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0006★飢渇~満たされないこころ~*side彪煌*
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紫條彪煌は、今日も今日とて、自堕落に過ごしていた。
極上の素材で作られたベッドから降りながら、深い溜め息を吐く。
…………はぁ~…世間一般的に、イイ女って言われている女だが…………
…………抱いてみたけど…なんか虚しいーぜ…………
…………どこかに俺を楽しませてくれるオンナいねぇ~かなぁ~…………
…………いや、別にオンナじゃなくてもイイんだよ…………
…………この退屈を紛らわせてくれるなら何でもイイ…………
…………女達の口にする…愛も恋もわからねぇーし…興味ねぇー…………
…………いっそ…赤裸々に、欲望をぶちまけられた方が理解る…………
…………妬みに嫉み、僻みに恨み…………
…………他者を虐げて、暗い快楽に浸るのも飽きたし…………
…………どこかに、俺の空虚を埋めてくれるヤツ居ねぇかなぁ~…………
チラリッとベッドに視線を向ければ、先刻まで弄んでいた女が、深い眠りに入っていた。
というか、眠りというよりは気絶である。
そう、彪煌はその持て余した体力でもって、女を抱き潰した後だったりする。
女を抱くコトによって、一時的な肉体のスッキリ感は得られる。
だが、それだけだった。
肉体的な開放は得られても、こころの中はどんよりとした澱がジワジワと降り積もっていた。
ここ最近、いくら女を抱き潰しても、肉体はスッキリすれど、こころは晴れ渡るコトは無かった。
嫌がる者を、金と権力と暴力で蹂躙する。
そんな昏い喜悦も、彪煌のこころを満たさなくなって久しかった。
現在の楽しみと言えば、分家筋の者であり、自身の相棒と認めている紅條瑛煌と共に、計略を巡らせての乗っ取りぐらいであった。
それも、最近はめぼしい獲物となる企業も無く、惰性で適当に選んだ企業を手に入れたり倒産させたりしてするだけだった。
彪煌は気だるげにシャワーを浴びに浴室へと向かう。
シャワールームへと彪煌が入ると同時に、カサカサと紫條の影である使用人達が現れ、ベッドメイクを始める。
同時に持ち込んだ、大型の空気清浄機を稼働させる。
窓を開けて、空気の入れ替えなどというコトはしない。
それだけ、紫條の御曹司という地位はキケンだったりする。
勿論、自分の容姿の価値と効果をよぉ~く知っている彪煌である。
対外的には、容姿端麗な好青年に見えるように振る舞っているのだ。
獲物が釣れやすいようにと…………。
そういう振る舞いをしているがゆえに、彪煌の性格を知らない者達にとっては、垂涎モノの獲物に見えるのだ。
実際の中身は、容姿端麗な見掛けに反して、キケンな肉食獣であったりする。
それも、獰猛で狡猾で老獪な…………と、つくような。
そんな彪煌に抱き潰された女は、精根尽き果てるまで犯されたのに、至福の笑みを浮かべていたりする。
力尽き、与えられた快楽に耽溺した女は、紫條の影である使用人達の手によって、そのままどこぞにさっさと運び出されていたのは確かな事実だった。
まるで、ソコには最初から誰も居なかったかのように綺麗にベッドを整えると、紫條の影である使用人達は、彪煌がシャワールームから出る前に、さっさと撤収する。
勿論、最後に部屋を出る者が、特殊開発したスプレーを室内へと振り撒く。
微かでも、そういう情事の匂いが残るコトを、彪煌が嫌うが為に開発されたモノだったりする。
ほんのりとした極自然な感じのシトラス系のスプレーを撒き、備え付けのテーブルにグレープフルーツを数個置いて、退出する。
グレープフルーツは彪煌の好む果物なのだ。
シャワーを浴びて、寝室へと戻れば、ソコは綺麗さっぱりとした空間になっていた。
…………何時も思うが、綺麗にしてくれて助かるぜ…………
…………このどうしようもない餓えを満たす為とはいえ…………
…………ココに女の匂いが残るのは堪らないからな…………
…………さて、そろそろ瑛煌が来る頃だな…………
彪煌は、洗った長い髪の水滴をタオルで拭い取りながら、等身大の鏡の前に立つ。
そこに映る等身大の裸体をマジマジと確認し、小さく舌打ちする。
…………チッ…あの女…俺の肩に爪痕なんてモンを残しやがった…………
…………俺、こういうの…虫唾が走るほどキライなんだよなぁー…………
…………あっちゃー…首筋にキスマークまでつけやがったな…………
…………さて、あの女…二ヵ所も……どうしてくれようか…………
そんなコトを考えながら、彪煌の黒と見紛う腰より長い濃紫色の頭髪を手に持って、パラパラと零れ落とす。
さぁーっと不自然に広がった長い髪は、彪煌が頭をひとふりした次の瞬間には、綺麗さっぱりと乾いていたりする。
…………これで良しっと………鬱陶しいし、面倒だけど…………
…………霊力とやらの源らしいからなぁ~…しょぉ~がねぇ~…………
