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第9章 ソルス・ロス・エンダ村
091★村に入ってみました
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私は、良く熟れていると判る紅いソルス・エル・ピーシェを手に、ふっと無意識に笑う。
うふっ……天使シリーズを身に着けていて良かったわぁ~………。
特にマントは、飛びたいって意識すれば、空を飛べるモノなんですもの………くすくす。
子供の頃の空を鳥のように自由に飛びたいって、夢がこんな異世界に来て叶うなんてね ……人生…わからないものねぇ………。
うふふふふ……そして、ゲームで登場していた果物を実際に食べられるなんて……感動モノね。
まずは、見た目と香りを楽しみましょうかしら?
思わず、犬の気分でソルス・エル・ピーシェを鼻先へと近づけて、クンクンしてしまう。
その鼻腔に、甘く熟れた桃特有の香りが広がる。
はぁ~……良い香りだわぁ~…ソルス・エル・ピーシェって、見た目も香りも、大好きだった桃そのものね。
前世では、生の桃は時期モノだし、その時に強風や豪雨なんてモノを食らったら、生産も出荷もガタッと減るモノだったから………。
桃の旬になったら、お財布が痛くても食べたわねぇ………。
ただ、見た目良し、香り良しでも、たまぁーにハズレ引くことあったわねぇ………。
高いお金だして買ったのに、渋みが強くて甘くないのがあったわぁ………。
じゃなくて、手にしたコレ(ソルス・エル・ピーシェ)がハズレじゃありませんように………。
この世界に、農薬なんて無いけど、水魔法のミストをかけて洗いましょうか。
私は、夏のうだるような暑さの中で味わった、あのミストシャワーを思い浮かべて、魔力をほんの少し放出してみた。
うふっ………実験は成功して、私の周りには、ひんやりしたミストシャワーがふわっと辺り一面に降りてきた。
その中にたった今もいだソルス・エル・ピーシェを差し出して、軽く洗い流す。
魔力の放出をやめるとミストシャワーは、静かに止まる。
私は、濡れてより瑞々しくなったソルス・エル・ピーシェを一口齧ってみた。
勿論、皮ごとね………果物は皮と実の間が1番甘いって聞いていたし、実際にそうだから………。
結果は……本当に瑞々しく甘くて、そこにほのかな酸味がまじりとぉ~っても美味しかったわ。
だから、私は、規定の残りの2個を採り、インベントリの中にソッと丁寧に仕舞う。
そうして、気分的に人心地ついてから、私は妙な違和感を感じて小首を無意識に傾げた。
その違和感の原因を探そうと、ゆっくりと辺りを見回して、私はようやくその異常さに気付く。
そう、ソルス・エル・ピーシェの果実がたわわに実っていることに………。
それも、かなり熟した甘い香りを放つ果実が、もがれることもなく実ったままなことに………。
そう言えば、ゲームの中でさえ、こんなにソルス・エル・ピーシェの果実がたわわに実っている光景なんて見たコトが無かったわねぇ………って、これが違和感の原因ね。
そういえば、この村があるかどうかを、ガッちゃんに視てもらった時、かなり寂れているって言っていたけど………。
もしかして、予想を超えて、寂れていたりして………。
あの《難攻不落の深淵の絶望ダンジョン》から、コウちゃんとガッちゃんと共に脱出して、魔物討伐しながら、人の住む村に辿り付いたという事実に、うきうきしていた私だけど………。
もしかして、あまり良い状況じゃないってコト?
不安に思いつつも、私は、冒険者登録をする為に、ソルス・ロス・エンダ村へと足を踏み入れることにした。
そして、私が想像していなかった、予想外の出来事に遭遇することになるのだった。
***
ソルス・ロス・エンダ村を護るように植えられている、ソルス・エル・ピーシェの木々の結界を通って入ったソコは………。
本来(RPG【黄昏の解放】のゲーム内)なら、冒険者で溢れていた大通りが、埃と枯葉が舞っているだけだった。
私の記憶とは全然違う、寂びれきった光景………。
本当に、難航不落の深淵の絶望のダンジョン《狂いし神子の討伐》の攻略や《永遠の牢獄ダンジョン》の攻略を、冒険者がしなくなって久しいってことを、実感として理解する。
それでも、私は、懐かしさから、大通りを冒険者ギルドに向かって歩く。
そう、無意識に、安全を守られた平和で危険の無い日本の自宅で、まったりとRPG【黄昏の解放】のゲーム楽しんでいた前世を懐かしんで………。
その通りに有った色々なお店は、全部閉じられていた。
あのダンジョンに入る前に、必ず食べていた、とっても美味しいスイーツ(SNS映えするとっても綺麗なチョコレートパフェ)を出すお気に入りの店は、辛うじて看板だけが残っていたの………。
うわぁ~………想像以上に、村の中は寂びれ切っているわね。
本気で残念だわぁ……実際に食べてみたかったのに………。
入ってみたいと思っていたお店が軒並み潰れているなんて………切ないわ。
私のアバターが、とぉ~っても美味しそうに食べていたから、私も食べてみたかったのに………実食出来なかったのは、がっくりね。
まあ良いわ、とりあえずギルドで冒険者登録して、他の街で食べれば良いのよ。
うふっ……天使シリーズを身に着けていて良かったわぁ~………。
特にマントは、飛びたいって意識すれば、空を飛べるモノなんですもの………くすくす。
子供の頃の空を鳥のように自由に飛びたいって、夢がこんな異世界に来て叶うなんてね ……人生…わからないものねぇ………。
うふふふふ……そして、ゲームで登場していた果物を実際に食べられるなんて……感動モノね。
まずは、見た目と香りを楽しみましょうかしら?
