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0018★皇子達の奮闘する1

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 黒き河の国の軍勢を、手引きされた通路より深く街中へと侵入しないように、建物を破壊して、道という道を次々と封鎖していた皇子達は、その瞬間を確かに感じ取った。

 そう、真の飛翔族の里への門が閉じられたことを…………。

 大神官長と神官達が《力》を使って開いた、女神サー・ラー・フローリアンが最初に降り立ったとう、飛翔族の里へと続く門が放つ《魔力波》が途絶えた。

 その瞬間、皇太子ラー・レイ・ビャクヤは、決断する。

 自分の持つ、最大の《魔力》を剣に込めながら、飛翔族の者のみにこえる、特殊な声で命じる。

 『みな 無事 姫達や民を送り出した
  真の里への門は閉じられた
 
  我 飛翔族の皇太子
  ラー・レイ・ビャクヤの名のもと

  王宮 神殿 民家とわず
  全ての家屋を焼き払え

  我らの英知が
  黒き河の者達に
  簒奪さんだつされてはならない

  手直の家屋に 火焔かえんを放ったら
  即刻 この地より離脱せよ

  無駄死には許さない

  火を放ったら
  飛翔の《力》で離脱せよ』

 その命令と同時に、ビャクヤは王宮へと向かう。

 「兄上っ」

 「グレンっ 私は王宮に向かう
  お前は図書館を頼む

  お前の火焔で
  全てを焼き払ってくれ

  頼んだぞ 我が弟よ」

 高速で飛びながら、グレンはニッと笑う。

 「はいっ かならずやっ
  新旧の図書館を灰燼かいじんとしますっ」

 グレンの答えに頷きながらも、言い放つ。

 「けして 死ぬなよ
  再び 我らが約束の地で会おう」

 「はい 我らが始祖
  女神サー・ラー・フローリアンが

  始めに降り立ちし地にて
  再び会いまみえましょう 兄上」

 そうして、兄弟は別々の方向へと分かれる。

 第三皇子のシレンは、無事逃れてくれただろうか?

 2人の兄皇子は、幼い弟皇子を心配しながら、それぞれの役割を果たす為に、最速で目的の場所へと向かうのだった。






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