233 / 328
0233★対価として、幻獣【カーバンクル】の雛までもらっちゃいました
しおりを挟むそして、馬車の準備を済ませたカランは、ススススゥ~っとアデルに近寄り、なにごとかを小声で相談している。
神護は、待たせているリオウと白夜が気になり、そちらへと視線を向けて頷く。
リオウの影に縋りついてこちらを伺う白夜は、神護の頷きにホッとした表情をする。
「神護のだんな、6頭立ての馬車3台に、食料品に香辛料を乗せました
あと、衣料品も入れてあります
それと、アタシのインベントリから出した中身だけでは
到底、巨大虹色オオトカゲの頭部の対価になりませんので………」
とアデルが言うと、特殊な術を施した銀色の鳥籠に入った、動物をカランが運んで来た。
「こちらは、今回の旅先で偶然にも手に入った
幻獣【カーバンクル】の雛です
虹色オオトカゲの肉が手に入らなかったら
薬になる運命だった子です
可愛がってやってくれませんかね」
そう言って、アデルはカランから銀色の鳥籠を受け取り、神護へと差し出す。
おいおい、幻獣【カーバンクル】の雛って………って、額の宝石以外に
ああ、確かに翼もあるからな、鳥の雛にも見えるな……だから、雛ね
あやうく、薬にされるところだったセイかな、酷く脅えているな
つっても、アデルも跡取りの姫君を救うのに必死だったんだろから
一概に、幻獣【カーバンクル】の雛を薬にっていうの否定できねぇーな
罪悪感もあって、俺に差し出したんだろうし………
ここは素直に受け取ってやるのがイイよな
慣れるようだったら、鳥籠から出して連れ歩くのもイイしな
まだ、ホタルの卵12個は、どれも孵りそうにないし
幻獣【カーバンクル】の雛かぁ~………結構、可愛いな
くすくす………白夜のちょうどイイ、ペットになるだろう
翼があるから、親近感も沸くだろうしな
動物好きな神護は、ためらうコトなく幻獣【カーバンクル】の入った、銀色の鳥籠を受け取っとりながら、アデルに聞く。
「それで、アデルはここから何処へ向かうんだ?」
神護の質問に、アデルはあっさりと答えた。
「はい、まずは、直下の弟が店を構えている
ここから1番近い、彩湖王国の東の端にある
美里街に行く予定なんですよ
あとは、幾つかの王国と砂漠を経由して
故郷の野浦王国に行く予定してます
なんせ、姫君の回復にどうしても欲しかった
虹色オオトカゲが手に入ったんですから
それも伝説級の巨大虹色オオトカゲの新鮮な肉と
頭がまるごと手に入ったんで………大急ぎで帰郷しますよ
まあ、途中1番下の妹が嫁いだ山翠王国にもよって
あそこでしか手に入らない薬草やキノコを買ってね
今日、神護のだんなから譲っていただいた
この、伝説級の虹色オオトカゲの肉を出来るだけ早く
跡取りの姫さんに届けて、元気になってもらわないと………」
喋るアデルに、幻獣【カーバンクル】の雛の入った銀色の鳥籠を手渡した後、下男達?に指示を出して、肉に塩を塗って馬車に積み込みを指示していたカランが、いつ間にか戻って来ていた。
そして、神護がこの辺は自分達が食べる分だから少し残してと言った虹色オオトカゲの肉だけを残して、全部を馬車に積み終わったとアデルに報告するカランだった。
0
お気に入りに追加
603
あなたにおすすめの小説
最弱職テイマーに転生したけど、規格外なのはお約束だよね?
