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第12章 ゼフィロス村

119★ゼフィロス村に到着しました

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 そう思いながら、水晶の中を改めて見詰める。

 あれ? 地下室の映像が無い……どうして?

 私は、水晶からガッちゃんに視線を移した。
 すると、ガッちゃんは首を傾げて言う。

 『主さま、どうかしましたか?』

 「ガッちゃん、地下室部分は?」

 私問いかけに、ガッちゃんがキョトンとして聞く。

 『えっ…地下室?』

 その様子から、今のガッちゃんの能力では見えないということがわかった。
 いや、外部からの干渉を回避する為に、確かにゲーム内で出来うる限り、入念に防護していたからね………しょうがないかな?
 
 「そう見えなかったのね」

 そんな私に、私の魂に付いて転生まで一緒にしたコウちゃんが言う。

 『ママ、地下部分は特に何重にも結界を張っていたでしょう。意識阻害や認識阻害のソフトな結界以外に、対物理攻撃に対魔法攻撃って結界だったでしょ。運営に干渉されない用にって………』

 そうコウちゃんが具体的に言ってくれたんで、前世でゲーム内に施した数々の防護プログラムをかなり明確に思い出す。
 幸いなコトに、解除方法もそれで思い出し、私は内心でホッとする。

 「ああそうね。アレは、ガッちゃんの能力でも、ちょっと無理よね」

 頷く私に、前世の時を同じように思い出しているらしいコウちゃんが、弾んだ声で言う。

 『ママぁ~…面倒だから、さっさと近くの村に行っちゃおうよ。そしたら、あそこをゆっくりと調べられるよ。だから、 このまま飛んでいこうよ。すぐに着くよ』

 いまだに天使シリーズと風の精霊さん達のお陰で空中に停止している状態なので、視線を少し動かすだけで ゼフィロス村が見える。

 本当に、このまま上空を飛んで行った方が早そうね。
 地上を移動するよりも、魔物っていう障害にも出会う確立低いし………。
 ここはコウちゃんの提案にのりますか………。

 「そうね。それじゃ、このまま飛んでいっちゃいましょうか? ねっガッちゃん」

 『はい、主さま………』

 話しを振れば頷くものの、ガッちゃんは少し言葉を続けたそうにしている。
 そのことに気付いた私は、ガッちゃんに問いかける。

 「ガッちゃん、なにか気になることでもあるの?」

 『いいえ』

 何か言いたげな表情のままで、そう言ってガッちゃんは首を振ってしまう。
 こうなったら、何も答えないだろうと想像はつく………。
 そこで、私は笑って言う。

 「ゼフィロス村に行って、冒険者登録しようね。それが終わったら、掲示板に張ってある簡単な依頼(クエスト)をやって、お金を手に入れる。その時に、お金のレートもだいたいわかると思うのよねぇ………。それが終わったら、遺跡の確認と結界作りね。その後に、本格的な魔物狩りね。ガッちゃんのご飯ちょっと遅くなるけど良い?」

 『大丈夫です。主さま』

 「そう…だったら、ここは、ゼフィロスまで飛んで行きましょう」

 『『はい』』

 こうして私達は、ゼフィロス村に飛んで行った。
 風の精霊さん達のお陰で、魔力をほとんど使わないですんでしまいました。
 精霊さんと友好関係を結ぶって大事だわぁ~って思いましたわ………いや、本当に。
 勿論、水晶の指輪は貴重品ですから、きちんと小さくしてインベントリにしまいました。

 ちなみに、ただ飛ぶだけじゃつまらないので、私はついついアニメの歌を歌いながら飛びました………うぅ~…前世のオタク喪女のサガが………。
 まぁ…そのお陰で直ぐに、ゼフィロス村の前に着いたのはラッキーだったわね。

 私は、到着したゼフィロス村の少し手前の上空から、村の規模を確認する。
 そう、前世で遊んでいたゲームとの相互関係を確認する為に………。
 何処まで似ていて、どの辺が似てい無いかを………。
 だって、ソルス・ロス・エンダ村なんてゲーム内の姿とはまるっきり違っちゃっていたから………。

 そして、改めてゲーム内ではない、今世(こんせ)の現実ゼフィロス村を外側から見て無意識に頷いていた。

 よかったぁ~…ゼフィロス村は、ソルス・ロス・エンダ村と違ってそこまでは、寂れて居ないようねぇ………ホッとするわ。









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