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第11章 次の村へと向かいましょう

115★前世の知識と記憶は以外と役に立つ?

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 ソルス・ロス・エンダ村からそれなりに離れた私達は、空にあがって辺りを見回す。

 あっ…あそこ………ふぅ~ん…まだ、この程度なんだぁ…歩きだとそんなものなのね。

 私は、何か目印は無いか?と見ていたら、魔の森の周辺部あるにソルス・ロス・エンダ村を発見する。

 ああそう言えば………たしか、ゲーム上では………。
 ソルス・ロス・エンダ村に行く途中に、祖先が冒険者から成り上がった伯爵家の支配する村が有った筈よねぇ………有るのかな?
 えぇ~とぉ………たしかゼフュロス村って言っていたわね。

 古語で風の精霊が溜まる場所だったっけ?
 どういうわけか、強い風の吹く場所だったわね。
 未来の皇太子妃として習った記憶と比べると、より魔の森のソルス・ロス・エンダ村に近い場所にあるわねぇ………う~ん、やっぱりズレがあるわ。

 でも、ゼフュロス村は存在しているんだから、それは良いわね。
 それに、ゼフュロス村の周りには、小さな開拓村が幾つもあったはず………。
 うん、これなら、冒険者登録に良い場所ね。

 そこそこの人口があるはずだし、この村は近くでホーンラビットやホーンラット、ホーンボアやホーンウルフ、それにホーンベアっていう、色々な種類の魔物が取れたから、絶対に冒険者やハンターがいるわ。
 っていうか、ゼフュロス村の冒険者ギルドから派遣されていたのかな?

 そうだわ……ここから、ちょっと外れた小高い丘に、意識阻害の結界を張って造った私の(アラフィフの時に造った)クラン支部があったわよね。
 あっ…うふふふふ………良いコトを思い出したわぁ~………。
 RPG【黄昏の開放】では、クランっていう一族を作るコトが出来たのよねぇ………。

 私は、アラフィフの時も、暗殺者の時も、市役所職員兼予備役の自衛官の時も、養子や養女をとってクランを作っていたもの。
 生産職の子も、商人の子も、ハンターや冒険者の子達も居たわ。
 面白がって、村? いいえ、たしか街を形成できるぐらいの人数と職業を網羅しんただっけ………。

 パーティー仲間も自分のクランを使って、防具や武具、食料品その他を調達していたっけ………だって、そのほうが何でも安かったんだもの。
 まぁ…色々と職業系の人種を多少集めるのに、時間がかかったけど………。
 頼んでおけば、どんな場所にいても、血を媒介にした【親子の絆の魔法陣】を使ってどこにだって、色々なモノを届けてくれたわ。

 あの難攻不落の深淵の絶望のダンジョンだって、届けに来ていたもの。
 《狂いし神子の討伐》のイベントの扉の前までだって、来てくれたわ。
 懐かしいわぁ~…趣味に走って、もふもふな獣人、綺麗なエルフ、カッコイイ竜人、職人のドワーフ、農業、漁業、商業は人間って養子にしたわねぇ~………。

 どの子もPCキャラとしては、がっつりと課金して美形オンリーにしたわね。
 もっとも、私の居たパーティーは、美形で有名なクランを持つ、イシュタルの申し子達って呼ばれていたんだから………。

 じゃなくって、クランの支部って、色々な結界を張りたいなら、古代遺跡を見つけてその周辺に造るのがお約束だったわ。
 だから、あのゼフィロス村の近くにある小高い丘には、古代遺跡があるはずよ………てか、RPG【黄昏の開放】ではそういう設定になっていたけど………。

 あの遺跡は、そのまま館として使えるぐらい状態が良いモノだったもの。
 きっと、私達の隠れ家にもなってくれるわ。
 だって、意識阻害の結界魔法と、とぉ~っても相性の良かった遺跡だもの。

 良し、とりあえずゼフィロス村に行って、冒険者登録をしましょう。
 そしたら、今度はRPG【黄昏の開放】で存在していた、古代遺跡を見付けないとね。
 古代遺跡を見付けたら、結界魔法を張り直して、ソルス・ロス・エンダ村で回収したソルス・エル・ピーシェを食べましょう。
 安心できる場所で、買い込んだ色々な食糧とソルス・エル・ピーシェをたっぷりと食べれば、一角天馬のあの子も起こせると思うわ。

 考えのまとまった私は、コウちゃんとガッちゃんに話しかける。

 「コウちゃん、ガッちゃん、まずは、あそこに見えるゼフィロス村に行きましょう」

 『ママ、あのクラン支部にしていた遺跡を探すの?』

 「あはは、わかったぁ~………」

 『うん。懐かしいよね』

 「そうねぇ…前世で遊んでいたRPG【黄昏の開放】と、こっちの世界はかなり連動していても、養子だったあの子達には、会えるわけじゃ無いけどねぇ………」

 思わず、私は感傷的な気分になる。

 『うん、会えたら良いのにねぇ………』

 コウちゃんの言葉に、ついつい怠惰なアラフィフ時代を懐かしんでしまう。

 「何時か探してみるのも良いわね。みんなを起こしたら………」

 『うん』








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