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0284★魔植物・カエスの地下の実は、食べたらキウイの味だった

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 魔植物・カエスを討伐した神護は、まず、まんまるのスイカもどきの地上の実を綺麗に回収した。

 次に、地下茎に付いているラグビーボール並の大きさのキウイもどきの実を【ルシフェル】を使って回収する。
 勿論、味見しようと思っているので、足元に地上の実と地下茎に付いていた実をひとつづつ残していたりする。

 そして、ラストに大元の球根のような本体を回収した神護は、少し首を傾げてから、球根もどきは腕輪の中に収納してしまう。
 足元にころがした地上のスイカもどきと、地下茎に着いたキウイもどきの実を見下ろしながら、神護は白夜に聞く。

 「さて、これで回収はすべて終わったな
  で、白夜、やっぱり食べてみたいか?

  一応、地上の実と地下茎の実を
  ひとつづつ残したが………」

 神護の問い掛けに、好奇心満々の白夜はコクコクと頷く。

 「はい 是非 食べてみたいです

  魔植物 カエスの実なんて
  滅多に市場に出ないモノですから

  まして 地上に転がる実じゃなくて
  地下茎というモノに付いている

  そうそう獲れないモノです
  どのような味か 食べてみたいです」

 その素直な白夜の様子に、自分も食べてみたいと思っていた神護は頷く。

  くすくす……よっぽど食べたいんだな
  食べてみたいって2度も言うなんてな

 味見しようと思い、足元に残した巨大なキウイもどきをキラキラした瞳で見つめる白夜に、神護はくすっと笑ってから【ルシフェル】に問い掛ける。

 [【ルシフェル】このカエスの実って
  このまま食べても大丈夫なモノか?]

 神護の問い掛けに【ルシフェル】は、過去の種の記録からその内容を検索して答える。

 [地上の実は 生で食すと腹を下します
  球根同様 煮ると甘く美味しくなります

  地下茎に出来た塊茎かいけい
  そのまま食しても、美味しいはずです]

 自分の身の内に潜む【ルシフェル】から返って来た答えに、神護はにっこりと笑って言う。

 「そうだなぁ~…そんじゃぁ~………

  地表に転がってた実は、後回しだな
  熱処理しないと腹下すみたいだからな

  地下茎にくっ付いて出来た実
  短毛の生えた楕円の塊茎かいけい

  どうやら、生食できるようだから
  このまま食べてみるか………

  カエス本体の球根もあとでだな
  球根も熱処理しないとダメなようだ

  あとで、地上に実っていた果実同様
  丁寧に煮るかな

  もらった知識ン中にあった」

  ふむ、まだ【ルシフェル】のコトは
  黙っといた方が良いかな?

  まぁ………もらった知識の中に
  そういうのがあったってコトで済むしな

 そう思いながら、さりげなくそう言って、巨大なキウイのような姿の塊茎かいけいを半分に短剣で切り分ける。

  おぉ~…サクッと簡単に切れるな
  魚ン時に使った時も思ったけど
  この短剣ってマジで良く切れるなぁ

  っと、ふ~ん…なぁ~るほどぉ~………
  半分に割るとこんな感じかぁ
  さてさて、味の方はどうなのかなぁ?

 見た目てきに、まるで種の無い状態のキウイのようであった。
 それも実の中心が赤いタイプのキウイのようなモノだった。

  なんか…アレだ……そう…たしか……
  中心から半分くらい紅くなってるキウイって

  レインボー…とか…紅妃…とか呼ばれてたな
  外側が黄色っぽいのと緑色っぽいのあったな

  んぅ~……そうそう、今切ったモノと違って
  全体的に赤いのもあったよなぁ?

  ここにあるのは、全部同じなのかな?
  まぁ…あとで確認すっか………

  取り敢えず、今はコレを食べてみっか?
  見た目は紅妃とかいうヤツかな?

  中心から半分くらいまで紅い果肉だし
  外側に向かって緑色になっているからな

  俺なら【ルシフェル】が体内にいるから
  どんなモン食っても死なないはずだし

 などと考えながら、神護はちょっと小首を傾げて、中心から半分ほど赤くなったキウイもどきを、更にサクッと半分に切って口に運ぶ。

  ふむ、ほぼキウイと味は変わんねぇ~な
  はぁ~適度な酸味と甘味がたまんねぇ~

  種が無いんでプチプチした感じはないな
  果肉も思っていたより弾力があって柔らかい
  
 その味は、まさにスーパーで市販されているキウイフルーツそのものだった。
 食感はやや違うモノの味わいとしてはかなりキウイフルーツに類似しているコトを確認した神護は、その味わいの感想を口にする。

 「うん、程よい酸味があって美味い
  スーパーで売ってるヤツよりも
  美味うまいかもしんねぇ~な」












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