絶滅危惧種のパパになりました………~保護して繁殖しようと思います~

ブラックベリィ

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0112★ネズミーランドは危険がいっぱい?22 敵を倒したら《魔石》が出現

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 ホタルの推測に無意識に頷きながら、神護は黙々と地図に描かれていた第一の休憩所へと向かい歩き続ける。

 そんな神護の隣りで、同じように妖狐のギンを肩に乗せた竜治は、周囲を注意深く観察しながらも、神護のペースにあわせて歩いていた。

 「なぁ~……竜治はん……ここの空間……
  こう…なんか……えろぉ~変やわぁ~…
  妙に……魔素が濃いんやぁわぁ…

  きぃ~つけられはったほうがええわなぁ……
  なんか……キケンなモンが…………」

 そう言っているうちに、再びネズミ系獣人が集団で出現する。
 黒き河の王国の兵士達………黒鼠族《こくそぞく》が。

 「敵だっ」

 舌打ちして鋭く叫んだ竜治をよそに、神護は溜め息を吐く。

 あぁ~あ……やっぱり…出現したか………
 また、ネズミ系の獣人かよ………ったく…
 ぜんっぜん…可愛くねぇぇぇ~……ケッ…
 
 「みんな…さがってくれ……サクッと倒すから………」

 そう言い放って、神護は長ったらしい詠唱を唱えて、本当にサクッと倒してしまったのだった。
 また、魔術が発動したコトで、綺麗なグラフィック映像が流れた。

 見るからに、魔法陣らしきものが空間へと浮かび上がり、光り輝きながら閃光を放ち、同時に敵全てを覆って炸裂していた。
 後には、何も残らなかった………見た目は、リアル映像のグラフィックだが………。


 もちろん、魔素がある異なった世界で生きてきたネズミ系獣人なので、倒したあとには、わりと立派な《魔石》なるモノが転がっていた。

 神護は転がった《魔石》をさっさと拾い集めてた。
 それを見ていた美鶴が言う。

 「ねぇ~……次はアタシ達も参戦させてよ……
  せっかく呪文覚えたんだから…………」

 他のメンバー、美鶴に賛成と、コクコクしていた。

 「おう……わかった……そんじゃぁ~…積極的に……
  戦闘をバンバンとこなそうぜ」

 神護のセリフにみんなが頷く中、妖狐のギンが神護におねだりする。

 「なぁ~……神護はん……ボぉ~クぅ~に……
  その……敵さん倒しはって……ひろぉ~た…
  《魔石》くれへんやろかぁ?

  えろぉ~……長い時……《封印》されて……
  かすかすなん……いざ…って…時にぃ…
  きちんと……《力》使いたいんやぁ……」

 妖狐のギンのセリフに、神護は頷いて拾った《魔石》を手渡す。
 
 「ほんまぁ~……嬉しいわぁ~……《魔石》ぃ~…………」

 神護に手渡された《魔石》を、妖狐のギンはとても蕩けた顔で、心底美味しそうに、ペロッと食べてしまったのだった。

 「ほんまにぃ……えろうイイ感じに…染み渡るわぁ~…
  《魔力》が…満たされはるわぁ…はぁ~…たまらんわぁ……」

 嬉々とする妖狐のギンを見て、神護は心話でホタルに聞いてみる。

 [ホタル…ホタルも《魔石》を食べるか?
  ずっと……卵が心配で…食べてないんじゃないか?]

 神護の気遣いに、ホタルは嬉しそうに頷く。

 [はい ホタルも 《魔石》を食べたいです]

 [んじゃ……次に…あいつらを倒したら…
  ホタルに食べさしてやるな]

 そう言って、神護は再び歩きだした。










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