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003★食料の元と【神】に愛でられし血を残さなければ
しおりを挟むそんな秘された神託と貴い血統を守護する【神】のひとりが護国の為の【力】を降ろしてくれたコトで、日本という国自体は第三次世界大戦による被害は他国に比べるとかなり軽量ですんでいた。
だが、第三次世界大戦による戦地被害は、限りなく膨大だった。
繰り返して語るが、日本に対して他国からの輸入品など一切無くなってしまったのだ。
言葉は悪いが、国政に食い込んでいた売国奴達の政策により、食料自給率は限りなく底辺を飛行していたが、今は地を這いずるまで落ちいてた。
豊かな時代で低空飛行、第三次世界大戦は地を這いずる程。
そんな世界へと世情が変化しても、日本という国は地方へと行けば農村というモノは存在していた。
第三次世界大戦前と変わらず、過疎化した地域があり、細々と食料自給をしている場所は各所に存在していた。
そんな特殊な地域の中にも、更に特殊な地域が存在していた。
秘された貴き血統を絶やさない為に存在する、秘された場所である。
ファンタジー小説で言うところの、エルフが暮らす森林そのものと変わらない特殊な地域だった。
その秘された森林地域には、地球の保護膜に出来た傷口から侵入したモノを寄せ付けない不思議な【力】が滲み出ているのだ。
第三次世界大戦という人為的な大災害があろうと、人口過密の都市部のほとんどが無傷だった。
そのセイもあって、食糧事情はカツカツとなっていた。
政府が備蓄していたモノも、第三次世界大戦の被害に合わずに済んだのだが、第二次世界大戦の産めよ増やせよをし過ぎたコトでアッという間に枯渇したのは言うまでも無かった。
その上で、発電所などは第三次世界大戦時に、侵入していた敵対国家の勢力によって、大半が破壊されていた為、人々の生活はままならなくなっていた。
それでも、個々人が持つ太陽光発電や風力発電などによって、日が暮れても真の夜闇に閉ざされるコトは無かった。
何故なら、第三次世界大戦が始まる少し前に、政府広告で個々人で災害に対する備えとして持つコトを推奨していたからである。
神託を受けた巫女姫は、第三次世界大戦が止められない世界の流れならばと、人々がそれぞれに生き残れるような対策をするようにと、極自然に受け入れられるように導いた結果であった。
勿論、毎年訪れる台風などの自然災害も、その後押しになっていたコトは言うまでもない。
売国奴達による政策によって、食料自給率が限りなく低い情報を流しながら、プランター栽培などを趣味にするように人々にアピールしたりもしていた。
そうすることによって、多くの人々が食料となる野菜などの種子を手にする機会が増えるからだ。
『今年は、プランターでトマトを作ってみようかな?』
『ちょっと珍しいお野菜の種だったから、買っちゃった』
『縄文人も食べていたって言う、渋くないドングリ育ててみようかな?』
などと言うモノを、第三次世界大戦の前にドラマや宣伝の中に大量に混ぜて広告していたのだ。
勿論、芸能人がサバイバル生活をする番組も、種類を変えて流すように指示したのは、神託を受けた巫女姫の意を受けた者達だった。
そうした地道な活動のお陰で、日本という国は、他の国々に比べれば比較的穏やかな暮らしをしていた。
ただ『他人の物は自分の物』『嘘も吐き通せば、それが真実』『無ければ他人から奪えば良い』『約束は他人させるもの、自分達は守らない』などと言う主義の人種が、多く混ざっている地域は悲惨なコトになっていた。
そう、弱肉強食がまかり通る地域も各地で出現していたのだ。
それは第三次世界大戦前に、売国奴達が進める政策に促されまま、外国人労働者を大量に受け入れていた地域が大半だった。
第二次世界大戦後、他国から来て勝手に棲みついた者達が、コロニーを作った地域は、真っ先に弱肉強食の地と化していたのだ。
巫女姫とその忠実なる家臣達は、それも仕方がないことと、あえて何もしなかった。
何故なら、残された時間が少ない中で、自分の穢されていない血筋を多く残す為に奔走していたからだった。
同じ血統を引く穢れを受けていない者を探し出し、第三次世界大戦後に様々な外敵を寄せ付けない守護が張られるだろう出現予定地へと、次々と隠すことで手一杯だったのだ。
ちなみに、各地に秘められた守護地が出現する場所は、七つだった。
そこに、何とか血筋を遡り、穢れてない者達をさりげなく移植したことは言うまでもない。
信頼できる家臣を選び抜き、優しき【神】に愛でられる血筋を護る為に各地を奔走した後、巫女姫は忠実な家臣達の前から姿をさりげなく隠した。
勿論、巫女姫も自分の血筋を残す為に、何食わぬ顔で誰にも教えなかった秘められた守護地に棲みついたコトは言うまでもない。
そう、誰にも秘した八つ目の秘められた、守護地の出現予定地である。
もともと、ある地方の端にある農村地帯だった為、単なる物好きな移住者ですんだのだ。
巫女姫ゆえに許されなかった自由を得て、初めて触れる土に、買い込んだ在来種の野菜を植えて、自給自足を始めたのだ。
幸いなことに、その地域には他国からの血統が混じった者は存在していなかった。
あまりにも過疎化し過ぎて、もともとそこに住んでいた血筋の者達しか居ない場所だった。
それも、都会の喧噪に疲れ切って帰って来た者達が大半だった。
そんな者達が連れ合いとして連れて来た者達もまた、別の似たような過疎化した地域出身の者が大半だった。
まるで導かれるようにして集まったその地で、巫女姫は普通の人として暮らし、多くの血を残したコトは言うまでもない。
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