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0180★穏やかな時は続かない?
しおりを挟む〔あぁそうか だからか… 今こうなって 初めて理解るとは
あの禁断の魔術書【転生術】の何処にも無かった記述
いくら探しても存在していなかった
転生前に保持していた記憶と《力》を有したままで
【輪廻転生】に成功したことは書かれていても
その後や 成長記録的なモノが存在して無かったのは
そう言うことだったのか…………
だから完全なる【守護者】が必要なのか………
父上という存在のありがたみを しみじみと実感するな
卵から孵化した後 その幼子を成人まで心身ともに健やかに
守り育てなければならないから………
選んだ【守護者】に その適正がなければ幼少期に
落命するということなのだろう
大半の いや ほとんどが満足に育たないのだろうな
よしんば育っても 適切に育てられなければ
記憶は良いとしても 《力》は発揮できまい それだとて
選ばれた【守護者】が 正しき心を持つ者ならばの話しだ
私達飛翔族が有する祈願成就の《力》を知ってしまえば
欲に溺れるのは必定か まぁ……事実は闇の中だが……
あぁ もう…意識が…途切れる………〕
双眸を閉じ、自分の胸に額を無意識に擦り付けていた白夜の動きが止まり、寝息が零れだしたのを確認し、神護はマントで包む。
「とりあえず、礫砂漠を見ながら進むかな?歩いている間に
何か良いモノが見付かるかも知れないしな
さて、当座の目標は、ここから出て色々な街に行き
各地で捕まって奴隷として売られているだろう
飛翔族を買い集めることかな? ふっ……行くか…リオウ」
るるぅぅぅ……ぐるるるぅ……
甘い声で鳴いて、ゆらゆらと長い尻尾を嬉しそうに振りながら、神護の隣りに寄り添い、一緒に歩き始めた。
神護は、そこまで急ぐ気は無いので、何か自分達にとって良いモノは無いかと思いながら、周囲を見回しつつゆっくりと歩く。
ゆっくりと歩く中で、この地域に《シュウ》の樹がたまにあるのを見て思う。
〔自然状態でこれだけ為っているんだから、きっと栽培も簡単だろう
ここと似たような環境の地面に刺せば、意外と高確率で発芽して
育つんじゃないかな?〕
そんなことをのん気に考えながら、神護はゆったりと歩いていた。
その隣りで、同じようにゆったりと歩いていたリオウが、突然ズイッと白夜を抱っこする神護の前に躍り出た。
そして、四肢をガシッと大地に付けて、体を低くして、首筋から背中の毛をフワリと逆立てながら、警戒を含んだ低い唸り声を上げたのだった。
ガァルルルルル……グルルルルル……
神護は、そこまで強い気配を感じていないので、一応の警戒をしつつ、敵キャラが自分達の前に出て来るのを待った。
ちなみに、完全に熟睡している白夜が起きる心配は無かったりする。
何故なら、疲れきっているのも確かにあるが、もしもを考えて、例によって神護は移動に支障の無い《小結界》を張っていたから………。
勿論、まだまだ幼体のリオウも、その《小結界》の中にしっかり入っているので、強気で唸ることが出来るのだ。
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