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0164★淫らでおぞましい映像に映されていた真実

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 双頭の蛇の舌を、唇を開いて受け入れ、性器と肛門を犯されて、腰を振りながらよがり狂う悠美の姿が映っていた。
 勿論、双頭の蛇に犯される性器や肛門のアップも、蛇の長い舌が唇を犯すアップも、極限まで編集されて入っていた。

 その、知りたくも無かった、母・悠美の身の上に起こったおぞまし淫虐によって、獣姦すら喜ぶ淫乱に仕立て上げられ、穢されて貶められる姿が延々と続いていた。

 そんな中、双頭の大蛇に陵辱されて、うっとりと微笑みを浮かべる悠美に、囁く声を、聖樹は確かに聞いた。
 そう、異世界に渡り、朱螺の体液と《精》と《魔力》を与えられていた聖樹は、はっきりとその内容が聞こえたのだ。

 〔えっ……なに? …あの双頭の大蛇…
 やっぱり…あの異世界の住人なんだ……

 あの【オロチ】の言っていた支配主の資格って
 双頭の大蛇が持っていたモノなのか?

 つーと顕現化していない《魔石》も………
 俺の中に有るってっことだよな

 あぁ……そうだ…あの時…
 俺の資格とか調べていた【オロチ】が

 まだ完全には、稼動してないって
 あの時に言ってたけど………

 俺には朱螺からもらった《魔力》がある
 そして、あの口ぶりだと…………

 朱螺に注がれた《魔力》を、俺自身の意思で
 行使できる時が来る可能性があるんだ

 聞こえる……あの双頭の大蛇が…母さんに…
 愛と忠誠と命の全てを奉げる言葉が………

 だから、あんな残酷なことをされているのに
 自分を淫らに犯す、双頭の大蛇に向かって
 慈愛に満ちた表情が出来たんだ

 でも、母さんの願いって何かな?
 あの双頭の大蛇は、叶えるって言っていたけど

 ああ、この心まで歪み壊れてしまいそうな陵辱
 何時終わるか判らない拷問の時間よ
 早く、終わってくれ…………

 嗚呼…今日も…あの子はこちらに来ない……
 どんな陵辱にも耐えよう…早く、ここにおいで

 母さんが俺を愛してくれたように………
 俺も、お前を慈しもう……〕

 延々と続く、性的なおぞましい拷問に身もだえながら、聖樹は愛し子を呼び続ける。
 そうすることで、狂気に陥りそうな心を何とか保つのだった。

 明宏の側近達は、聖樹の様子を観察し、悠美が撮影された淫らでおぞましい3Dの映像と音を、淡々と仕事として次々とセットしていた。

 精神的にマヒして来た聖樹は、激しい振動やおぞましい蠕動に、条件反射で身もだえながら今日も思考の海へと漂う。

 〔もしも……俺が…母さんの立場だったら…
 何を願うだろうか?

 今の俺なら………
 この陵辱を与える男からの解放かな?
 いや、朱螺の元に戻りたいだな

 じゃなければ、父さんの末期ガンの消滅
 母さんにとっては、憎い男かもしれないけど

 それでも、俺にとっては、父さんだ
 俺の誕生を喜んでくれた人だ
 憎しみも恨みも感じない

 どうして? が、解消されたセイもある
 そして、神無月という血統の危険性も
 その能力も、今はこの身で知っている

 何より、兄弟の居ない俺に………
 腹違いかもしれないけど、妹が居る

 あぁ…聖子…どうしているかなぁ?
 夏休みになったら、遊んで欲しいって…
 バイト先に押し掛けるって言ってた……

 けど、流石に、ここに来ることはないよな
 誰も、俺が、ここに捕まっているなんて
 知らないんだから…………

 俺を…あの男(明宏)に……売った……
 デモニアンとかいう……集団しか……

 俺に睡眠薬の類いを盛ったあいつ等も
 たぶん、居場所は知らないだろう

 こんな無様な姿なんて、見られたくない
 全ての自由を奪われ、躯に刺青を彫られ
 男の玩具としての調教を受けている姿なんて〕

 そう思った聖樹は、ふっと母親の顔を思い出す。
 何時でも、自分に愛情を注いでくれる、優しく笑う母・悠美を………。

 〔あぁ…俺が……母さんの陵辱されている……
 おぞましい映像を見てしまったと知ったら…〕

 聖樹は、母・悠美が傷付かないで欲しいと心から祈る。
 自分のセイで、我が子までが同じような目にあったと知ったら………。

 〔きっと、優しい母さんの心が、壊れてしまう
 だけど、隠し事をするのも良くないよな

 母さんが、陵辱されているモノを見てしまったと
 素直に告白した方が傷は浅いだろうか?

 それに、母さんに聞きたい………
 あの双頭の大蛇に何を願ったか……

 どの道、生きてここを脱出したとしても……
 彫られてしまった刺青は消せない

 性器や肛門にまで施された……
 蹂躙する男を喜ばせる為だけの刺青を
 母さんに見られずに過ごすことは出来ない

 コレ(刺青)を、母さんから隠し通すには
 独立するしかない………

 あぁ…無性に朱螺に会いたい……
 大丈夫だって抱き締められたいなぁ~…

 母さんにも、そういう男性いるのかなぁ?
 愛人しているのは知っているけど………
 あれは、お金の為だけだもんなぁ……〕

 聖樹は、現実逃避の為に、埒も無いことを考えるのだった。






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