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0292★ホタルが聖獣【レパルドフィン】の子供を拾って来たようです

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 神護は、帰って来たホタルが腕に抱えているモノをマジマジと見詰めて小首を傾げる。

 えぇ~とぉ……なんか拾って来たんだな
 ふむ、どうやら翼のようなモノが見えるから……

 鳥のヒナでも拾って来たのか?
 もしかして……ドードーの雛とか?
 それにしては、ちょっと…いや、かなり小さくねぇ?

 〈ドラゴン・ソウル〉だから、伸縮自在のホタルが
 羽毛の翼を畳んで、俺の身長とほぼ同じサイズで

 俺と同じサイズのホタルの抱えた腕ン中に
 ほとんど身体が隠れちまってるのは何だ?

 ここはちゃんと確認しておいた方が良いな

 「ホタル、その生き物はなんだぁ?
  羽根持ちのようだから、鳥か何かか?
  何を拾って来たんだ?」

 神護の問い掛けに、拾って来たホタル自身が信じられないという雰囲気で、とても不可思議そうに言う。

 『とても珍しい 聖獣【レパルドフィン】の子供です
  どうやら まだ 卵から孵ったばかりのようです

  聖獣【レパルドフィン】は とうの昔に 私達飛竜族同様
  狩られて絶滅したはずなんですが………

  その聖獣【レバルドフィン】の雛が どうしたコトか?
  砂漠の…… 何もない砂の海の中にポツンと居たのです

  聖獣【レパルドフィン】は 私の知る限り 種族として
  既に絶滅してしまっている種族なんですよね

  それに 本来は 果実や獲物 水気と魔素の豊富な
  森林地帯に生息していた種族なのに………

  こんなところ砂漠のど真ん中に居るモノでは無いのに
  まして どう見ても 孵化したばかり………

  つい 見捨てられず 拾って来てしまいましたが
  マスターどうしましょうか?』

 そう言って、ホタルは自分の腕の中でクッタリとしている聖獣【レパルドフィン】を見下ろす。

 「その聖獣【レパルドフィン】とかいう雛は
  取り敢えず、俺が預かろう
  ホタルは小さくなって、肩に来いよ」

 神護の言葉に、ホタルは聖獣【レパルドフィン】の雛を手渡して、言われた通りに小さくなってその肩に止まり、不可思議そうに小首を傾げる。

 神護は自分の腕の中でクッタリとしている聖獣【レパルドフィン】を見下ろす。

 「なぁー改めて聞くけど、この雛って
  聖獣【レパルドフィン】つーのか?」

 聖獣【レパルドフィン】ねぇ~…似たようなのってぇーと
 中国原産?の窮奇きゅうきかなぁ?

 窮奇きゅうきって、翼のある虎だけど………
 この子は、翼のある豹だよなぁ?

 ただ、頭から首元が、まだ産毛のはずなのに
 妙にモコモコしている感じだけど

 じゃなくって、この聖獣【レパルドフィン】の雛
 マジで孵ったばかりだったようだな

 そんな中で、本来の住処から遠く離れた
 砂漠の砂地に放置されたら、そりゃ~衰弱するよな


 まだうぶ毛っぽいけど、見た目てきには翼の生えた雪豹かな?
 うっすらとだけど、ロゼッタ模様あるし……

 全身モフモフの上で頭から首筋ぐるっと………
 特にモフモフで、毛足が長くて色違いかぁ~………

 このままの姿でも十分に可愛いけど
 育ったら、もっと可愛くなるだろうなぁ~
 
 それにしても、絶滅したはずの種族ねぇ………
 まぁ……ホタルの卵達もそうだしなぁ……

 まだ孵ってないけど、飛竜族、それも翼竜族だろ
 なんか運命的なモノを感じるし……見捨てられないしな

 第一ここで、聖獣【レパルドフィン】の雛を放りだしたら
 直ぐに死んじゃいそうだな

 どのぐらい、砂漠の砂の上で、放置されてたんだ
 だいぶ衰弱しているようだけど………

 困ったコトに、適切な処置方法がわからないな
 ここは、やっぱり【ルシフェル】に聞くかな? 

 神護がそう思うと同時に、意思に反応したかのように【ルシフェル】が答えてくれる。

 [マスター 見た目は翼さがあるので
  鳥の子のように感じると思いますが

  聖獣【レパルドフィン】は雑食ですよ
  果物も肉も魚も食べます

  ただ 水気と魔素の濃い秘境に住む種族なので
  魔素の薄い砂漠に長時間いると衰弱してしまいます

  マスターが聖獣【レパルドフィン】を胸の中に入れて
  素肌を触れさせているなら 私が魔素を供給できます]


 【ルシフェル】からの答えに、神護は腕中の聖獣【レパルドフィン】の雛を改めてしみじみと観察する。








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