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0244★閑話 神護が馬車を手に入れた頃・現世界では婚約者達が新たな《力》を手に入れようと頑張っていた
しおりを挟むギンの助言を聞いた竜治は、美姫、美亜、美鶴と共に、異世界との接点となっているネズミーランドにせっせと通っていた。
ネズミーランドの剣と魔法のファンタジーランドの中で、ある地点を通ると、異世界との接点が強くなるらしく、黒鼠族のどう見ても兵士らしき集団がワラワラと現われるのだ。
ただ、不思議なコトに、剣と魔法のファンタジーランドの他のイベント参加者は、黒鼠族のどう見ても兵士らしき集団に当たっている者はいないらしかった。
それとなく、イベント内容を聞いても、ネズミーランド特有のキャラとイベントにしか遭遇していないようだった。
「それとなく聞いてみたけど、あの現象に当たっているのは
どうやら、僕達だけのようだね
神護の弟君、真三郎君だけか、クラスのお友達と来たようだけど
あの黒鼠族とか言う、ネズミ獣人に当たってないようだし
双子の唯香ちゃんも優香ちゃんも、真也おじさんと一緒に
あの後、来たようだけど当たってないみたいなんだよね」
竜治の言葉に、美姫が頷いて言う。
「どうやら、そうみたいね
剣と魔法のファンタジーランドに、パーティー組んで行こうって
アタシ達をナンパしてきた、幾つもグループいたけど
そんな話し聞かないし………
こうなると、しっかりと神護の存在を覚えている
アタシ達だけが、向こうに行ける可能性あるってコトよね」
美姫の言葉に、全員が希望を持って頷く。
「だったら ボクぅのランカ ランカの妹のレンカ
そして ボクぅの弟のクロ 手に入れれば渡れるよ
流石に それだけの妖狐族が集まれば 元の世界に渡れる
みんなにとっては 異世界
神護さんが 飛翔族の【守護者】として渡った世界に行ける
だから みんなボクぅの恋人のランカを 妹のレンカを
弟のクロを こころから切望し 呼んで欲しい」
切々と訴えるギンに頷きながら、美亜が小首を傾げて言う。
「ねぇ~竜治君、キンちゃん………実は、前回イベント来た時にね
何か、微かにだけど、妙な手応えあったんだけど
今回で、ゲットできるかなぁ?」
と、のほほんと言う。
誰よりも、仲間を求めているギンは、美亜に飛びつく。
「それ 本当? 何か感じた? 誰の《力》を感じたかのな?
ランカかなぁ~ ランカだったら良いのに………
もしかして 弟のクロかな? あいつ《力》だけは強いから
ランカの妹のレンカもありかな? あの子も強いから………
みぃ~んな 妖狐族の九尾だから 1人でも引っ張れれば
ボクぅ~と《力》を併せれば 望んだ者を呼べる
そうすれは あっちに渡れる」
飛びついてきた手の平サイズのギンを受け止めた美亜は、ちょっと考えるように小首を再び傾げてから言う。
「竜治君、今回は最初からギンちゃん貸してもらっても良い?
前回の時みたいな………妙な感覚を感じたら、手を貸して欲しいの
もしかしたら、こっちに引っ張れるかも知れないでしょ?」
美亜から要請に、竜治は頷いて言う。
「引っ張れるなら、何がなんでも引っ張らないとね」
そう言って、力強く頷きあった後、ちょっとだけ美亜が残念そうに言う。
「うん、早く神護君のところに行きたいもんね
ただ、わたし………今日と次のイベントでお小遣いが無くなるんだ
そしたら、しばらくこのイベントに参戦できなくなるから………
今日は、絶対にゲットしたいの………よろしくね、ギンちゃん」
という経緯の後、イベントに入る前からしっかりと美亜の肩に抱きついていたギンは、仲間を引っ張るコトに成功するのだった。
ちなみに、引っ張るコトに成功した、仲間は、ギンが切望する恋人のランカ………の妹・レンカだったコトを追記しておく。
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