絶滅危惧種のパパになりました………~保護して繁殖しようと思います~

ブラックベリィ

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0167★火熊《ひぐま》の肉は、意外と美味しかった

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 「わかったよ…んじゃ、火熊ひぐまを解体して食べよう」

 そう言って、神護は巾着袋から倒した火熊ひぐまを取り出したのだった。

 結局、神護達は火熊ひぐまの半分を食べた。
 いや、倒した火熊ひぐまはとにかく巨体だったので、よく食べたと言って良い量だった。

 もっとも、その大半の肉は、当然、育ち盛りのリオウの胃袋へと納まったことは言うまでもない。

 頭は、脳に寄生虫がいたらイヤだと思った神護の手によって、首からスパッと切り落とされ、余分にあった皮袋の中に放り込んで、直ぐに巾着袋の中へと放り込んだのだった。

 時間が停止した空間ということで、寄生虫が出て来ることも腐ることもないということで、即断即決したのだ。

 もちろん、毛皮も良い状態にしておきたいということで、頭部から綺麗に剥いたことは言うまでも無い。

 そう、頭部の皮をいだ後に、首を落としたのだ。

 ちなみに、薬になるという肝と心臓は、別の皮袋へと放り込み、やはり巾着袋の中に放り込まれた。

 内臓は処理が面倒だったので、リオウに食べさせた神護だった。
 そのさい、白夜は………。

 「クスクス 貴重な火熊ひぐまの内臓の大半を リオウがペロッと
  食べちゃったって知ったら 卒倒する者達続出でしょうねぇ……」

 と、言ったが、そんなことを気にする余裕の無い神護は、切り分けた肉の一部をハチミツと千切りした生姜をまぶして、別の皮袋へと放り込んで、巾着袋の中へと放り込んでいた。

 その傍らでは、生まれて初めて、満腹までご飯を食べたリオウが、満足げに手を舐めたり、顔を洗ったりして、一心に身繕いしていた。

 白夜も、火熊ひぐまを獲ったハンターだけが食べられるという、幻の生肉をたらふく食べて満足げだった。

 かく言う、神護も、最初は少し抵抗感があったが、食べてみたらとても美味しくて、するすると軽く山盛りの生肉を食べてしまっていた。

 確かに…なんの調味料が無くても、火熊ひぐまの肉は
 美味かったけど、味付きに慣れている俺には、ちょっと
 もの足りないモノがあったから

 試しに、ハチミツとシャキシャキの千切り生姜を添えて食べたら
 マジに美味かったな

 たっぷり食べても、眠気らしいモノは感じなかったので、神護は白夜に問い掛ける。

 「白夜…このまま、当初の予定通り夜通し歩く予定だが
  それで良いか?」

 神護からの問い掛けに、白夜は小首を傾げてから訊き返す。

 「えっと 父上は 眠くないんですか?
  私は なんかさっきから睡魔が襲ってきて………」

 白夜の発言から、神護は既に白夜が眠気を感じて、起きていることが無理だと理解し、肩を竦める。

 





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