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0079★《生命石》と《魂魄石》
しおりを挟むシーンと静まり返った辺りを見回して、自分の放った《魔力》の結果に、朱螺は満足げに双眸を細めてから、腕の中でグッタリしている蒼珠に視線を落とす。
『蒼珠には 怖い思いをさせたな』
そう耳朶に囁き、まだ首筋から細く流れる落ちる鮮血に眼をやった朱螺は、苦笑してから傷付けたソコを癒すために、舌で何度も舐めあげる。
管牙を食い込ませて空いた2つの吸血痕は、朱螺が舐めるたびに小さくなって行く。
吸血痕という傷口をすべて癒した朱螺は、肩にまで落ちていた鮮血を舌で丁寧に拭い取る。
その間、蒼珠は身動くことも、言葉を発することも出来なかった。
‥‥うっ‥‥わぁ~‥‥そんなことすんなぁ~‥‥
気持ち悪くて‥‥マジで‥‥気持ち良いってなに?
舌で首筋の傷口を舐められると‥‥‥うっそ‥‥‥
俺‥‥勃起してるぅ‥‥‥なんでぇぇぇぇ‥‥あっ‥
もしかしなくても‥気持ち良すぎて勃起したのか?
蒼珠の様子に気付いた朱螺は、クスクスと喉で微笑(わら)って囁く。
『感じたか? 蒼珠 ソレは 当然のことなんだぞ
私に吸血されて 躯が快楽を味わったのだ
くっくくくく‥‥‥‥良かっただろう
蒼珠のモノも 可愛がってやろう
ここから放つ《精》も さぞ美味いだろうな
さっきは戦闘中で 舌で味わえなかったからな
とても‥‥‥楽しみだ‥‥‥』
囁かれた瞬間、蒼珠の躯にフワリとなにかが巻きつき、蒼珠の躯が空に浮く。
なにも身に着けていない蒼珠を、自らの長髪で中空に固定した朱螺は、蒼珠の膝を割り開き、先刻の快楽で勃起した蒼珠のモノに口付ける。
『私に躯を預け 素直に感じれば良い
今は辛いことはしないから‥‥‥‥
少し躯を楽にして 私の施す愛撫に感じれば良い
‥‥‥気持ち良い思いをさせてやろう』
そう言いながら、朱螺はなんのためらいもなく、既に限界近くまで勃起している蒼珠のモノを口腔に優しく咥える。
生暖かい粘膜に包まれた瞬間、蒼珠はビクンと躯を引き攣らせて、こらえる間もなく朱螺の口腔に射精していた。
‥っ‥‥う‥あぁぁあぁぁあ‥‥‥‥ん‥ぁ‥
あぁぁぁぁん‥‥堕ちるぅ‥‥怖い‥‥
《精》を放った蒼珠のモノを、朱螺は丁寧に愛撫する。
脅えさせないように、優しく舐めあげながら、双玉をやんわりと握り、もっと射精しろと探みしだく。
蒼珠は、朱螺の真紅の髪に躯を溺め捕られた時から、抵抗するだけ無駄を悟っていたので、なんの抵抗もしなかった。
が、射精することで味わう絶頂感と、それとほぼ同時に襲って来た堕ちるような失速感に脅えて、蒼珠は無意識にジダバタする。
「‥‥っ‥あ‥‥‥しゅ‥ら‥‥‥堕ちる
こ‥わい‥‥朱螺‥‥堕ちる‥‥」
自分の躯に手を伸ばす蒼珠に、朱螺はクスッと嗤って、すべての愛撫を止めて、ギュッとその躯を抱き締めてやる。
『本当に 蒼珠は あまり経験がないようだな
私としては 嬉しい限りだな』
どうして、朱螺ってこう恥ずかしいことを
さらっと言うんだろう‥‥‥‥
羞恥心にさいなまれながらも、蒼珠は力の入らない腕で、朱螺に抱き着く
『‥‥クスクス‥‥‥ ゆっくりと
私と交わる快楽を教えてやろう
だが 今の戦いのために
お前は一度に大量の鮮血を消失したのだ
今はゆっくり眠るが良い 蒼珠 眠れ』
朱螺の言葉の呪縛に溺め捕られた蒼珠は、再び夢の世界へと滑り堕ちて行った。
『少し惜しい気はするが 人間の躯は脆いからな
私は お前を酷く気に入っているよ 蒼珠
今は ゆっくりと休むが良い』
朱螺は腕に抱いたままだった蒼珠を大地に寝かせ、ある呪文を唱え、結晶化したサンドワームを持ち運び出来るモノに変える。
『ふむ 流石に あれだけの超巨大なモノだったからな
普通のサンドワームより《生命力》が大きいな
これだけの《生命力》は滅多にお目にかかれない』
サンドワームを《生命力》の結晶にした朱螺は、眼前の空中に浮かぶリンゴほどの大きさの微妙に色合いの違う数々の《生命石》の中から、色合いの良いモノを選ぶ。
そして、選んだ《生命石》を、更に精製し、純度を高くして《魂魄石》へと変化させる。
小梅の実ほどに変化した《魂魄石》を、朱螺はためらうことなく蒼珠の両耳に飾る。
純粋な《生命石》だけを抽出した《生命石》は、どこに行っても高価なモノなのだ。 更に《生命石》を精製して造られる《魂魄石》は、とても貴重なモノだった。
それを、蒼珠の左右に耳朶に埋め込む。
『ふっ‥‥‥似合うな 良い色合いだ
この薄い緋色の《魂魄石》が有れば‥‥‥
もしも 私と蒼珠が なんらかの理由で
離れてしまうことがあっても
この緋色の《魂魄石》が 蒼珠の護りになるだろう
あとで《生命石》を削って 蒼珠の腕輪でも作るかな?
‥‥‥腕の良い細工職人を探さないとな』
蒼珠の寝顔にそう呟いた朱螺は、たった今造ったばかりの《生命石》の数々を、皮袋に放り込み、ゾルディの背中にバランス良いように左右に均等にくくり付ける。
『さて 砂嵐が止んでいる間に もう少し奥に進むか‥‥‥‥
また 何時 砂嵐に連れられた
超巨大なサンドワームに遭遇するか判らないからな‥‥
蒼珠がいたから難を逃れたが 私だけだったら‥‥‥
考えただけで恐ろしいな‥‥とにかく 今は奥に進もう』
空しく呟いた朱螺は、再び蒼珠を腕に、ゾルディに乗って黄封砂漠の奥地にあると言われている場所へと向かった。
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