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0189★もうひとりの弟・シレイは波璃湖《はりこ》王国の西にある蝦蟇野《がまや》街にいるようだ

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 白夜の言葉に頷き、神護は言う。

 「とりあえず、そのシレイとか言う弟の様子と
  居場所を調べたら、また《転移》で移動しよう

  この【竜ケ峰りゅうがみね】のあちこちに、痕跡をわざと残そう
  どうやら、俺が使う《転移》の移動先は…

  実際に、俺自身が直接行ったことのある場所限定で
  移動するらしいからな

  あの場に現われたあの黒鼠族こくそぞくの兵士や魔術者達が
  ふたたび、俺達が戻って来ると思って、まだあそこに
  残っている可能性は、かなり低いだろうからな

  そんじゃ、もうひとりの弟の場所確認したら、さくさくっと
  移動しようか………《転移》の魔術を試しがてらにな

  ちょうどイイ機会だから、あのバニラシードや風糖ふうとう
  採取した場所に《転移》してみよう

  できるなら、1回に移動できる距離も知りたいからな
  遠距離移動できるなら、無理に色々とここ【竜ケ峰りゅうがみね】の樹海で
  採取する必要がなくなるからな」 

 神護のおそろしく前向きな発言に、ドツボに嵌まっていた白夜は苦笑いする。

 「そうですね 父上 父上の《転移》が遠距離移動できるなら
  何度でも このいにしえの女神の神殿を訪れて 
  この銀水晶の鏡で 弟達の様子を確認できますね

  弟達が 捕らわれているなら 取り返せば良いだけですよね」

 「ああそうだぞ、白夜………奪い返せばイイんだ」

 そう言った神護に頷いて、白夜はシレイの今の状態と居場所を知る為に、女神に祈った。

 そして、銀水晶に映し出されたシレイの姿は………。
 白夜が、ここで転生する前に見た時とさほど変わりは無かった。

 居場所は、グレンが捕らわれている彩湖さいこ王国の隣りの国だった。
 そちらも、湖の名を冠する波璃湖はりこという王国だった。
 そう波璃湖はりこ王国の西にある蝦蟇野がまや街だった。

 国の規模は、彩湖さいこ王国の方がやや大きく、人口てきには波璃湖はりこ王国より2割ほど多い。
 また、この2国はわりと仲がよく、王族同士・貴族同士で血統をよく交換していた。
 
 白夜は、弟2人の状態と居場所を確認し、何時でも神護が《転移》を使って、このいにしえの女神の神殿で、銀水晶を通してれることに納得した。
 それからの行動は早かった。

 1度行った場所なら《転移》が可能なので、神護は《遠視》や《千里眼》を持つ魔術師の感覚をかく乱する為、ポンポンと立ち寄ったところに移動した。

 そのついでに、また、イワウオを食べたことは言うまでも無い。
 勿論、採取した《ショウ》を掛けて………。

 ちなみに、移動ついでに、最初の小川の分岐点を右に行き、柑橘系を手に入れていたので、それもかけて食べたので、神護も白夜もご満悦だったのは確かな事実だった。

 勿論、リオウもちゃっかりとお相伴していたことは言うまでも無い。
 当然《ショウ》と柑橘系をかけたモノを…………。







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