171 / 328
0171★高高度からみたら、ふもとの街とは反対側でした
しおりを挟む視界に映る緑色の稜線が途切れた先は、夜明けまでもうしばらくある暗闇のなかでも、ほとんどが砂漠であることが判った。
そして、もう1つ判ったことは、神護が白夜を抱えて降りた場所は、街とは真反対側だったということだった。
「…マジ…かよ……」
思わず、そんな呟きが神護の唇から零れ落ちる。
あの小川の最初の選択を間違えたってことか?
…にしても、モロに反対側かよ…………
樹海もどきの稜線を辿って街に向かうのは…無理だよなぁ……
第一、白夜の種族・飛翔族の敵の兵士達らしき者達が
ごっそりと居そうだ
ここは、今居る場所から1番近い砂漠の中の街道を探して
別の街を目指そう
幸い…距離感はわからないが……ここから北西方向?に
樹海モドキの稜線にかなり近い部分に、砂漠の街道らしきモンが
見えたからな
それに、砂漠ン中に街らしきモンがあったし
反対側ンなっちまった街へ行くより近そうだ
とりあえず、上空から見るとこんな感じか
白夜が起きたら、どうするかを決めよう
神護は、閉じていた双眸を開き、全体を見渡せるようにと、かなりの高高度まで上昇したホタルを心話で呼び戻す。
[ありがとう、ホタル…もう十分だ
ハンターや敵に見付かる前に 戻ってくれ]
[はい マスター]
ホタルの心話による返信を受け取り、神護はちょっと小首を傾げる。
そういや…忙しくて、ここのところホタルの卵撫でてないな
ちょっと休憩がてら、撫でてるかな?
神護は膝に白夜を乗せたまま、腕輪からホタルの卵を1つ出して、かいぐりはじめた。
1つ出しては、きちんと健康な幼体で誕生できるように祈りながら、優しく撫でる。
十分に抱き締めて、愛情を注いでから腕輪にしまう。
その行程の繰り返し、神護が3個目の卵を撫で撫でしている頃に、ホタルは戻って来た。
その口と手足に、かなり大きな獲物を携えて………。
当然、本来の大きさになっていたことは言うまでもない。
ぇ~……〈ドラゴン・ソウル〉状態でも獲物って獲れるんだぁ…
などと、神護が感心している先で、ホタルが言う。
「マスター…ただいま戻りました
現在位置を確認するついでに 少し獲物を獲って来ました
獲ってきたモノで 食べてみたいモノがありましたら
召し上がって下さいね
今食べないモノは 腕輪の中にでも放り込んでおいて下さい
もしも 子供達が孵ったら とても食べると思いますので……
機会をみて 獲物をかき集めます
あと 子供達への愛情 ありがとうございます」
神護が、卵の1つ1つを、丁寧に撫でさすり、抱き締めて愛情を注いでいるのを見て、ホタルが嬉しそうに言う。
0
お気に入りに追加
606
あなたにおすすめの小説

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

トリップ×ファンタジア
水月華
ファンタジー
人気沸騰中のMMORPG【レヴァースティア】――によく似た世界に迷い込んでしまった女子高生、都月琴葉。彼女は自分がオンラインゲームで使っていたキャラクターらしき青年ロイドと出会い、冒険の旅に出ることとなる。過保護気味の騎士やオカマな魔術師などの仲間に囲まれながら、オンラインゲームによく似た世界を旅してみませんか?
※オンラインゲーム×異世界トリップ×恋愛もの。主人公は普通の子です。溺愛気味(?)
小説家になろう様・カクヨム様にも投稿中。

異世界転生したならば自由でいたい〜我慢はしない!〜
脆弱心
ファンタジー
前世は苦労は自分からしてたでも何一ついい事なかった逆にそれでこの人はなんでもやってくれる便利な人扱いで都合良く使われて苦労が増えたほど。頼まれれば無碍にできなかったりした自分も悪いんだと思う、それで仕事が増えて増えて増えまくったところでポックリの35歳人生終わりで気がつくと不思議な空間まさかの異世界転生!?
ご褒美ですか?今度は自由でいいですか?
我慢はもうしません!
好きに生きます!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる