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第12章 ゼフィロス村
124★冒険者登録って、きついかと思ったら意外と緩いようです
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私の質問に対するおじさんの答えは、予想をかなり逸脱していた。
「ああそれね。この国の上位ランクの冒険者は、貴族出身者が多いんだよ。基本は親公認なんだけど、中には勝手にやっている子もいるんだ」
それを聞いて、私は、ギクッとしましたよ。
ええ、私も親に黙ってやろうとしていますもの………。
というか、そんなに居るんですか?
貴族出身者の冒険者って?
じゃなくて、それは、黙っていれば良いモノではないのかしら?
隠すってことは、本人が必要性を感じてい無いってことでしょ?
私自身、お父様達に知らせる気なんてゼロですもの………。
だから、私は聞いてみることにした。
「たしか、年齢が規定に達していれば、身分に関係無く、冒険者になれましたよね?」
私の確認に、おじさんは溜め息を1つ吐いて言う。
「冒険者になるのは良いんだけどねぇ~………ダンジョンに潜って大怪我したり、行方不明になった時に、連絡する先が必要なんだよ。ほら、他のベテランパーティーに依頼して探してもらうっていう選択肢を取ったりする時に、親が貴族だったら、豊富な資金があるから、さっさと探してもらえるでしょう? そうすれば、同じパーティーの仲間も資金的に楽になるでしょう」
おじさんの説明に、私はなるほどと思ってしまう。
でも、私は、親から逃げている最中だし、まだ、人間の仲間はいないから、あまり意味は無いと思ってしまう。
黙ってしまった私におじさんは、苦笑しながら話しかけてくる。
「お嬢ちゃん、貴族の家出娘かい?」
「うっ………」
図星を指されて、私はワタワタして黙ってしまう。
そんな私に、おじさんは笑って言う。
「家出して冒険者をするのは、上位貴族出身者が多いんだよ。だから、そんなにビクビクしなくても良いんだよ。あのカイドール侯爵様も、若い頃は、ウチの御領主様達とパーティーを組んで冒険者をやっていらしたからねぇ~………」
えっ……そんなコトを、お父様はしていたんですか?
知りませんでしたわ………親友なのは知ってましたけど………。
ここは、何も知らないを前面に出して、色々と教えてもらいましょう。
ああそうだわ、平民にこだわるから不自然になるのよね。
だったら、適当な下級貴族あたりを名乗れば良いのわね。
………ん~とぉ~………どの家が良いかしら?
そうだわ………私の家族は………。
乳母の娘で、私の侍女だったマルガリータ・レイラン子爵家にしましょう。
う~ん、こんなコトもきちんと認識できていなかったのねぇ~………今更だけど。
セドリックは近衛騎士として私の護衛をしていたし………。
セバスチャンは、私の同級生として側に居てくれたわねぇ………。
あら、私ってば、ボッチじゃなかったのね。
乳姉兄弟が…何時も側に黙って居てくれたものねぇ……綺麗に忘れてたけど。
あの3点セットの呪力が強すぎて、何時でも意識がどこか霞んだりポヤポヤしていたからしょうがないかな?
まぁ…乳兄弟が存在していようと、私がそうと認識していなかったら、それは意味が無いわよねぇ………残念だけど。
情が存在し無いから、私を縛るモノにはならないわね。
だけど、仮の両親として登録しても、否定はしないわね。
それならば、もしも、私に何かあったら、マールからお父様に連絡が行くから大丈夫よね。
乳母のローレル子爵家は、すぐバレるから、レイラン子爵家で良いわね。
私が、考えこんでいる間、おじさんは、黙って待っていてくれました。
そして、私が、無意識でこくこくと頷くと、するっと聞いてくれました。
「お嬢ちゃん、考えがまとまったようだね」
「はい」
「じゃ、家族欄は抜いても良いから、連絡先だけは正確に書いてくれるかな?」
「はい、ちゃんと書きます」
「活動予定地は、決まっていないなら、登録したこの地域ってことに自動的になるから、書きたく無いなら書かなくても良いよ」
「えっ? そんなものなんですか?」
「仲間や友達、知り合いに魔法使いがいたら、転移であっちこっちに飛び回るから、書かないってのもありなんだよ。ただし、初心者向けの情報も、この辺になっちまうけどね。その辺は良いのかな?」
「はい、この周辺で活動しようと思っていますから………」
「ああそれね。この国の上位ランクの冒険者は、貴族出身者が多いんだよ。基本は親公認なんだけど、中には勝手にやっている子もいるんだ」
それを聞いて、私は、ギクッとしましたよ。
ええ、私も親に黙ってやろうとしていますもの………。
というか、そんなに居るんですか?
貴族出身者の冒険者って?
じゃなくて、それは、黙っていれば良いモノではないのかしら?
隠すってことは、本人が必要性を感じてい無いってことでしょ?
私自身、お父様達に知らせる気なんてゼロですもの………。
だから、私は聞いてみることにした。
「たしか、年齢が規定に達していれば、身分に関係無く、冒険者になれましたよね?」
私の確認に、おじさんは溜め息を1つ吐いて言う。
「冒険者になるのは良いんだけどねぇ~………ダンジョンに潜って大怪我したり、行方不明になった時に、連絡する先が必要なんだよ。ほら、他のベテランパーティーに依頼して探してもらうっていう選択肢を取ったりする時に、親が貴族だったら、豊富な資金があるから、さっさと探してもらえるでしょう? そうすれば、同じパーティーの仲間も資金的に楽になるでしょう」
おじさんの説明に、私はなるほどと思ってしまう。
でも、私は、親から逃げている最中だし、まだ、人間の仲間はいないから、あまり意味は無いと思ってしまう。
黙ってしまった私におじさんは、苦笑しながら話しかけてくる。
「お嬢ちゃん、貴族の家出娘かい?」
「うっ………」
図星を指されて、私はワタワタして黙ってしまう。
そんな私に、おじさんは笑って言う。
「家出して冒険者をするのは、上位貴族出身者が多いんだよ。だから、そんなにビクビクしなくても良いんだよ。あのカイドール侯爵様も、若い頃は、ウチの御領主様達とパーティーを組んで冒険者をやっていらしたからねぇ~………」
えっ……そんなコトを、お父様はしていたんですか?
知りませんでしたわ………親友なのは知ってましたけど………。
ここは、何も知らないを前面に出して、色々と教えてもらいましょう。
ああそうだわ、平民にこだわるから不自然になるのよね。
だったら、適当な下級貴族あたりを名乗れば良いのわね。
………ん~とぉ~………どの家が良いかしら?
そうだわ………私の家族は………。
乳母の娘で、私の侍女だったマルガリータ・レイラン子爵家にしましょう。
う~ん、こんなコトもきちんと認識できていなかったのねぇ~………今更だけど。
セドリックは近衛騎士として私の護衛をしていたし………。
セバスチャンは、私の同級生として側に居てくれたわねぇ………。
あら、私ってば、ボッチじゃなかったのね。
乳姉兄弟が…何時も側に黙って居てくれたものねぇ……綺麗に忘れてたけど。
あの3点セットの呪力が強すぎて、何時でも意識がどこか霞んだりポヤポヤしていたからしょうがないかな?
まぁ…乳兄弟が存在していようと、私がそうと認識していなかったら、それは意味が無いわよねぇ………残念だけど。
情が存在し無いから、私を縛るモノにはならないわね。
だけど、仮の両親として登録しても、否定はしないわね。
それならば、もしも、私に何かあったら、マールからお父様に連絡が行くから大丈夫よね。
乳母のローレル子爵家は、すぐバレるから、レイラン子爵家で良いわね。
私が、考えこんでいる間、おじさんは、黙って待っていてくれました。
そして、私が、無意識でこくこくと頷くと、するっと聞いてくれました。
「お嬢ちゃん、考えがまとまったようだね」
「はい」
「じゃ、家族欄は抜いても良いから、連絡先だけは正確に書いてくれるかな?」
「はい、ちゃんと書きます」
「活動予定地は、決まっていないなら、登録したこの地域ってことに自動的になるから、書きたく無いなら書かなくても良いよ」
「えっ? そんなものなんですか?」
「仲間や友達、知り合いに魔法使いがいたら、転移であっちこっちに飛び回るから、書かないってのもありなんだよ。ただし、初心者向けの情報も、この辺になっちまうけどね。その辺は良いのかな?」
「はい、この周辺で活動しようと思っていますから………」
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