異世界に引っ越しする予定じゃなかったのに

ブラックベリィ

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058★サポートは機械妖精さんのようなので、名前を付けました

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 ウォルとエドの優しい声で、私の意識は浮上してきました。
 はぁ~………って、声がでるほど気持ちの良いお湯の温度ですね。

 えっ?はっ?今の思考って………。
 思わず私は、瞳を見開いてしまいましたよ。

 そこには、私を膝にのせているウォルと正面に座っているエドがいましたよ。
 ちなみに、私達は大きな浴槽に入っています。

 なんですとぉぉ~………って私の脳内は、絶賛パニックに陥っています。
 どうして、清らかな乙女の私が、婚約者の2人と一緒にお風呂に入っているんでしょうか?

 思わず、私は、サポートに話しかけます。

 『サポート、私は、どうして、ウォル達と一緒に
  お風呂に入っているの?』

 『2人は、マスターを起こしに来たんですが
  マスターが寝ぼけて、お風呂に入りたいと言ったんですよ』

 『もしかして、一緒に入って欲しいって言ったの?』

 『はい、侍女に入れてもらうのは、恥ずかしいから
  一緒に入って欲しいと………』

 『サポート、その前に、眠そうにしているから
  1人で入るのはダメだよって言っていなかった?』

 『おや、気が付いていたんですね。残念です』

 『もしかして、サポートって、機械妖精?』

 『良くわかりましたね。マスター』

 『マジで』

 『冗談に決まっています。私は、単なる妖精ですよ』

 『それも、かなりレアな感じがしますけど』

 『異世界人を守る為のシステムの1つですね
  ただ、私は上位種族の妖精です

  異世界人の持つ魂の輝きと《魔力》
  その性格などに寄って、サポートの種類も制限されます』

 『サポートって、妖精なのね。性別とか名前はあるの?』

 『ありませんよ』

 『じぁ~付けるね、サポちゃんじゃアレだから、沙良。女性名だけど、別に良いよね』

 『判りました。沙良と呼んで下さい。』

 『この状況を何とかして欲しいの』

 『無理です』

 沙良はあっさりと答えて、それ以降何も答えてくれない。
 沙良と会話している間に、私はお風呂から上がりましたよ。

 ウォルとエドに身体も髪も丁寧に、魔法で乾かしてもらいました(爆)。
 色々と2人にお世話してもらったのは確かです(恥)。

 本音を言えば、良く叫ばなかったな私って偉いよって思いますね(号泣)。
 沙良との会話で、気をそらして耐えたのは、これからずっとこうなんだからって思ったからです。

 私の夫は、4組8人です。

 王位継承権持ちの皇子様2人………ってか、未来の皇太子で皇帝陛下。
 公爵家の跡取り2人………2人しかいない公爵家の御曹司。

 伯爵家第1位の跡取り4人………まだ子供を産めるのに、出産で苦しむ姿を見たくないって、これ以上子供を作る気の無い伯爵夫妻の跡取り。
 詰んでいますよ。

 何をどうやっても、高位というか、最上位の皇子様込みの夫達。
 家庭教師の先生達は、口々に言います。

 獣人の夫達は、日頃のストレスを最愛の妻をお世話して愛でるコトで解消するって………妻のストレスはどう解消するんでしょうか(怖)。
 蜜月は、夫1組ごとに、1日交代で番うって言われましたよ(号泣)。

 この頃というか、近年は、何度も流行した流行り病で女性の数が減ったそうです。
 その上で、体力を落とした女性達が死ぬはずの無い出産でコロコロと死んでしまい出産を夫婦共に怖がってしまい、人口が減ってしまったと………。











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