異世界に引っ越しする予定じゃなかったのに

ブラックベリィ

文字の大きさ
上 下
81 / 85

081★うわぁ~ん、局地的雷雨を轟かすのお義母様達の登場で、あの日々を思い出してしまいました

しおりを挟む


 お義祖母様とお義母様、もう一人のお義母様ヴレンシュタイン公爵夫人、それに、その取り巻きの貴婦人達の気配も視線もわからないって、危機管理能力が無いのかしら?

 ついでに、ご令嬢達の母親達や付き添いの夫人達はどうしているの?

 なんて思っていたら、お義母様がいらっしゃったわ。

 「私の義娘と、あの辺境伯爵の【エトランジェ】達を
  同列に扱っているのは、どなたかしら?」

 お義母様ってば、スバッと正攻法のお言葉ですね。
 この言い方だと、言い返すのは難しいですよ。

 なんて思って見ていると、あのピンク髪のポルカ侯爵家ご令嬢のベアトリーチェ様の母であるポルカ侯爵夫人が言い返しています。

 「まぁその様なコトはしておりませんわ
  ただ、黒髪黒瞳が一緒ですわねと………」

 娘と違って年季がある分いやみが上手いわね。
 その言葉と共に私にチラッと視線を投げるなんて………。
 だけど、お義母様にそんな言葉遊びが通じるなんて無いのに。

 「髪や瞳の色彩が同じ人間なんて、いくらでもいますわね
  それが、この私の義娘と何の関係があるのかしら?」

 「あら、もしかしたら【エトランジェ】として
  同郷かもしれませんわよ

  確か、国民のほとんどが黒髪黒瞳の国かにいらした
  【エトランジェ】がいましたものね

  異世界にいらしたんですからマリエ様は
  かなり寂しい思いをしていると思いましたのよ

  ですから、同郷という可能性があるだけでも
  良いのではと情報をお伝えしましたの」
 
 おお~モノは言い様って感じで綺麗に切り返しましたね。
 確かに辺境伯爵の所に現われた【エトランジェ】も、私と同じ様に黒髪黒瞳ばかりが住む日本出身かも知れません。

 情報と言えばそうですけど、その程度の情報が何の役に立つんでしょうかねぇ?
 でも、これ以上の会話は不味いと思うので、私は止める方法を考えます。
 事なかれ主義の日本人ですから、争うのは嫌いです。

 ここは、お義母様やお義祖母様、私の取り巻き達や侍女達にも、好評だった紙芝居を余興に出させましょう。

 紙芝居の内容を本に纏めたモノも幾つか用意しているしね。
 これは、ゲームをして勝った人への賞品だけど。

 お義母様やお義祖母様、ヴレンシュタイン公爵夫人の取り巻き達、それにアスタール伯爵派閥のご令嬢達やヴレンシュタイン公爵派閥のご令嬢達が、勝つ様にちょっと小細工しても良いしね。

 なんて思ってたら、晴れだった空の雲行きが怪しくなっています。
 そして、黒い雲がもくもくと空をおおい太陽を隠してくれましたよ。

 なんでしょう………異様に暗くなっていきます。
 遠くからゴロゴロという音が………遠雷でしょうか?

 この暗さは、私の記憶操作を破ってくれます。
 私の婚約者達が、アスタール伯爵邸に勢ぞろいしたあの日を………。 
 私の意識はあの日のコトを思い出し始めます。

 あの日、私は………。

 まさか、正式に約定を交わして婚約したその日から、夫達と蜜月に入るなんて知りらなかったコトを(恥)。
 これは、辺境伯爵の【エトランジェ】に対抗する為だそうです。

 私は、媚薬を大量に盛られて、乙女の泉にも媚薬を大量に入れられて、婚約者達というか、夫達と関係を持ちましたよ(号泣)。

 だって、この後に、お義母様やお祖母様やヴレンシュタイン公爵夫人やお側妃様達に、お茶に誘われたんです。

 その時のお茶とお菓子に、媚薬がたぁ~っぷりと混入していたんですよ。

 飲んだ媚薬のセイで朦朧としていた私には、乙女の泉に大量の媚薬を入れられてもわかりませんでした(号泣)。
 だって、媚薬を大量に飲んだ時点で意識朦朧になって、詰んでいますからね。

 結果として、意識が飛んでいたというか、相手を認識できないわ、何度いたしたかもわからないわって状態になりました(爆)。

 初めてなのに、初めてがどんなものだったか、残念ながら覚えていませんでした………乙女の夢を返してって、こころから叫びたいですよ(号泣)。

 これは、妻が初めての夫達を愛し過ぎて、他の夫達を平等公平に扱えなくなるのを防ぐ為の手段だそうです(イケメン滅びろ)。

 でもね、蜜月の間の記憶が吹っ飛ぶ程に、媚薬を盛るっていうのはあんまりだと思います。
 どんな抱き方をされたのかも、まるっきりわかりませんでした。

 反面、双子6組計12名の夫全員と、その場でいたしたってコトは、1人の夫以外に、ガン見されていたってコトですよね。

 それって、どんな羞恥プレイですか?
 もしかしたら、乙女の泉の他に後ろの………もたして、禁断の二輪挿しプレイをしていたかもしれませんもの。

 それを想像するたびに、心臓がバクバクして羞恥心で顔が赤くなり、そしてあまりのエロさとSMもどきに恐怖で青くなったりしますから………。

 その恥ずかしい記憶が無いのは、かえって良かったのかも知れません。
 その上で、ウォル達に説明された行動のひとつは、爆ぜろって思うものでした。

 だって、ピーしたまま求愛給餌を受けるって、どんな羞恥プレイなんです(号泣)。

 っていうか、蜜月の間は、受け入れる夫を取り替えるだけで、繋がったままなんだそうです(爆)。

 おトイレとか、お風呂とか着替えとかって………怖くて聞きたく無いので、何があったのかは知りませんし知りたくありませんよ(号泣)。

 羞恥心で死にそうです。
 いっそ殺してって言いそうになりましたよ。

 でも、それがこの世界の常識なんで諦めました。
 どうせ、覚えていなかったコトなんですから、無かったコトにします。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ

音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。 だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。 相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。 どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

だから言ったでしょう?

わらびもち
恋愛
ロザリンドの夫は職場で若い女性から手製の菓子を貰っている。 その行為がどれだけ妻を傷つけるのか、そしてどれだけ危険なのかを理解しない夫。 ロザリンドはそんな夫に失望したーーー。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

処理中です...