思わず、犬の気分でソルス・エル・ピーシェを鼻先へと近づけて、クンクンしてしまう。
その鼻腔に、甘く熟れた桃特有の香りが広がる。
はぁ~……良い香りだわぁ~…ソルス・エル・ピーシェって、見た目も香りも、大好きだった桃そのものね。
前世では、生の桃は時期モノだし、その時に強風や豪雨なんてモノを食らったら、生産も出荷もガタッと減るモノだったから………。
桃の旬になったら、お財布が痛くても食べたわねぇ………。
ただ、見た目良し、香り良しでも、たまぁーにハズレ引くことあったわねぇ………。
高いお金だして買ったのに、渋みが強くて甘くないのがあったわぁ………。
じゃなくて、手にしたコレ(ソルス・エル・ピーシェ)がハズレじゃありませんように………。
この世界に、農薬なんて無いけど、水魔法のミストをかけて洗いましょうか。
私は、夏のうだるような暑さの中で味わった、あのミストシャワーを思い浮かべて、魔力をほんの少し放出してみた。
うふっ………実験は成功して、私の周りには、ひんやりしたミストシャワーがふわっと辺り一面に降りてきた。
その中にたった今もいだソルス・エル・ピーシェを差し出して、軽く洗い流す。
魔力の放出をやめるとミストシャワーは、静かに止まる。
私は、濡れてより瑞々しくなったソルス・エル・ピーシェを一口齧ってみた。
勿論、皮ごとね………果物は皮と実の間が1番甘いって聞いていたし、実際にそうだから………。
結果は……本当に瑞々しく甘くて、そこにほのかな酸味がまじりとぉ~っても美味しかったわ。
だから、私は、規定の残りの2個を採り、インベントリの中にソッと丁寧に仕舞う。
そうして、気分的に人心地ついてから、私は妙な違和感を感じて小首を無意識に傾げた。
その違和感の原因を探そうと、ゆっくりと辺りを見回して、私はようやくその異常さに気付く。
そう、ソルス・エル・ピーシェの果実がたわわに実っていることに………。
それも、かなり熟した甘い香りを放つ果実が、もがれることもなく実ったままなことに………。
そう言えば、ゲームの中でさえ、こんなにソルス・エル・ピーシェの果実がたわわに実っている光景なんて見たコトが無かったわねぇ………って、これが違和感の原因ね。
そういえば、この村があるかどうかを、ガッちゃんに視てもらった時、かなり寂れているって言っていたけど………。
もしかして、予想を超えて、寂れていたりして………。
あの《難攻不落の深淵の絶望ダンジョン》から、コウちゃんとガッちゃんと共に脱出して、魔物討伐しながら、人の住む村に辿り付いたという事実に、うきうきしていた私だけど………。
もしかして、あまり良い状況じゃないってコト?
不安に思いつつも、私は、冒険者登録をする為に、ソルス・ロス・エンダ村へと足を踏み入れることにした。
そして、私が想像していなかった、予想外の出来事に遭遇することになるのだった。
***
ソルス・ロス・エンダ村を護るように植えられている、ソルス・エル・ピーシェの木々の結界を通って入ったソコは………。
本来(RPG【黄昏の解放】のゲーム内)なら、冒険者で溢れていた大通りが、埃と枯葉が舞っているだけだった。
私の記憶とは全然違う、寂びれきった光景………。
本当に、難航不落の深淵の絶望のダンジョン《狂いし神子の討伐》の攻略や《永遠の牢獄ダンジョン》の攻略を、冒険者がしなくなって久しいってことを、実感として理解する。
それでも、私は、懐かしさから、大通りを冒険者ギルドに向かって歩く。
そう、無意識に、安全を守られた平和で危険の無い日本の自宅で、まったりとRPG【黄昏の解放】のゲーム楽しんでいた前世を懐かしんで………。
その通りに有った色々なお店は、全部閉じられていた。
あのダンジョンに入る前に、必ず食べていた、とっても美味しいスイーツ(SNS映えするとっても綺麗なチョコレートパフェ)を出すお気に入りの店は、辛うじて看板だけが残っていたの………。
うわぁ~………想像以上に、村の中は寂びれ切っているわね。
本気で残念だわぁ……実際に食べてみたかったのに………。
入ってみたいと思っていたお店が軒並み潰れているなんて………切ないわ。
私のアバターが、とぉ~っても美味しそうに食べていたから、私も食べてみたかったのに………実食出来なかったのは、がっくりね。
まあ良いわ、とりあえずギルドで冒険者登録して、他の街で食べれば良いのよ。
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