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0328★俺の生まれ故郷には、獣人など存在してない
しおりを挟むそう、神護が今まで出会った者は、全部が全部、獣人ばかりだったりする。
白夜が卵から誕生する前も、誕生した後も
その白夜を狙って、襲って来た奴等は見るからに
獣人の姿をした者達ばかりだったしなぁ~……
その中で、妙に嫌悪を覚えたのは黒鼠族かなぁ?
遭遇したのが、黒き河の国の兵士だったセイもあるんだろうが
異様な波動のようなモノを、垂れ流すように放っていたからなぁ
瞳に宿る欲望に塗れたモノの中にあるモノが、気持ち悪かったな
それに、あいつ等は、体内に小さいとはいえ魔石を保有していた
つまるところ、黒き河の国の兵士は、魔物化していたんだよなぁ
じゃなくって、マエラの一族は見るからにブチハイエナって判る
なんせ、特徴と姿形が、俺の知っているモノまんまだもんなぁ
そう言えば、リカオン族や狼族も見たなぁ
ただ、襲って来た獣人達と違って、兄のアデルは旅商人の長だし
弟のマデルは、双子の弟・ミデルと街で真っ当な商人している
だから、荒廃した感じも、妙な波動も感じないんだよな
クスクス………だからとてもブチハイエナらしいんだよな
特徴的な鼻をヒクヒクさせたり
まだら模様の耳を神経質にパタパタさせたりする
そんな愛嬌のある姿は、俺の主観的には、かなり可愛い
特に、アデルやマデルの、あの感情が表れる短めの尻尾がなぁ…
俺のもふもふ好きな部分に、妙に刺さるんだよなぁ
なんと言っても、嬉しいコト(大口の仕事が入るなど)があると
もの凄く忙しなく、プルプルと振っていてなぁ
感情が、ロコツなほどにモロ出しだもんな
そういえば、飛翔族の白夜には、尾翼は無かったよなぁ?
何度か身繕いする時に、全裸を見たけど無かったよなぁ?
さっき、翼の根元をミストシャワーで洗う時も見たけど無かったし
そんなことを考えながら、広い湯船の水面で、楽しそうにプカプカと浮かぶ、白夜の可愛らしい桃のようなお尻を見て、神護は首を傾げる。
そんな神護の視線に気付いた白夜は、ちゃぷちゃぷとお湯をかいて、側に寄って来る。
勿論、背中の翼の都合上、犬かきのような状態だ。
そうしないと、まだ柔らかい状態の翼が曲がってしまうからだ。
ついでに言えば、大きくなった翼が浮力を持っている為に、どうやってもそういうカタチでしか、お湯の中にいられないのだ。
まじかに来た白夜は、神護の肩に縋るようにして、湯船の中での体勢を整えながら問い掛ける。
「父上 どうかしましたか?」
白夜の質問に、神護は少しだけクスッと微笑って、思ったことをそのまま口にする。
「ん~…ああ…この世界は、獣人が主なんだなぁ~っと思ってなぁ
俺達を襲って来た、モロ物取り目的の夜盗? 盗賊? や
露骨に、ネズミ族って判る黒鼠族の兵士達
門番していた者や、街中ですれ違った者達も何らかの獣相持ちだろ
そう思うと、かなり獣相が濃い者が多かったしなぁ…って思ってさ
尻尾がある他に、頭に角を持ってるのもわりと居たしなぁ
一本角だったり、双角だったり…なかには、三本ある者も居たし
頭上に耳とタテガミっぽいの持つ者も見かけたしな
あの旅商人・アデルの一族
マエラ族の者は、いかにもブチハイエナ族らしい
鼻と耳と…まだら模様をそこかしこに纏っていたし
あの短めの尻尾を、プルプルと嬉しそうに振って
見るからに、可愛かったよなぁ~……
ああいうのを見るとさぁ……
ここでは、基本的に獣相をもっているのがあたりまえのようだな
俺の生まれた故郷には、そういう人種は存在しなかっただけに
面白いなぁ~…っと、思ってな
獣人なんてモンは、伝承や昔語り……いや、最近は小説もか…
そんな中だけの空想の産物だと思っていただけにな
そして、俺はそういうの持って無いからなぁ……」
だいぶ前に読んだ小説に、あったんだよなぁ………
獣人は、獣相を持たない者を好むって……そういう設定
自分の特徴を継承させたいから、獣相が少ない方が美人とか
そういう設定のもと、人族は狩られて居なくなっちまったのかもなぁ
獣相が無いってコトは、武器となるモノを身に纏ってないってコトだしな
きっと、数に勝る獣人に狩られて、消滅したんだろうなぁ
だから、白夜でさえ、昔語りの絶滅した種扱いなんだろうし
って、そうすると、俺も絶滅危惧種の仲間入りかい
そういう意味じゃ、俺自身も狙われる対象になるかもなぁ
そんなコトを露とも零さずに、神護は自分を見詰める白夜の頭を撫でる。
神護の言葉と、頭を撫でる手に双眸をうっとりと細めつつも、白夜は興味津々の瞳で聞く。
「えぇぇ~っ……父上の故郷には 獣人が存在しないんですかぁ?
私達という存在ず全て空想の産物なのですか?
ということは 全員が父上と同じように獣相を持たない者
ってことですか?」
瞳をまん丸にして言う白夜に、神護はクスクスと笑う。
そうだよなぁ…白夜の感想は、ある意味正しいモノだよなぁ
なんと言ったて、再誕前からそう言う環境だったろうし
誕生した瞬間からも、こういう環境にいるんだもんなぁ……
きっと、にわかには、信じられねぇ~よなぁ~……
獣人の存在しない、別の世界なんてモノはさ
そして、魔法も魔術も空想の産物だしな
今、俺がこうして、難なく使えるのは、アニメやマンガのお陰だ
エフェクトの効いた現象を、目で見て感じたモノがあるからな
呪文や現象の効果を知っているから、それを再現できるんだよな
あとは、できるなら、与えた魔法や魔術の数値やカウントが
目に見えてあると良いんだけどなぁ
敵の体力とか生命値の数値が解析されて視えればなぁ……
などと、どこか現実逃避したコトを考えてしまう神護だった。
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久しぶりに読み返しました!
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久しぶりに、、読み返しながら、つづきを読んで、楽しんでます!
ありがとうございます。
まめに更新していきたいと思います。
今晩は、生存報告を有難う御座います。また続きを読める事を楽しみに読み直ししております。この時期ですのでご無理せずにお過ごしください。