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第12章 ゼフィロス村

138★秘密はアクセサリーにありました

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 「お父様、お父様の思いはわかりましたわ
  でも、それはちょっとおいておいて
  私が聞きたいのは、どうやって
  私の行動を把握していたかって
  コトですのよ」

 私のちょっと怒っていますという発言に、答えてくれたのはアルディーンお兄様でした。

 「ルビア、そんなに可愛い顔で
  頬を膨らませてはダメだよ
  悪い男に張り付かれてしまうからね

  君は、王宮育ちで世間知らずだって
  自覚はあるのかな?」

 「………?」

 アルディーンお兄様の問いかけに、私は首を傾げてしまいます。
 私の頬を優しく撫でてから、アルディーンお兄様は種明かしをしてくださいました。

 「ルビアは、今、皇太后陛下から
  頂いた意識阻害や認識阻害を起こす
  アクセサリーを身に付けているよね」

 私は、小首を傾げてアルディーンお兄様の問いかけに答えます。

 アルディーンお兄様は、いったい
 ナニを言いたいのでしょうか?
 問いかけの意味がわからなくて
 私は困惑してしまいますわ

 「はい。このアクセサリーのお陰で
  ダンジョン内の魔物に気が付かれずに
  移動できましたわ

  でも、魔物を倒さないと
  レベルが上がらないから
  こっそりと攻撃して倒していましたわ
  それがどうかしましたか?」

 私の答えに再度アルディーンお兄様は質問してきます。

 「今もそれを発動しているね?」

 アルディーンお兄様は、私に考えるようにって言っているようです。
 その為に、私は一生懸命考えてから発言します。
 だってね、アルディーンお兄様にバカだって思われたくないですもの。

 「ええ、冒険者ギルドの職員が
  私を覚えていて、お父様達に
  情報を与えられたら
  好きに冒険出来ませんから………

  それに、この村の村人達の記憶も
  残らないよう気を付けていますわよ」

 どうやら、私の精一杯の答えは
 不正解のようですね

 だって、アルディーンお兄様も
 お父様も苦笑しているんですもの

 いったい、どこでなにが
 間違っていたんでしょうか?

 小首を傾げて考える私にお父様達の生温い視線が突き刺さります。

 「ルビア、当分の間、私と冒険しようね
  ヒントを上げたのに気が付かない
  人の好意に潜むモノを読み取れない
  君には、一人旅は無理だよ」

 そんな私に、アルディーンお兄様の蕩けるような優しい微笑みと、困った子だなぁ~私が付いていないと危なっかしくて心配だっていう言葉が………。
 私に追い討ちをかけてくれます。
 でも、一人旅がしたい私は頑張ります。

 「アルディーンお兄様
  それってどういうコトですの?」

 「私が、君にあげたアクセサリーを
  覚えているかい?」

 私を可哀想な子を見る視線で、アルディーンお兄様は言います。
 相変わらず、質問は私に考えろと思い出せと言ってくれます。
 思わず言い返す私………。

 「勿論ですわ
  小さくて可愛くてキラキラしているから
  何時でも身に付けていますわ
  今だって………」

 うふふ……わかりましたわ…やっと………
 だって、アルディーンお兄様には
 私に対する愛情しかなかったんですもの

 その愛情のこもった贈り物のアセサリーに
 そんな魔法が入っているってわかっていても
 気が付きませんでしたわ

 それを利用して、私を
 追いかけて来たって………

 私の表情で、アルディーンお兄様は、私のお馬鹿な頭が理解したってわかったようです











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