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0122★古の女神の神殿3 勝負は一瞬
しおりを挟む神護は、改めて黒鼠族の兵士達を見回して、嘆息する。
妖狐族のギンなんて、もふもふして可愛かったのになぁ~
それが、こっち来て初めて遭遇した獣人が、コレかよ
これが、可愛いカヤネズミとか…ハツカネズミだったら………
ネズミ系獣人でも………まだ、可愛げがあったろうになぁ………
同じネズミ系ならさぁ……天竺ネズミって呼ばれている、アレ
毛並みが綺麗で、もこもこしたモルモットが良かったなぁ~………
はぁ~あ…ああいう、もふもふっとした可愛い獣人
期待してたのになぁ~………
じゃなきゃ………名前の由来が、草原の王者だっけか?
カピバラさん………大きくても可愛げあるもんなぁ~あれは
温泉に浸かっている姿なんて…癒されるほど愛らしいのに………
現実は、おぞましいぐらい…浅ましいわ…下種だわ…の
臭気…加齢臭でも漂いそうな…おっさん獣人の群れだもなぁ~…
マジで、愛らしさのカケラもない………下卑た下種集団って……
俺、なにかしたかぁ~……この懲罰的な…境遇って………
はぁ~…たしか…黒き河の国ってぇ~のは…王様からして……
黒いネズミが治める黒ネズミの獣人王国って………
ホタルが言っていたよなぁ…ドブネズミ系なのかな?
つーことは、こいつらは全員、雇われじゃなくて………
正規の兵士ってコトだよな………ふむ………
こいつらが、ここ…飛翔族が崇めているという
古の女神の神殿に、派遣されるってことは………
《遠視》や《先視》の類いが、マジで居るってことだな
………それも、えらく精度のイイやつらが………はぁ~迷惑
まっいっか…とりあえず、まずこいつらから片付けよう…………
神護は、敵キャラ7人に向けて、人差し指と中指の2本の指を揃えた指を向けて放つ。
「《壊焔》」
《結界》………と……ン…タイム差OK……
淡々としたその短い詠唱に、ネズミの獣人達は嗤った………。
そんなモン、魔法防護のアクセサリーを複数身に付けた、俺達に効くかとでも言うように………。
彼らは、大きな魔術を見たことが無かった為、せいぜいが火の玉とか氷の粒が飛んで来るぐらいだろうと、たかをくくっていたのだ。
聞きなれない、魔術の詠唱を小馬鹿にした7人は、そのまま綺麗さっぱりと、一瞬で消失したのは確かな事実だった。
今自分の身に《結界》を張った神護の前には、轟々とした真紅に青白さを纏った炎が縦横無尽に走り回っていた。
えぇ~とぉぉぉ……思っていたより…強い……
あっちゃ~……どれぐらいで消えるんだ?
……いや…それより……魔術…って…《魔力》………
ラノベでは、ごっそり失うって……あれ?
もしかして……俺の《魔力》ってば………減って無い?
……じゃない……卵を入れてる巾着袋が…熱い?……
もしかしなくても………かなり不味い…………
[ホタル、なんかイイ案あるかぁ?]
神護からの問いに、ホタルはちょっと考えてから答える。
[マスターが大丈夫なら この空間に張った《結界》は
そのままにして 放置してはどうでしょう?
そのうち燃える物なが無くなれば 自然と消えるでしょう
それより 飛翔族の卵が変化してます 急ぎましょう]
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