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第12章 ゼフィロス村
137★お父様とお兄様の提案は、対抗しますわ
しおりを挟むにっこり笑っての御言葉でしたが、私は、アルディーンお兄様の誘いを丁寧に断りました。
だって、私にはコウちゃんも、ガッちゃんもいるから………。
それに一角天馬の子も起こさなきゃいけないし、アバターの確認もしなきゃいけないから………。
そりゃ~アルディーンお兄様と一緒に
ダンジョン制覇はしてみたいけど
やっぱりコウちゃん達が大切だから
ここは、今はひとりでやってみると
言うしかないですわね
それに、コウちゃんとガッちゃんを
お父様達に見せておいたほうが良いかも?
あれ? そう言えば、お父様や
アルディーンお兄様って
どうして、此処に居るの?
私が、この村の冒険者ギルドに居るって
このタイミングで?
これって不自然よね?
聞いてみないと………。
これからの冒険先で
先回りされたりするかも?
私は、お父様達がここに居るコトが、気なったので聞いてみます。
「お父様、どうしてここに居るんですの?
私を探すのでしたら、あの
《難攻不落の深淵の絶望ダンジョン》の
はずですわよね?」
私の質問にお父様は、黒いオーラを纏わせた、それはそれはイイ笑顔で答えてくれます。
「おや、気が付いてしまったのか~
私のシルビアーナは賢い子だ
どうしてなのかは内緒にしておきたいなぁ~
これからのコトもあるし………
と、言ったらどうする?」
問いかけをはぐらかすお父様に、私は頬を膨らませて言い返します。
「聞いたのは私の方ですわ。お父様」
そんな私の頬をお父様は、嬉しそうに撫でてくれます。
ちょっと黒いけどそんな蕩けそうな笑顔で
私は、ごまかされませんわお父様
ここは、ガッツンと言わせて頂きますわ
「私は、ちょっと怒っているんですの
真面目に答えて欲しいですわ。お父様」
お父様は、それはそれはとても嬉しそうに、私に言います。
「シルビアーナ、お前は、本当に
あの呪具から解放されたんだな
こんなに表情豊かになって………
何時も、私の愛情を信じきれず
余所余所しかったお前が………
感情を表に出して
頬を膨らませている
なんて娘らしくなったんだ
あの呪具が無かったら
シルビアーナの子供らしい表情と
感情を何時でも見れたものを………
あのバカのセイで、不安そうで
怯えた瞳をしたお前しか
見れなかったコトが返す返すも
悔しくてたまらない」
お父様は、私の表情1つにそこまで気に病んでいたんですね、自覚ありませんでしたわ。
あの呪具のセイで
感情が制限されていた私を
お父様は………じゃない
ごまかされませんわよ
本当にも美形で腹黒いお父様ですわね
あやうく騙されるところでしたわ
前世を思い出していなかったら
簡単にコロッと騙されていましたわね
でも、今の私は、ただの15才の
小娘ではありませんのよ、お父。
人生経験を積んだ、オタクな
おばさんなんですのよ
だから、ここは、きっちりと
言い返しますわ
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