異世界に引っ越しする予定じゃなかったのに

ブラックベリィ

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067★安全第一、保身に走ります

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 って、なんでこころの奥底に封印していた記憶がよみがえってくるの?
 もしかして、辺境伯爵ん所の【エトランジェ】って、アイツ等なの?

 これって【エトランジェ】の持つ何かで、予知とかいうヤツかしら?
 だったら、私は、この皇子様達と結婚するわ。

 アイツ等よりも高い位置にいなかったら、何をされるかわからないもの。
 なんて思ったら、私はどうやらぼーっと考え込んでいたいたらしい。

 心配そうに、ウォル達が私を見ている。
 そんな彼等に私は、にっこり笑って問い掛ける。

 「あのね、色々と考えたけど、皆と正式に婚約したい
  それに、結婚もしたいって思うの
  でも、夫の順位ってわからないの」

 私の問い掛けに、アルブがにこにこ笑って言う。

 「第1夫は、マリエを発見して保護したウォルとエド」

 「うん、わかったわ。最初に正式な婚約もしたしね」

 その答えに納得出来たので、私はにっこり笑う。

 「第2夫は、アルブレヒトとアーダベルト」

 ウォルが言う次の夫には、驚いてしまう。
 兄弟全員と結婚するのが基本だっていうから、次の夫達はアルとイザークだと思っていたのだ。

 「どうして、アルとイザークじゃないの?」

 「アルブレヒトとアーダベルトは、皇太子妃の産んだ皇子だから
  これ以上は夫として下には出来ないからね」

 私の質問は、この帝国の絶対王政という身分社会によって、予想を裏切られる結果になった。
 でも、その為に何となく次の順位の夫達が、誰に成るかは予想が付いた。
 でも、あえて私は聞いてみる。

 「じぁ~第3夫は誰なの?」

 「ヴァレンシュタイン公爵家の跡取り
  アッシュバルトとイアンバルトになる
  約定もあるしね」

 「第4夫は、アルフォンスとイザークランスになる
  これは、さっきの暴走の報いでもあるね」

 ウォルとエドが、何処か黒いオーラを滲ませながら説明してくれた。

 「………」

 さっきゴーピーされそうになった身としては、それも有りだと思いましたよ。
 だって、なんかちょっといやかなり怖かったもの。

 じゃなくって、アイツ等に対する生きた盾として、夫達とは出来るだけ一緒に居たいと思う。
 保身や自己防衛って大事よね。

 「本当に、私達全員と結婚してくれる?」

 ちょっと黙っていたら、ウォルが心配そうに聞いてきた。
 ここは、可愛く我が侭って感じで一緒に居たいって強請ってみよう。

 「うん、だって、みんなそれぞれ私の好みなんだもの
  それにアスタール伯爵領で生活できるなら、それで良いって思ったの

  皇族の妻としての役割が、そんなに無いならなんとかなると思うしね
  みんなは、お仕事があるってわかっているけど

  出来れば、アスタール伯爵本邸に毎日帰って来て欲しい
  毎日、ご飯も一緒に食べたいって思う

  これって我が侭かな?」

 私の言葉に、ウォルとエドは笑って答えてくれた。








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