひそめる。
 そこには、大きく鬱血うっけつした痕跡あとがあった。
 内股の部分に彪煌あきらの掌ほどのモノがふたつも存在していた。

「マジで酷いな」

 ボソッとした呟きに、放られたズボンをたたんでいた瑛煌えいき彪煌あきらの脇から、悠虎ゆうとの広げられた脚を覗き込む。

「うわぁ~…本当に酷いな…こりゃ~しばらく痛むぞ」

 その大きなふたつの鬱血うっけつ以外にも、打撲だぼくによる鬱血うっけつが大小様々な形で細い華奢な両脚にところ狭しと浮かんでいた。

 瑛煌えいきじゃなくてもそう思うだろう。

「ああ、そうだな……つーコトでちょっと手伝え
 背中とケツまわりも確認して傷や鬱血うっけつあったら治療する」

「はいはい、オーケーオーケー」

 瑛煌えいきは軽く返事をして、彪煌あきら悠虎ゆうとの身体をひっくり返すのに合わせて、ソッとうつ伏せた時に楽なようにクッションを入れる。

「あやぁ~…背中も凄いね」

「ああ、ケツまわりもっ飛ばされたようだな」

 そういう彪煌あきらは、悠虎ゆうとのパンツを平気で降ろしていた。
 現れた双丘は、見事にまだら模様になっていた。

「うわぁ~…いたそぉぉぉぉ~………コレ、座るの大変だよ、絶対
 あいつ等、この子をる気だったみたいだけど………

 全然、後のコトなんて考えて無かったね
 なんでも、金で解決できるって思っているんだろうね」

 悠虎ゆうとの剥きだした双丘のまだら模様に、彪煌あきらは苦虫を噛み潰したような表情で、無印の軟膏を丁寧に塗って行く。

「本当に、ああいうやからは困る…頭が痛いぜ…はき違えやがって
 ここ私立條清学園は、俺達の遊び場であってあいつ等の遊び場じゃねぇ………」

 彪煌あきら悠虎ゆうとの臀部全体に軟膏を塗り終えた頃、背中の治療をしていた瑛煌えいきもひと通りの治療は終わっていた。

「ちょっとパンツ上げるのは待って、スプレーしておこう
 流石に鬱血うっけつが酷いから、ちょっと多めに軟膏を塗ったから
 あと、べたつくと気持ち悪いだろうからさ………」

 そう言って、瑛煌えいきはててっと棚に行き、傷薬を塗っても肌がサラっとなるスプレー缶を手に戻って来た。
 そして、カシカシと振ってから、シューっと悠虎ゆうとの背面全部に振り掛けたのだった。

「はい、これでオーケーね…あっパンツ上げて良いよ」

 瑛煌えいきの言葉に応じて、丁寧に軟膏を塗り込んで、スプレーをかけられた悠虎ゆうとのパンツを上げる。
 そして、彪煌あきらは溜め息をひとついて言う。

「んじゃ、ソッと仰向けにすっぞ」

「はいはい」

 身体に極力負担をかけないように仰向けにした悠虎ゆうとに、彪煌あきらは手触りが極上の軽く柔らかい絹の毛布をソッとかけてやる。

「あれ?服を着せてあげないの?」

 不思議そうに言う瑛煌えいきに、彪煌あきらがそっけなく応じる。

「自動調整で快適温度になっているから、後で着せればいいだろ
 今は、負担になるモノはつけない方が良い
 出来るだけ、リラックスした状態の方が治癒力ちゆりょくが上がる」

 そう言いながら、壁にあるスイッチの一つをピッと押して、裸体でも良い温度にセットする。
 実際、今の悠虎ゆうとはパンツ一枚でほぼ全裸に近い状態なのだ。

 静かな寝息に、彪煌あきらはフッと微笑わらう。

「さて、どうせここに来たんだから、生徒会の仕事でも片付けちまうか」

 シニカルな笑みで、彪煌あきら瑛煌えいきあごをしゃくる。
 ようは、瑛煌えいきに仮眠部屋から退出するコトをうながしているのだ。

「ああ、そうだな」

 取り敢えず、出来る限りの治療を済ませた瑛煌えいきは頷いて、椅子から立ち上がる。
 そして、仮眠部屋の唯一の出入り口であるドアに向かうのだった。                                    
                                                                                      
                                                                                      
  









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