ノデミチ
ファンタジー
ゲームをしていたと思われる者達が数十名変死を遂げ、そのゲームは運営諸共消滅する。
彼等は、そのゲーム世界に召喚或いは転生していた。
ゲームの中でもトップ級の実力を持つ騎団『地上の星』。
勇者マーズ。
盾騎士プルート。
魔法戦士ジュピター。
義賊マーキュリー。
大賢者サターン。
精霊使いガイア。
聖女ビーナス。
何者かに勇者召喚の形で、パーティ毎ベルン王国に転送される筈だった。
だが、何か違和感を感じたジュピターは召喚を拒み転生を選択する。
ゲーム内で最弱となっていたテイマー。
魔物が戦う事もあって自身のステータスは転職後軒並みダウンする不遇の存在。
ジュピターはロディと名乗り敢えてテイマーに転職して転生する。最弱職となったロディが連れていたのは、愛玩用と言っても良い魔物=ピクシー。
冒険者ギルドでも嘲笑され、パーティも組めないロディ。その彼がクエストをこなしていく事をギルドは訝しむ。
ロディには秘密がある。
転生者というだけでは無く…。
テイマー物第2弾。
ファンタジーカップ参加の為の新作。
応募に間に合いませんでしたが…。
今迄の作品と似た様な名前や同じ名前がありますが、根本的に違う世界の物語です。
カクヨムでも公開しました。
ただひたすら剣を振る、そして俺は剣聖を継ぐ
ゲンシチ
ファンタジー
剣の魅力に取り憑かれたギルバート・アーサーは、物心ついた時から剣の素振りを始めた。
雨の日も風の日も、幼馴染――『ケイ・ファウストゥス』からの遊びの誘いも断って、剣を振り続けた。
そして十五歳になった頃には、魔力付与なしで大岩を斬れるようになっていた。
翌年、特待生として王立ルヴリーゼ騎士学院に入学したギルバートだったが、試験の結果を受けて《Eクラス》に振り分けられた。成績的には一番下のクラスである。
剣の実力は申し分なかったが、魔法の才能と学力が平均を大きく下回っていたからだ。
しかし、ギルバートの受難はそれだけではなかった。
入学早々、剣の名門ローズブラッド家の天才剣士にして学年首席の金髪縦ロール――『リリアン・ローズブラッド』に決闘を申し込まれたり。
生徒会長にして三大貴族筆頭シルバーゴート家ご令嬢の銀髪ショートボブ――『リディエ・シルバーゴート』にストーキングされたり。
帝国の魔剣士学園から留学生としてやってきた炎髪ポニーテール――『フレア・イグニスハート』に因縁をつけられたり。
三年間の目まぐるしい学院生活で、数え切れぬほどの面倒ごとに見舞われることになる。
だが、それでもギルバートは剣を振り続け、学院を卒業すると同時に剣の師匠ハウゼンから【剣聖】の名を継いだ――
※カクヨム様でも連載してます。
異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~
ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ
以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ
唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活
かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし
異世界転生した私は今日も大空を羽ばたきます!〜チートスキルで自由気ままな異世界ライフ〜
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
高橋かなはある日、過労死で突然命を落とす。
忙しすぎて自由のない日々。
死ぬ間際に見えたのは大空を自由に飛ぶ鳥の姿。
あぁ、鳥になりたい………
普段は鳥、時には人間、猫や犬までなんでも変身できる最強スキルで異世界生活楽しみます!
※章の始まりごとに追加していきます
テーマ
第一章 フェンリル
第二章 騎士団
第三章 転生令嬢
第四章 獣人
第五章 異世界、成長
忙しい時でも1週間に1回は投稿します。
ほのぼのな日常を書きたいな……
その日に思いついた話を書いているので、たまに意見を求めることがあります。
どうか優しい目で見守ってくださると嬉しいです!
※現在休載中
勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
主人公は、勇者パーティーを追放されて辺境の地へと追放される。
そこで出会った魔族の少女と仲良くなり、彼女と共にスローライフを送ることになる。
しかし、ある日突然現れた魔王によって、俺は後継者として育てられることになる。
そして、俺の元には次々と美少女達が集まってくるのだった……。
引きこもりが乙女ゲームに転生したら
おもち
ファンタジー
小中学校で信頼していた人々に裏切られ
すっかり引きこもりになってしまった
女子高生マナ
ある日目が覚めると大好きだった乙女ゲームの世界に転生していて⁉︎
心機一転「こんどこそ明るい人生を!」と意気込むものの‥
転生したキャラが思いもよらぬ人物で--
「前世であったことに比べればなんとかなる!」前世で培った強すぎるメンタルで
男装して乙女ゲームの物語無視して突き進む
これは人を信じることを諦めた少女
の突飛な行動でまわりを巻き込み愛されていく物語
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる