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0264★馬達にも虹色オオトカゲの肉を与えても大丈夫なようです
しおりを挟む充分なお湯で身体を洗い流した神護は、さっさと馬用の大きな水桶から出て、水気を魔術で綺麗さっぱりにして、新しい服に着替えた。
神護は、自分の身繕いが済んだ後、白夜が下半身を自分で洗い終わったことを確認してから、その身体をひょいっと馬用の大きな水桶から抱き上げて出し、半広げの翼を見て言う。
「白夜、翼を乾かすから、少し痛いかも知れないが、ちゃんと広げろ
湿り気が残っていると、それこそ虫が湧くぞ」
神護にそう言われ、虫が湧くなんてとんでもないと思った白夜は、思いっきり翼を広げてしまい。
ちょっと痛くて唇を噛むが、翼を確認していた神護は気付かなかった。
白夜は神護が気付かなかったコトにホッとしつつ、話しを続ける。
ちなみに、まだまだ白夜の翼は小さい為、思いっきり広げても馬車の壁に当たるなんてコトは無かったりする。
「そんな私達の翼が持つ 祈願成就の《力》に目を付けた 大国の王が
飛翔族の者を捕らえて その住処を知る為に………
翼に羽虱をたからせるような 酷い拷問をしていたって………」
神護は、その話しを聞いた途端に、厭そうに顔を顰める。
「そっかぁー………そんじゃ…白夜の翼を見られねぇーように
もっと、気を付けねぇーとな
俺は、お前に、そんな酷い目に遭って欲しくないからな
厭なことを思い出させて悪かったな、白夜
さぁ、馬達をここに入れて、俺達も馬車ン中で食事でもして
ゆっくりと休もうな」
そう言って、白夜に新しい服を着せ、肩布を巻き、マントを軽く被せる。
神護達がお風呂を楽しんでいる間、お風呂には興味の無いリオウは、濡れないように少し離れていた。
神護は、自分達が浴びたお湯を馬達の水桶へと入れる。
どうせ《清浄》のお陰でさほど汚れていないと、ただ捨てるのも勿体無いからだ。
そのお陰で、1台目の6頭の馬達は少し冷めたお湯が飲めることになったのだった。
勿論、これも特別なので、1台目の6頭の馬達がとても喜んだのはこの直ぐ後の事だった。
「白夜、話しはまるっきり変わるが………
あの馬達にも、虹色オオトカゲの肉を食わせても大丈夫かな?
口を見ると牙もあったようだが………
大丈夫なら、滋養強壮の意味で少し与えたいんだが………」
神護のセリフに、白夜は頷く。
「ええ 虹色オオトカゲのお肉 食べさせても大丈夫ですよ
きっと良い滋養強壮になると思いますし………」
白夜から大丈夫の言葉をもらい、神護は頷き、馬車の中に乗せた塊肉を短刀でザクッと手頃な大きさに切る。
そして、小さな塊肉を手に持ち、軽く削って飼葉の上に乗せていく。
たっぷりと内臓を食べて、腹がいまだに重いくらいのリオウは、神護の行動を黙って見ているだけだった。
虹色オオトカゲの肉塊を飼葉の上に削って乗せた神護は、その小さな塊肉を置き、白夜をたったと前の生活用の馬車に移す。
勿論、リオウもそれに追随する。
白夜を馬車の中へ入れた神護は言う。
「悪いな、ちょっとだけ待っていてくれな、白夜
馬達を後ろの馬車に入れて来るから
それと、2番目の馬車の倉庫部分から
俺達用の夕食の材料を持ってくるからな
どうやら、この1番前の馬車ン中には、俺達の着替え系と
嗜好品しか置いてねぇーみてぇーだからよ
あと、幻獣【カーバンクル】の雛の様子をみておいてくれな」
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