絶滅危惧種のパパになりました………~保護して繁殖しようと思います~

ブラックベリィ

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0093★ネズミーランドは危険がいっぱい?3 神護はお休みタイムに入る

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 神護が眠りに付いたのを確認し、竜治は立っていてもしょうがないと、まずは辺りを見回す。

 ネズミーランドは、人が集まる場所だけに、霊的なモノも集まりやすいので、無防備に寝ている神護にまとわり付かれないように、軽く場の御祓おはらいをする。

 そして、時間限定の軽い悪霊除けの《結界》を張る為に、お神酒?を出して、神護が座るベンチを中心に、半径3メートルほどの円を描くようにいた。

 ちなみに、このお神酒?を使って描く《結界》は、物理的な意味でも有効だった。

 先刻、みんなと別れてから、残った男2人の自分達をチラチラと見る、女の子のグループが居たので、用心の為に描いたのだ。

 邪な思いを持って、竜治がお神酒?で描いた円に近付くと、ぞくぞくした悪寒を感じるような呪術を付与ふよされているモノなのだ。

 今も、自分達に声を掛けようと、近寄ってきた女の子3人組が、顔色を変えていなくなった。

 《呪陣》を引いて、やっと安心を感じれるようになった竜治は、神護に呼び出される前に読んでいた、最新刊の小説を出して、静かに読み出したのだった。




              ***




 それから、2時間後。

 幾つかの乗り物に乗って満足した、真三郎と一緒にまわていた美姫と美亜が、最初に戻って来た。

 「あら…《結界》の《呪陣》張ったの?」

 直ぐに気付いた美姫が、竜治に声をかける。
 帰って来たことに気付いた竜治は、小説をカバンにしまいながら頷く。

 「ああ……君達が、離れて直ぐに……
  女の子達がにじり寄って来そうだったから
  直ぐに施したよ」

 肩を竦める竜治の側で、軽い睡眠をとって、身体の軽くなった神護も目を開けて、伸びをする。

 「ぅん~……すっきりした……」

 軽く頭を振り神護がベンチから立つのとほぼ同時に、唯香と優香について歩いていた、美鶴、慶治、水鳥、武虎も帰って来た。

 勿論、神護を中心にして張った《呪陣》なので、神護がベンチから立ち上がったと同時に、綺麗に消失していた。

 「お帰り、楽しめたか?」

 神護の質問に、弟妹はにこにこ顔でそれぞれの言いたいことを話し始める。
 それを聞きながら、神護はスイッと肩に戻って来たホタルにも心話で声を掛ける。

 [ホタル どうだった? 異世界の空は?
  まっ……狭い空域だけどな…………

  あと、お前の言っていた いびつな歪みが
  重なっている部分はなんか異常あったかぁ?]

 神護の問い掛けに、ホタルは感想を漏らす。

 [はい マスター 予想以上に この空域には
  様々な空間の歪みがありました

  あと 部分的に 空間がいびつに
  重なっているところも しばしばありました

  空間の混沌のようです あまり良くないかも……
  あちらと繋がっている空間があるかも…です]










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