…………実際、短い時よりも色々と便利な《力》が使えるのも事実…………
…………また、この色と長さが、俺の地位を保証してくれる…………
極上の素材で作られたベッドから降りながら、深い溜め息を吐く。
…………はぁ~…世間一般的に、イイ女って言われている女だが…………
…………抱いてみたけど…なんか虚しいーぜ…………
…………どこかに俺を楽しませてくれるオンナいねぇ~かなぁ~…………
…………いや、別にオンナじゃなくてもイイんだよ…………
…………この退屈を紛らわせてくれるなら何でもイイ…………
…………女達の口にする…愛も恋もわからねぇーし…興味ねぇー…………
…………いっそ…赤裸々に、欲望をぶちまけられた方が理解る…………
…………妬みに嫉み、僻みに恨み…………
…………他者を虐げて、暗い快楽に浸るのも飽きたし…………
…………どこかに、俺の空虚を埋めてくれるヤツ居ねぇかなぁ~…………
チラリッとベッドに視線を向ければ、先刻まで弄んでいた女が、深い眠りに入っていた。
というか、眠りというよりは気絶である。
そう、彪煌はその持て余した体力でもって、女を抱き潰した後だったりする。
女を抱くコトによって、一時的な肉体のスッキリ感は得られる。
だが、それだけだった。
肉体的な開放は得られても、こころの中はどんよりとした澱がジワジワと降り積もっていた。
ここ最近、いくら女を抱き潰しても、肉体はスッキリすれど、こころは晴れ渡るコトは無かった。
嫌がる者を、金と権力と暴力で蹂躙する。
そんな昏い喜悦も、彪煌のこころを満たさなくなって久しかった。
現在の楽しみと言えば、分家筋の者であり、自身の相棒と認めている紅條瑛煌と共に、計略を巡らせての乗っ取りぐらいであった。
それも、最近はめぼしい獲物となる企業も無く、惰性で適当に選んだ企業を手に入れたり倒産させたりしてするだけだった。
彪煌は気だるげにシャワーを浴びに浴室へと向かう。
シャワールームへと彪煌が入ると同時に、カサカサと紫條の影である使用人達が現れ、ベッドメイクを始める。
同時に持ち込んだ、大型の空気清浄機を稼働させる。
窓を開けて、空気の入れ替えなどというコトはしない。
それだけ、紫條の御曹司という地位はキケンだったりする。
勿論、自分の容姿の価値と効果をよぉ~く知っている彪煌である。
対外的には、容姿端麗な好青年に見えるように振る舞っているのだ。
獲物が釣れやすいようにと…………。
そういう振る舞いをしているがゆえに、彪煌の性格を知らない者達にとっては、垂涎モノの獲物に見えるのだ。
実際の中身は、容姿端麗な見掛けに反して、キケンな肉食獣であったりする。
それも、獰猛で狡猾で老獪な…………と、つくような。
そんな彪煌に抱き潰された女は、精根尽き果てるまで犯されたのに、至福の笑みを浮かべていたりする。
力尽き、与えられた快楽に耽溺した女は、紫條の影である使用人達の手によって、そのままどこぞにさっさと運び出されていたのは確かな事実だった。
まるで、ソコには最初から誰も居なかったかのように綺麗にベッドを整えると、紫條の影である使用人達は、彪煌がシャワールームから出る前に、さっさと撤収する。
勿論、最後に部屋を出る者が、特殊開発したスプレーを室内へと振り撒く。
微かでも、そういう情事の匂いが残るコトを、彪煌が嫌うが為に開発されたモノだったりする。
ほんのりとした極自然な感じのシトラス系のスプレーを撒き、備え付けのテーブルにグレープフルーツを数個置いて、退出する。
グレープフルーツは彪煌の好む果物なのだ。
シャワーを浴びて、寝室へと戻れば、ソコは綺麗さっぱりとした空間になっていた。
…………何時も思うが、綺麗にしてくれて助かるぜ…………
…………このどうしようもない餓えを満たす為とはいえ…………
…………ココに女の匂いが残るのは堪らないからな…………
…………さて、そろそろ瑛煌が来る頃だな…………
彪煌は、洗った長い髪の水滴をタオルで拭い取りながら、等身大の鏡の前に立つ。
そこに映る等身大の裸体をマジマジと確認し、小さく舌打ちする。
…………チッ…あの女…俺の肩に爪痕なんてモンを残しやがった…………
…………俺、こういうの…虫唾が走るほどキライなんだよなぁー…………
…………あっちゃー…首筋にキスマークまでつけやがったな…………
…………さて、あの女…二ヵ所も……どうしてくれようか…………
そんなコトを考えながら、彪煌の黒と見紛う腰より長い濃紫色の頭髪を手に持って、パラパラと零れ落とす。
さぁーっと不自然に広がった長い髪は、彪煌が頭をひとふりした次の瞬間には、綺麗さっぱりと乾いていたりする。
…………これで良しっと………鬱陶しいし、面倒だけど…………
…………霊力とやらの源らしいからなぁ~…しょぉ~がねぇ~…………
…………実際、短い時よりも色々と便利な《力》が使えるのも事実…………
…………また、この色と長さが、俺の地位を保証してくれる…………
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