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第5章 シルビアーナはコウちゃんとダンジョン探索する

043★ガッちゃんは、まさしく名は体を表わすでした

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 えっとぉ………ガッちゃんて、本当に某アニメのガッちゃんと変わりないようねぇ………。
 じゃなくて、逃避しても仕方が無いわね。

 私は、眼前に次々と積みあがっていく恐竜さんのお肉に、ひとつ溜め息を吐く。

 せっかく、ガッちゃんが恐竜さんのお肉を用意してくれたんだから………。
 しっかり回収しておかないとね。
 何時、食糧事情が悪くなっても、これで大丈夫ね。

 じゃなくて、この場合は、左手首の腕輪に収納かしらね。
 恐竜さんのお肉はどんな味なのかしら?
 いや、じゃなくて、ガッちゃんてば、ものすごく強くありません?
 あんなに、コンパクトなのに………。

 私がびっくりしている間に、ガッちゃんはその広い空間にいる、恐竜という恐竜を次々と狩り続ける。
 しまいには、空中を泳ぐ者達も平気で襲い掛かり、あっという間に、切り分けたお肉以外をチュルンッと啜るように食べてしまっていた。

 その様子をなんとなく見ていた私は、はっとしてコウちゃんに聞く。

 「その…コウちゃんは、恐竜さんを食べに行かなくて良いの?」

 私の質問に、コウちゃんは胸張りしながら言う。

 『俺はグルメなの……ガッちゃん見たいに、雑食なんてしないの』

 新たな肉を切り分けて、私の前に持ってきたガッちゃんは、コウちゃんに向かって、さも当然のこととして言う。

 『好き嫌いすると………大きくなれないよ』

 そんなガッちゃんに、コウちゃんはお澄まし顔で言う。

 『ママに抱っこされたいから小さい方がイイの』

 そんなコウちゃんに、ガッちゃんが履き捨てるように言う。

 『けっ……相変わらず甘ったれ』 

 そのやりとりを見ていて、前世で飼っていたトラちゃんと、クロちゃんの姿を思い起こす。

 なんが、とてもデジャウなんですけどぉ………そして、なんか引っかかるのは………。
 トラちゃんとクロちゃんの、最初の飼い主さんって、不幸な事故にあった自衛隊員さんという話しだったような気が………。

 あぅぅぅ………もしかして、前世の因縁?
 じゃなくて、そんなコト考えているうちに、この空間にいた恐竜さんは全滅したようです、はい。

 途中から、無意識に左手首の腕輪にお肉を収納していたので、どのぐらいの量を入れたかはわからないのが困りモノね。
 まぁ…幾ら収納しても重さが変わらないので、負担はないから別に良いんだけどね。

 侵入者除けの恐竜さん達は、ガッちゃんのご飯に美味しくなりました………チーン……ナァ~ム~………。
 当座の危険が消えたのを確認し、私はガッちゃんを呼び戻す。

 「ガッちゃん、食べ終わったなら戻っておいでぇ~……」

 目の前で最後の1体を解体し、肩肉・腹肉・腿肉・お尻尾と切り分けた肉を私の目の前に置き、残りを美味しくいただいたガッちゃんは嬉しそうに戻って来る。
 私はというと、切り分けられた恐竜肉を、無感動に左の腕輪へと収納し、嬉しそうに戻って来たガッちゃんに、両腕を開いて迎える。

 「お疲れ様ガッちゃん、美味しかった?」

 私の言葉に、成獣のロップイヤー並みへと成長? したガッちゃんを抱き締める。

 うわぁぁぁ~…ガッちゃんてば…一生懸命食べていたから、しっかりと大きくなった上に、すっごく毛並みが良くなっているぅぅ~………。
 って、現実逃避してもねぇ………いや、本気で、ガッちゃんの胃袋ってば、どうなっているの?
 食べたモノは即、エネルギー変換しているのかしら?

 そう言えば、アニメの某ガッちゃんも、幾ら食べても外見が変わらなかったわねぇ………姿が大きくなっただけ、これでも普通なのかしら?
 どちらにしろ、巨大で大量な障害物(恐竜)は片付いたわね。
 せっかくだから、恐竜さんのお肉は後でいただくとしましょう。

 『主さまぁ~……とってもとっても美味しかったですぅ~……これだけ食べたのは久しぶりですぅ………』

 「そう、良かったわね。それじゃ、今度こそ、あっちの扉を潜りましょうか………」

 抱き心地が良くなったガッちゃんを腕の中から解放するのは惜しいと思いつつ、肩へと移動させ、私は扉に向かって歩き出した。
 私の歩みを阻むモノは、ひとつも存在しなかった。






 
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