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0199★白夜の翼と祈願成就

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 〔あぁ なんだ良かったぁ 翼の成長で痛かっただけか… って
  翼が大きくなって来ているのか

  根元が2倍以上のずんぐりむっくりかぁ…… だとすると
  正常な翼の成長とは ちょっと いや かなり言えないが

  この翼でも 飛翔族の特殊能力である 祈願成就の《力》は
  発揮できるのだろうか?

  うふっ ここは父上の欲しいモノを聞いてみよう
  もし この状態の翼でも うまく発揮されれば
  父上が欲しいモノが手に入るはずだ〕

 翼の成長を感じた白夜が、そんなことを考えているとは知らない神護は、再び【ルシフェル】のぷるぷるな樹液を裂けた皮膚にたっぷりと塗りつける。

 マジで、次の翼の成長が始まったってわかったら、ドレスの背中を
 大きく切らないなんねぇ~なぁ……はぁ~……頭痛いわ……

 神護は、白夜のマントを肩に付け直してから言う。

 「白夜、とりあえず、翼の根元の裂けた部分の治療はした
  ただどれくらいの期間、この翼が成長するか判らないが

  これからは、もっと小まめな確認をした方が良さそうだ
  唐突に、成長が始まるみたいだからな」

 そんな神護に、白夜はにこにこしながら言う。

 「ところで 父上 父上は 今何が欲しいですか?」

 唐突な質問に、神護はちょっと考える。

 今欲しいモノって言ったら着替えだよな、いや、香辛料も欲しいぞ
 つーか、今現在だったら馬車かな? 1番欲しいのは
 俺達が乗れて、荷物を乗せられる大きいヤツな

 リオウも乗せてやりたいし……
 となると、かなり頑丈で大きな馬車かな?

 神護は、ふっと笑って言う。

 「そうだなぁ~…今欲しいモノは、とにかく大きな馬車かな
  そうすれば、いちいち《転移》でこの神殿に戻らなくて良いし

  なにより、馬車には寝具とかあるだろうし、良い旅商人と
  取り引きできるなら、着替えや香辛料もあるだろうからな

  それに、リオウとも一緒に寝たいからなぁ………
  頑丈で大きな馬車が欲しいかな
  勿論、どうせ買うなら、換え馬付きの立派なヤツが良いな……」

 埒も無いことをと思いつつも、神護は思いつくモノを言ってみた。
 白夜は、なるほどと思いながら、心の中で祈る。

 〔我等 飛翔族の始祖たる 女神サー・ラー・フローリアン様
  どうか 父上の望みを叶えてあげて下さい〕

 白夜は、自分の翼に秘められた、祈願成就の《力》が今の状態で発揮できるかを知る為にもと、自分に言い訳しつつ神護の願いを祈る。
 そんな白夜の気持ちを知らない神護は、翼の根元の治療を済ませた後、ちょっと考えてから聞く。

 「ところで白夜、この後どうする? もう少し睡眠をとるか?
  それとも、少し何時もより早いけど、このまま《転移》して
  あっちで朝食食べて昨日到着した湧き水の地点から探索するか?」

 神護からの問いに、白夜は愛らしく小首を傾げてから言う。

 「でしたら このまま《転移》して 探索したいです」









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