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0054★修学旅行就寝中の異変*神護は探索する

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 いぃ~や……なんかの弾みの幽体離脱なら……
 竜治達が引き戻してくれるだろう………

 ……なら……ここが、本当は
 どこだかは知らねぇーけど………

 ここを探検してもいっか…………

 緑豊かな少し湿った森林の匂いを吸い込み、神護は深呼吸を繰り返す。

 うん……嫌な気配は感じない……けど………
 ……あっ………この感覚って………
 参拝の時に感じたモノを感じる……

 もしかして、なにかに招かれた?
 いや……んなわけねぇーか………

 首をひとつ振った神護は、ぐるっと辺りを見回し、進む方向を決める。
 何かを目印にしたわけでもなく、ただカンだけをたよりに動く。

 ぅん~………妙にリアルだよなぁ…………
 幽体離脱なら、こう……ふわっと浮いて……
 そう、上から下を見るとか出来るはずなのに?

 何度か幽体離脱の経験がある神護は、状況がなんかおかしいと思いつつ、足を進める。
 なにか、到達目標やあてがあるわけでも無いが、進んだほうがイイような気がしたのだ。

 なんとなくで進んだ先には、空が見えるような空間がぽっかりと開いていた。
 その何も無い空間が、仄《ほの》かに光り輝いていた。
 神護は、そのぽっかりとした空間へと足を伸ばし、微かな光の正体をしる為に、足を踏み入れた。

 そこは、樹幹も樹冠も開けた場所で、天空を見ることが出来た。
 神護は上空を見上げ、天空にしらしらとした青白いほどの満月が輝いているのを確認する。

 そっか……今日は……満月だったのか………
 空に雲ひとつ無いから、星の瞬きも見える

 天空からの満月の光が降り注いで、その空間に、ほのかな光の柱を出現させていたのだ。

 んーと……こういうの……
 海上であったよなぁ………

 いさり火の反射だっけ………
 じゃなくて、綺麗だな

 なんか、得した気がするな………
 くすくす………すげー…幻想的だ

 そう思いながら、ほのかに光り輝く柱の中へと足を踏み出す。
 ちょうど中央にたって、天空を見上げ、満月を見上げて手を空へと伸ばす。

 「こうして、手を伸ばせば
  つかめそうなぐらい近く感じる」

 輝く満月に意識が捕らわれた時に、ソレは足元から来た。

 神護の感覚に、ザワッとしたモノを感知した瞬間…………。

 足元から緑色のおりき上がり、神護の全身に絡みつき捕らえた。










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