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0117★気付かなかった孵化の前兆2 どうやら、人型《ひとがた》で誕生するらしい
しおりを挟むでも、そんなこと関係なく、手渡された卵は………
スクスクと卵の状態のまま育って…………
そんな中〈ドラゴン・ソウル〉のホタルと出会って
自分が何か? 手渡された卵が、何かを教えられて…………
同時に、妙なモノに、たびたび襲われ始めて…………
今日は、マジでリアルに怖かったな
弟妹3人に、元込みで3人の婚約者達に
友人知人まで……マジな、危険に晒した…………
俺が、飛翔族の卵の【守護者】に選ばれた為に………
でも、後悔はしない…………
つーか……どうしようもないのも事実…………
でも、流石に、俺だって、もう卵に愛着がある…………
そう内心で呟き、神護は誰にも見えない、首からさげた巾着袋を手に取る。
それは、湯に浸かっているにもかかわらず、濡れていなかった。
「ふっ……この巾着袋に入った飛翔族の卵……
いったい、何時孵るのかな?」
疑問には思ったが、幾らなんでも濡れないからと風呂場で巾着袋から出すのもためらわれ、神護は湯槽から上がり、脱衣所へと向かう。
丁寧に水気を拭き取った神護は、用意していた室内着へと着替えて声をかける。
「あがったぞぉ~………お湯張ってあるから………
冷めない内に、次々入れなぁ~………
俺は…なんか気疲れしたから…もう休むからなぁ……
あんまり、煩くしてくれるなよ」
そう言うだけ言って、神護はそのまま2階の自室へと籠もった。
勿論、弟妹から返事がきちんと返ってきていたのは確かな事実だった。
自分の部屋に入った神護は、ベットにドサッと座ってから深い溜め息を吐く。
それから、おもむろに、首からさげていた巾着袋を出して、その口を開く。
すると、卵がツルッと巾着袋から出て、出現する。
「ぅん~………やっぱりなぁ……育っている………
親父の代わりに、竜治呼び出して…ネズミーランドへ
遊びに行く前は、バスケットボール程度だったのに……
いまじゃ……もっと大きくなっている」
がっつりと一抱えある飛翔族の卵を、神護は胡坐をかいた足の間に置いて、大事そうに撫でる。
「どんな風に、誕生してくるのかなぁ~?
もしかして、巨大な黄色いひよこの姿とか………」
などと、たくましい妄想で、ひと抱えはありそうな、巨大な黄色いひよこを思い描いたところで、神護の独り言に反応し、腕輪の中に戻ったホタルが思念で話しかけてくれる。
[マスター 飛翔族の子は 卵からでも
きちんと 人型で生まれてきますよ]
ホタルの思念による内容に、神護は卵から巨大な黄色いふわふわぽよぽよのひよこが出て来ないことを知る。
[へぇ~……人型なのか?]
[はい 人型で誕生します]
その内容に、神護は巨大卵が割れて、ハルピュイア(又は、パーピー 頭と上半身が人間で、残りの部分は全部鳥の姿)を想像する。
[ふ~ん……つーと……あの顔と上半身だけ人型の
ハルピュイアみたいなのか?]
神護は、ふ~んと頷き、そう想像するが、それもホタルに訂正される。
[それも違います 見た目は 普通に幼児です
ただ 背中に 小さな翼が生えているだけの……]
ホタルの説明に、神護はなるほどという表情で頷く。
[あ……なんだ……見た目…わりと普通なんだ……]
[はい…背中に翼があるだけの幼児です]
ホタルの情報に、ふ~んと頷いてから、もう少し飛翔族の情報をもらおうと思っていた神護だが、疲労による疲れから眠気を感じて舌打ちする。
ちっ……ここまでか……やっぱ……今日は……
めっきり疲れたからなぁ………はぁ~………
大きく溜め息を吐き、あぐらをかいた足の間に置いた卵をなでなでしてから、そっと抱きしめる。
腕や手のひらに感じるぬくもりに、神護は双眸を閉じて、ほぉ~っとする。
その時に、うっすらと仄かに発光したが、安堵で双眸を閉じていた神護は気付かなかった。
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