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078★青木君の異世界バイトは?3
しおりを挟むここからは、青木の回想シーンになります。
キンカの曖昧な注意に、俺は、耳を澄ませて音を聞き、辺りを見回してみた。
すると、前方から‥‥‥‥。
キャハハ‥‥キュキュー‥‥
クッククク‥‥ホホホ‥‥
という笑い声?が聴こえてきた。
それに、近い音って‥‥‥なんか‥あったかぁー?
うんぅーんと‥‥和也や緑川達と見ていた‥‥動物モノ‥‥‥‥‥
アフリカの‥‥‥‥リカオンじゃなくて‥‥‥‥
そうだ‥‥ブチハイエナの鳴き声に‥‥似ているんだ
たしか‥ライオンも嫌がるほど‥‥凶暴な‥‥生き物
カンベンしてくれよぉー‥‥‥‥ハイエナの獣人なんて‥‥‥‥
いっくらヒグーマの戦闘能力が高くても‥‥‥‥
数で勝るハイエナの波状攻撃なんて‥‥‥
ぜってぇー‥‥無傷で終わんねぇーつーの
一緒にいる俺も‥‥確実に‥怪我すんじゃん‥‥‥‥
キンカだって、どんだけ怪我すっかわかんねぇーし
それに、これがいっくら、ゲームったって‥‥
精神の方が‥怪我したら‥‥‥‥
それを、俺が認識したら‥‥現実の‥俺の肉体にも‥
怪我か‥‥‥それに準じるマズイ状態になるって‥‥‥‥
よしっ、ここは、がっつりと攻撃しよう‥‥‥‥
ここは、魔法攻撃だな‥‥‥遠距離攻撃‥‥‥
ファイアーボール‥‥は‥‥不味いな‥‥草原に近い状態の場所で‥‥
んなもん使ったら‥‥我が身に‥還るよな‥火事は不味い‥‥‥
ってことで‥‥キンカには‥火を吐くなって‥言っておくかぁー‥‥
んーとぉー‥‥攻撃は、アイスボール【氷塊】とアイスランス【氷槍】
防御は攻撃も兼ねる‥‥
ブリザードウォール【吹雪壁】とアイスウォール【氷壁】
ってコトにするかぁー‥‥‥
雷系統は、下手すると火がつくから使えないしなぁー‥‥‥‥
水系統は、草原の動植物に影響が出る可能性大で使えない(溺れる、根が腐る)
土系統は、ゴーレムとか‥‥つまんないから‥‥ダメ‥‥
風系統は、ふむ、エアカッター【カマイタチ】とかエアブレード【風刃】
よし、使う魔法は決まった‥‥‥キンカにも指示しよう
ハイエナの獣人?と戦う方法が決まった青木は、キンカに声を掛ける。
「キンカ、アイツらと戦うときは、火を吐くなよ‥‥
火事になったら‥困るから‥それ以外の攻撃は、オッケーだぜ‥‥
ただし‥‥殺すなよ‥気絶させるか‥‥動けなくなる程度の‥‥
怪我にしておけよ‥‥出来るよな」
青木の命令にキンカは、不服そうにフンと鼻を鳴らしてから答える。
「わかりました‥殺さないように‥‥努力します‥」
青木とキンカが、ハイエナの獣人への対処法を決め終わった頃、彼らはその姿を現していた。
その異様な姿を見た青木は、キンカに質問する。
「なぁー‥キンカぁー‥‥アイツらの‥赤い瞳って‥自然なの?
‥‥それとも‥何かの術とか‥呪とか‥魔法に‥引っ掛かっているのか?
‥‥わかるか?」
キンカは、ハイエナの姿や匂い、気配を確認してから答えた。
「何かの【呪】にかかっているようですね」
「キンカなら‥‥それを解呪することが‥‥出来るか?」
「出来ません‥‥かかっている‥【呪】が‥わからないので‥‥‥‥
残念です‥‥‥それと、獣人達は【呪】のたぐいを使いません‥‥‥
‥‥使うのは、人間と魔族などですから‥‥‥‥」
「そうか‥‥人間と魔族ねえー‥‥だったら‥‥ディスペル【解呪】
‥で‥何とかなるかな? ‥‥‥まっ‥全部倒してからの話しだけどよ」
「はい‥‥倒してみせます‥‥」
「オッケー‥‥二手に‥分かれようぜ‥」
キンカの上から、青木は飛び降りて、ハイエナの獣人達に嗤って言う。
「お前等、俺達を狙うなんてバカなマネすっから、痛いめにあうんだぞ
‥‥いっくぜぇー‥‥」
青木の言葉に、ハイエナの獣人は‥‥‥‥。
キョホホホ‥‥ウキョウキョ‥‥
と、鳴いて答えるのだった。
正常な判断能力があるのなら、聖獣であるキンカを襲ったりはしない。
【呪】の影響で、目に入るものは何でも襲うようになっているようだった。
彼らは、無尽蔵と言っても良い体力の持ち主だったので、フルトランス状態のときは、馬などに乗るコトはなかった。
だから、短槍を手にしていた青木は、キンカから降りたのだった。
肉弾戦になった時に、戦いやすいようにと‥‥‥‥。
【呪】にかかって、判断能力がまったく無くなっているハイエナを、
その辺に放置するのは‥‥不味いよなぁー‥‥
ここは‥‥【氷壁】で、この群れを逃がさないようにして
【氷塊】をぶっつけて‥‥気絶させるかぁー‥‥
うーん‥‥【氷壁】で囲って‥‥その中に【吹雪壁】を‥‥
いや‥単なる‥【吹雪】で充分か、ホワイトアウトさせて‥‥
【氷塊】‥‥をガンガンぶっつけるかぁー‥‥‥‥
確実に倒す方がイイよな?
キンカは、丈夫だし‥‥クマなんだから、吹雪なんて平気だろうし‥‥‥
青木は、和也には決して見せない悪党面で嗤う。
「気の狂ったハイエナなんて、世間の迷惑なんだよ‥‥
大人しく‥‥捕まっていろよ‥‥‥【氷壁】‥‥その内側に
‥‥すべてを覆い隠せ【吹雪】よ‥
そして、【呪】に汚染された者を正気に戻せ【氷塊】‥‥いっけー‥‥」
青木の言葉に反応して、草原に氷の壁が出現し、ハイエナの獣人達を囲む。
自分達の逃げ場が無くなったことに、まったく気が付かないハイエナの獣人は、青木とキンカに走りよって行く。
その様子を見て、青木は苦笑して心で吼える。
完璧に【呪】にかかっているなぁー‥‥‥
でも‥‥容赦はしない‥‥吹雪の中で目標を失えよ
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