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0308★異世界の常識に眩暈を感じました

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 その白夜の言葉に、神護はなんとも言えない眩暈めまいのようなモノを感じながら、一生懸命、自分に、今の季節を認識しようとする。

 そっかぁ~……こういう環境でも、この世界では今が春なのか?
 そりゃー…晩秋と初春は、気温とか天気が環境がなんとなくだけど
 似ているかもしんねぇーけど……これで、春かよ

 違和感が強いのは、やっぱり砂漠のセイかなぁ?
 太陽が地平線に消えると、極端に温度が落ちるからなぁ

 でも、ここでは、雪や霜が降らない状態で、水も凍らないっ
 それが、この世界での、春の基準なのかぁ?
 はぁー…ところ変われば、常識も変わるっつぅー典型かな?

 内心で、自分にそうぼやきながらも、神護は再度白夜に問い掛ける。

 「白夜、それが、ここの春の基準なんだな」

 神護の言葉に、白夜は不思議そうな表情で、逆に聞いて来る。

 「はい 父上の故郷では 春とは どんな季節なのですか?」

 そんな白夜に、神護は自分が生活していた世界の四季を口にする。

 「う~ん…そうだなぁ…取り敢えず、春夏秋冬って4つの季節がある
 そして、春っーのは芽吹きの季節だな

 まぁ…俺が子供の頃よりも、だいぶ温暖化っつーモンのセイで
 随分と気温が高めになって、暖かくなってるけどな

 基本的には、こっちの春とあんまり変わってないかな?」

 いやあぁ~…10年かそこらで、だいぶ温暖化したみたいだからなぁ
 顕著なのが、北極の氷かなぁ?
 北極の氷が凍らなくなったって話題になっていたしなぁ………

 最近のテレビでのニュースで思い起こされたことに、神護はちょっと意識を飛ばしてしまう。

 利便性を求めるあまり、自然をないがしろにした結果の温暖化による変化を憂いつつも、神護は自分の生れ育った世界の四季の話しをする。

 「そうだなぁ…それじぁ…春の話しの前に……その前提を教えるな
 まず、俺の故郷の四季は、春夏秋冬っていって四つに分かれている
 たぶんに、こっちとさほど変わらないととは思うがな

 そして、春と呼ばれのは、基本的に芽吹きの季節って感じかな
 その次に来る季節は夏で、主に植物や昆虫などの育成期ってところかな
 夏の次に来るのは、秋さてヤツで、だいたいの認識としては実りの季節だ
 そして最後に、冬だな、冬は気温が低下して、場所にもよるけど雪などが降る、自然界に生きる生き物達にとっては休眠の季節かな?

 そういうのを前提に、まず秋から話すな
 なんで秋かって言うと、最初に感じたのが秋だったからだ
 まっ…実際には、春だっていうんだから、わからないもんだよな

 まぁ…それはさておき、秋っていう季節は樹木にとって実りの時期なんだ
 色々な木に成る果実が手に入りやすい季節なんだ
 大元の本来の意味とはちょっと違うんだけどなぁ………

 俺達の方では、秋は『天高く馬肥ゆる秋』って言葉があるくらい実りが豊かなんだ
 まぁ…本来の意味はは、『敵襲に警戒しろっ』てやつらしいけどな

 収穫物を奪いに来る騎馬民族が南下してくるからってコトらしい

 まぁ…それはさておき、秋の終わり頃
 晩秋と呼ばれる頃になると昆虫類は、子孫を残して死ぬ
 又は、地中深くに潜って冬眠などして、ほぼ活動を停止する

 冬に雪や霜が降って寒くなると、植物もぜぇーんぶ活動を停止する
 地上部は枯れたりして、休眠や冬眠をするんだ
 勿論、一部の動物も、そういう性質を持つヤツがいる

 そして、冬の期間が終わると、今度は春が来るんだ
 春は、冬に降り積もった雪がじょじょに融解し、豊かな水を作る
 降り積もった雪が解けて地面が露出し、冷たい空気がぬるんで暖かくなる

 そうすると、じっと春の暖かさを待って、我慢の子で休眠していたモノ
 寒さに強い草木から次々と芽吹き出すんだ
 充分に温度が暖かくなると、今度は花が咲き始める

 そうすると、その花粉や蜜を食料にする昆虫達が目覚め始める
 って感じかな? 昆虫は草木の受粉に必要だからな

 そして、そういう昆虫なんかを食料にする様々な鳥達が飛来する
 別の場所から渡って来て、食料(昆虫)の増えた場所で繁殖したりするんだ

 俺の生まれ育った地域での春っていうのは、そういう感じた
 それこそ、生命の息吹がそこかしこで目覚める季節なんだ

 特に、桜の薄紅色の花がそこかしこで咲き始めると
 あぁ…春だなぁ~…って、思うかな」

 神護の語る言葉から、だいたいを想像できたらしい白夜は、ちょっとうっとりした表情で言う。

 「それは とても綺麗で穏やかな 春なんでしょうねぇ~
 でも この世界では 冬でも 虫は起きて動き回ってますよ

 冬場に出る虫は はっきり言って かなり凶暴です
 それに 花だって 場所によっては 咲いています

 草や木だって 冬でもどんどん伸びて 人や動物を襲うモノが出ます
 だから 冬から春にかけては けっこう危険な季節ですね

 どれもこれも 極度にえ切ってますからねぇ
 春先などは 肉食植物や昆虫が もっとも凶暴な時期です

 だから 豊富な栄養を求めて 栄養価が高いわりに 抵抗力が弱く
 比較的捕食しやすい人族を狙って 防衛力の弱そうな場所に集まるんです 

 だから 春には いっせいに 都市周辺に集まってきたりするんですよ
 勿論 動物もそれに反応して 凶暴になってます

 だから春に移動する時は 常に警戒していないと
 肉食の植物や昆虫に襲われます 勿論、獣も魔物もいますから……

 私達も 充分に注意しないと 何時襲われてもおかしくない状態ですね」









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