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第7章 シルビアーナは真実に気付く

070★真実は、時としてとても残酷だったりする

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 そして、そこで、私は考えてしまう。

 って、アレ? あのお花畑なルドルフ皇太子が連れていた、ビッチなゆさゆさメロンちゃんは、ヒロインじゃないっこと?
 乙ゲーレイパレだと、ヒロインじゃないわよねぇ…はて?

 えっとぉ~………ここは、何度も一緒に、地球の日本で魂で転生していたコウちゃんに聞いた方が良いかしら?
 
 「これって、ヒロインの聖女が出てくれば、悪役令嬢の私は、攻略者と関係無くなるから、平気よね………はぁ~……攻略キャラのヤンデレ集団見て、ドキドキしちゃったわ」

 そんな私に、コウちゃんは無情に言う。

 「ママ、聖女って何処にいるの? コウちゃん、ママの魂ン中にいたけど、こっちで聖女なんて見てないよ」

 えっ? えぇぇぇ? 居たよね、確か、あのゆさゆさメロンのビッチなヒロインちゃんは、珍しい光り属性だって………。
 あの子だよね、ラノベ定番の男爵令嬢だし………えっ違うの?

 「いや、だって…ほら、私が婚約破棄された原因の男爵令嬢。あの見るからにヒロイン体質な、ビッチでゆさゆさメロンで光り属性だから、彼女が聖女になるんでしょう?」

 『ママァ……このR18乙女ゲーム『レインボーパレス』って、聖女は異世界から召喚されるタイプだよ。あとねぇ…RPG【黄昏の解放】もぉ……勇者と聖女を異世界から召喚するタイプだよ。だから、聖女は存在してないよ。あの男爵令嬢は、味付けに別の設定から借りたヤツじゃないかな? そういうのする会社でしょ? お気に入りは、念入りに設定を造るけど、どうでも良いキャラとかは、借り物ってヤツ。一番多かったのは、ドラ○エかな? あと、ファ○ファンからかな? その辺は、定番で良いからって………』

 コウちゃんの言葉で思い出す。
 そう言えば、コレを製作した会社は、男性専用のエロゲーがメインの会社。
 お陰で『レイパレ』はヤンデレ祭り状態………。
 RPG【黄昏の解放】は、色々なモノを詰め込んだ………。
 モ○ハン顔負けの魔物のスチル満載で………。
 じゃなくて、聖女よ聖女っ………。

 「えっとぉ……それじゃ、聖女様は何処に召喚されているの?」

 私は、聖女は既に召喚されているという前提で、コウちゃんに聞くが………。

 『ママァ………どこに、聖女召喚する必要があるの?』

 逆に、そう聞かれて、えっ? っとなってしまう。
 だって、定番でしょ、聖女召喚って?
 コウちゃんだって、今、言っていたじゃない、勇者と聖女は異世界から召喚するって………えっ? もしかして、召喚されてないの?

 「えっ?」
 
 『あのね。魔物の大量発生っていうか、スタンピートで、国のあちこちどころか、世界中の都市が魔物に食い荒らされて、人類の存在が、にっちもさっちも行かなくなって、もうコレ(伝説の異世界召喚術)しかないって………いちかばちかの勇者と聖女の召喚ってなったんだよ』

 「それで行くと、魔物のスタンピートがあるってコトよね? それって何時なの? わかるコウちゃん?」

 焦る私に、コウちゃんは冷静に突っ込みを入れる。

 『ママ、1番最初に、魔物が溢れ出し、周りを囲む魔の森の魔物がスタンピートして、人間の住む都市に向かったんだよ。で、その原因を造った場所を覚えてる?』

 「確か、難攻不落の深淵の絶望ダンジョン………って、そうだ、ココだわっ………なんか、有名な予言者ヨハンから、ここが魔物のスタンピートの発端の場所であり、後年魔王が誕生する場所って言われたやら………だから、みぃ~んなやっきになって《狂いし神子の討伐》を目指した………」

 『正解だよ、ママ………で、その元凶となる、最初の魔物の卵を産むモノを、ガッちゃんが綺麗さっぱりと、ぜぇぇぇ~んぶ食べちゃったから、ソレ(魔物のスタンピート)は無いんだよ』

 「えっ? えぇぇぇぇぇぇぇ? それじゃ、勇者と聖女の召喚はないの?」

 『うん、無いね。だって、必要ないでしょ………言うなれば、ママが勇者で聖女ってことになるから………この世間一般で言う、難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの《狂いし神子の討伐》を唯一攻略したのって、ママだけだし………』

 「いや、だって《神子》居なかったでしょ? 討伐なんてしてないよ?」

 『でも、攻略の為の正道を通って、この(本来《狂いし神子》がいる)部屋に入って、制御の水晶珠を手にしているでしょ、ママが………』

 「制御の水晶珠? って、もしかして、コレ?」

 『うん、そう。だから、ママが、勇者で聖女で、攻略成功者なんだよ』

 「それじゃ………勇者も……聖女も……異世界から召喚されないってこと?」








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