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0115★魔族と人族の《精》の違い

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 困ってしまったからと言って、このままで良いはずはないので、蒼珠はどう朱螺に聞いたら良いかを悩む。

 えっとぉ~‥どういう風に‥聞いたらイイんだろう?
 朱螺が、俺の腹ン中に吐き出した《精》って‥‥‥‥

 どうなってるのかな? 掻き出さなくて良いのか?
 ‥‥‥随分前に‥‥あいつらに見せられたエロ本に
 男同士の性交渉の話しが書かれてたけど‥‥‥‥

 性交渉のあと処理が大変だって書かれていたよなぁ‥‥
 あの男も、悪戯するたびに洗浄してたし‥‥‥‥

 偏った性知識しかない蒼珠は、朱螺にどう聞いて良いかに戸惑う。
 が、聞かないわけにもいかないのので、意を決して聞く。

 「うぅ~‥あぁ~‥‥そのぉ~‥俺が‥‥知識として
 知っている‥肛門性交って‥‥その‥直腸にぃ‥‥‥

 吐き出された精子が、腸壁を刺敵して‥‥げ‥下痢する
 ことになるから‥‥‥性交渉が終わったら‥‥きちんと
 ‥あとから‥‥直腸内を‥‥洗浄するって‥‥」

 恥ずかしさに言い淀む蒼珠に、朱螺は何だそんなことかという表情で答える。

 『ああ‥‥蒼珠は そんなことを気にしていたのか‥‥‥
 我々 魔族と人族では 生理機能がだいぶ違うからな‥‥‥

 確かに 蒼珠はここから 美味しい蜜を零してくれるな‥‥』

 言いながら、朱螺は当然のように蒼珠の今は萎えた男根に触れる。
 朱螺の手のひらの感触に、蒼珠の男根は触られる感触に反応して、芯を持ち出す。

 『ククククッ‥‥‥蒼珠のこれは、本当に素直で可愛いな
  ‥‥そら‥もっと気持ち良くしてやるから、それに浸れ

 苦しんだぶん‥‥気持ち良くしてやろう』

 いじられる感触に、蒼珠はヒクッと躯を突っ張らせるが、その行為に抵抗することも、拒絶を口にすることもなく、ただ黙って唇を噛み締めながら、朱螺の胸に鎚る。

 『どうだ? 気持ち良いか?』

 その問いに、蒼珠は朱螺の胸に顔を埋めたままコクコクと頷く。
 恐怖を感じることなく味わう快楽に、蒼珠はうっとりして胸に埋めた顔を無意識に、その快感に喉を反らす。

 白い喉を晒して、薄く喘ぐ蒼珠を抱き締めながら、朱螺は先刻の答えを囁く。

 『私の《精》は お前のココから吐き出す
 《精》と違って 本当の液体じゃない

 だから 私の吐き出した《精》は もう‥‥
 含まれている《魔力》と共に 蒼珠の躯に

 浸透して消えてしまっているから‥‥‥
 わざわざ 洗浄する必要なんてないんだ』

 朱螺の言葉に、与えられる快感に陶然として酔っていた蒼珠は、意識の片隅で納得する。

 そっかぁ~‥洗浄の必要ないのかぁ‥よかったぁ~‥‥
 あの気色悪い思いをしなくて済むんだぁ~‥‥‥‥

 朱螺相手だったら‥‥平気なんだぁ~
 性交渉のたびに‥‥あんなことしなくて良いのかぁ~

 大量の《魔力》を受けて苦しんだ蒼珠をいたわるように、優しく甘いだけの愛撫を施す朱螺は、その唇から零れ落ちる甘い声と、蕩けるように優しい《情波》に双眸を細める。
 蒼珠は、優しい慰撫にうっとりしながら、身悶える。

 「‥‥ン‥‥ぅン‥‥‥あぁぁん‥‥しゅらぁ‥
 あぁン‥イイ‥‥もっと‥もっと‥‥いじってくれ‥‥」

 やわやわと握り、軽く擦られて芯が入り始めた男根から広がる言い知れぬ快感の波に浸り、蒼珠はうわごとのように唇を戦慄かせて喘ぐ。
 朱螺は焦らすことなく、蒼珠を快楽の絶頂に導く。

 本当なら口腔を使って、勃起した蒼珠の男根を愛撫したいところだが、蒼珠が胸に縋り付いているので、朱螺は手のひらで蒼珠の零す蜜を吸い取る。
 そして、これから吐き出すであろう《精》も、すべて手のひらで吸収することにした。

 朱螺はソッと蒼珠の唇に軽い口付けをしながら、蒼珠の勃起した男根を一際激しく揉み擦り限界まで導いた。
 その瞬間、ビクンっとして胴震いした蒼珠を抱き込み、朱螺が囁く。

 『‥‥気持ち良かったか? 蒼珠‥‥
 怖くはなかったろう』

 蒼珠は朱螺の囁きに、恥ずかしそうにうつむいて、コクっと頷いただけだった。
 頬と目元を薄紅色に染めて、陶然とした表情で、射精した到達感に浸っている蒼珠に、朱螺は蒼珠を正気に導いた酒入りの果汁をすすめる。

 『ほら 蒼珠 もう少し《朱華》の果汁を飲むが良い
 痛みに晒された精神が癒されるぞ』

 《朱華》の果汁が入ったグラスと、朱螺の顔を交互に見比べてから、蒼珠はグラスに注がれた果汁をクイッと全部飲み干す。

 「‥もしかして‥やっぱり‥お酒人ってる? ‥これ‥‥」

 蒼珠の質問に、朱螺は頷く。

 『よく判ったな 蒼珠 我々魔族の酒が入ってる
 お前に どの程度酒の影響があるか判らないから

 混ぜる量は ほんの少しにしたがな
 少しは役に立ったようだな』

 飲み干したグラスを手のひらでもてあそびながら、蒼珠はぺロッと唇を舐める。

 「もう少し‥‥お酒の入ったヤツが欲しい‥‥‥
 って、言ったら駄目ぇ?」

 蒼珠の甘えを含んだおねだりに、朱螺は喉で嗤って言う。

 『まったく 知らんぞ 酔っ払っても‥《朱華》は
 〈淫伽〉と呼ばれるほど催淫効果の強い果実だ

 それに酒を加えたモノなど‥‥悪酔いするぞ‥‥‥
 私とて 今度は途中で性交渉を止める自信はない』

 言いながら、朱螺はいまだに怒張したままの自分の男根を、指先で撫であげ、蒼珠に、その存在を見せつける。
 視線を誘導され、朱螺の猛り立ったモノを見て、蒼珠は一瞬言葉を詰まらせる

 「‥ぁうっ‥‥それは‥‥‥って、朱螺のソレって
 萎えたりしないの? ‥お‥俺の‥‥中に《精》‥‥‥

 出したよね‥‥人族の射精と違うの?
 簡単に萎えたりしないのか?」

 興味津々になった蒼珠に、朱螺は呆れる。

 〔くっくくくく‥‥‥なんだ すでに酔っているのか‥
 本当に 蒼珠は可愛いな 少し好奇心を煽るってみようか〕





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