絶滅危惧種のパパになりました………~保護して繁殖しようと思います~

ブラックベリィ

文字の大きさ
上 下
101 / 328

0101★ネズミーランドは危険がいっぱい?11 イベント開始2

しおりを挟む
 人数分の2リットルのアクエリアスを見て、全員が思った。

 これ……重いからって、飲んだらトイレ行き……
 そしたら、きっと使用料で課金されるよね………

 神護はひとつ嘆息してから言う。

 「とりあえず、1人1本を
  渡されたアイテム袋に入れて……

  ああ…真三郎と唯香と優香の分は………
  今ので喉が渇いたから、飲んじまおう………

  コップは無いから、これはちょく飲みするしかないな」

 体力の劣る神護の弟妹の負担を軽減するセリフに、全員が頷く。
 実際に、慌てたセイでなんとなく喉が渇いていたのもまた事実だった。
 全員が頷いたのを確認し、神護が指示を出す。
 
 「1本は、唯香と優香に、美姫に美亜に美鶴で
  もう1本は、俺と竜治……で、女子組みの量が
  少ないから誰か、先発で俺達の飲むか?

  残りの1本は、真三郎と水鳥と慶治かな?」

 神護が建設的にそう言えば、美姫がケロッと言う。

 「だったら、神護と竜治の1本、私が先発で飲むわ」

 美姫の答えに、竜治が手渡す。
 受け取った美姫は、にっこりと笑う。

 「じゃ…お先………」

 そう言って、遠慮なくゴクゴクと飲む。
 その間、神護と竜治は、とりあえずということで、このイベントの最初のステージがどういうものか確認する為に周囲を見回す。

 そこは、どうやら森林地帯の始まりをイメージして作られているようだった。
 年輪を経ているような大樹が、そこかしこに生えている。
 まだ入り口付近なので、少し薄暗い程度だが、奥を見ると鬱蒼うっそうとした森林地帯という感じだった。

 う~ん……なんか…すげぇ~…デジャウだな……
 はぁ~………まさか、遊びに来て、コレかよ……

 つっても…真三郎も優香も唯香も、楽しそうだな………
 他のメンバーも、かなり嬉々としているな…………

 神護は、ちょっと現実逃避も兼ねてなんとなくで上を見た。
 その視線の先には、まだまばらな大樹の樹冠じゅかんの向こうに、空が投影されていた。
 空の見た目は、抜けるような青空だった。

 たぶん、この巨大な大樹って、天井を支える為に
 あちこちに、配置されているモンだろうなぁ……

 「神護、君の分だよ」

 見回している間に、自分の分は飲み終わったらしい竜治が、ペットボトルを手渡してくれる。

 「ああ…サンキュー……んじゃ…」

 神護も焦ったことで、喉が渇いていたのでぐびぃーと飲んでしまう。
 綺麗に飲み終わった空のペットボトルは、自分のアイテム袋へと入れる。

 「で、みんな飲み終わったか?」

 神護の問いに、最後に飲んだ美鶴と慶治が答える。

 「飲み終わったわよ」

 「こっちも、終わった」

 2人の答えに頷いた神護は、周囲を見回してから、とりあえずなんの気配もないことを確認して言う。

 「とりあえず、ざっとでいいから
  アイテム袋の中身を確認しておこう」

 「そうだね…控え室では、着替えに一心不乱で……
  その後は、イベントゲートまで走って…………」

 竜治の言葉の続きを、お宝箱を開ける役割をふられた水鳥が引き取って言う。

 「そして、ゲートを越えて………
  イベントに入った途端に宝物イベントで……
  悪意を含んだお宝…………」

 それに美姫が続けて言う。

 「そうね………流石に、人数分のアクエ
  2リットルのペットボトルで困惑して……

  全然、アイテム袋の確認なんて
  出来なかったもんね」 








しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

どーでもいいからさっさと勘当して

恋愛
とある侯爵貴族、三兄妹の真ん中長女のヒルディア。優秀な兄、可憐な妹に囲まれた彼女の人生はある日をきっかけに転機を迎える。 妹に婚約者?あたしの婚約者だった人? 姉だから妹の幸せを祈って身を引け?普通逆じゃないっけ。 うん、まあどーでもいいし、それならこっちも好き勝手にするわ。 ※ザマアに期待しないでください

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず
恋愛
 ※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。  我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。  けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。 「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」  そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

私、のんびり暮らしたいんです!

クロウ
ファンタジー
神様の手違いで死んだ少女は、異世界のとある村で転生した。 神様から貰ったスキルで今世はのんびりと過ごすんだ! しかし番を探しに訪れた第2王子に、番認定をされて……。

捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。 アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。 ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。 アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。 去ろうとしている人物は父と母だった。 ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。 朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。 クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。 しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。 アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。 王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。 アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。 ※諸事情によりしばらく連載休止致します。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。

追放された宮廷錬金術師、彼女が抜けた穴は誰にも埋められない~今更戻ってくれと言われても、隣国の王子様と婚約決まってたのでもう遅い~

まいめろ
ファンタジー
錬金術師のウィンリー・トレートは宮廷錬金術師として仕えていたが、王子の婚約者が錬金術師として大成したので、必要ないとして解雇されてしまった。孤児出身であるウィンリーとしては悲しい結末である。 しかし、隣国の王太子殿下によりウィンリーは救済されることになる。以前からウィンリーの実力を知っていた 王太子殿下の計らいで隣国へと招かれ、彼女はその能力を存分に振るうのだった。 そして、その成果はやがて王太子殿下との婚約話にまで発展することに。 さて、ウィンリーを解雇した王国はどうなったかというと……彼女の抜けた穴はとても補填出来ていなかった。 だからといって、戻って来てくれと言われてももう遅い……覆水盆にかえらず。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

処理中です...