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0180★言いたいことはちゃんと言っておこう

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 ハモる2人と、妙な理解力を示す母・悠美に、聖樹は苦笑いする。

 「ぅん~…男の娘は…ちょっと微妙かな?
  今までに、同性に対して
  そういう意味での魅力感なんて
  カケラも感じたコトないからなぁ………

  どっちかって言うと………
  俺を買ったとかほざいた男にされた行為で
  同性になんて、嫌悪感しかないし………
  だからって、怖いとかはないぜ

  しいて言うなら、吊り橋効果かなぁ?
  それか、ストックホルム症候群に近いかな?

  父さんの血筋が持つ不思議な《力》と
  母さんの血統が保有する《奇跡の力》で
  まるっきり世界の成り立ちが違う
  異世界に跳ばされたコトで出会った相手は

  性別以前に、種族も違うからなぁ………
  まぁ…運命ってモンを感じたセイかな?

  朱螺は俺に強制したりなんてしないから……
  ただ一緒に居たいんだ、どうしようもなく
  そう、この身で子供産めるなら
  彼の子供を産みたいと思うぐらいにはね

  本当の意味での恋愛感情かどうかは
  ちょっと微妙だけど………
  そう思えるぐらいには、好意をもっているよ」

 完全にカミングアウトなセリフだとは思ったが、それが聖樹の偽らざる気持ちだった。

 「そんなに好き?」

 「ああ、世界を超えても
  朱螺と一緒に居たいんだ

  それに、剣と魔法の世界なんだぜ
  この世界には居無い
  不思議な動物とかも居て………」

 異世界の男と、世界そのモノに魅了されていると判る言動に、悠美はちょっとだけ切なそうに肩を竦めて言う。

 「しょうがないわねぇ~
  あんたが決めたことなら
  お母さんは応援するわよ

  もしも、もしもよ
  こちらの世界とそちらの世界が
  行き来できることになったら
  ちゃんと、聖樹の良い人紹介してね

  私は、聖樹が魅了された人
  見てみたいモノ

  勿論、病身の彼も
  聖子さんも見たいでしょうしね」

 もしもを口にする悠美に、聖樹は肩を竦めて頷く。

 「ああ、もしも行き来が出来るようなら
  きちんと、一緒に挨拶しにくるよ

  ………ってことで、父さん
  自己紹介して、父さんから申し込んでね
  そしたら、俺からプレゼント上げるからね

  とは言っても、もう少し回復したらだけどね
  俺のことは心配しなくて良いよ」

 聖樹の言葉にハッとした聖は、改めて悠美に自己紹介をして、現在の妻とは離婚し、将来的に結婚したいときちんと想いを口にしたのだった。

 その後、聖樹は自分がどのぐらいの期間、藤原明宏という男に監禁されていたかを聖子から聞き出していた。
 勿論、藤原明宏の弟・明仁を捕らえているコトもちゃんと聞き出していた。

 そして、衰弱しきった身体を癒す為に、聖樹は精神の中へと再び降り立ち、やっと迎え入れることが出来た我が子・紫皇(しおう)を腕にしばしの微睡みに入った。








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