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第14章 冒険者の始まりの街フォレンへ

235★帰ってからのお楽しみが増えました

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 マイケルさん達に、これまで【ホワイトファング】として請け負った討伐依頼の時の苦労話しを聞きながら、お気楽にパーティーでの移動を楽しんでいた。

 そこに、アルフが3対の翼をパタパタさせながら、何気ない口調で警告してくる。

 『ますたー…ブラッドスパイダーが狙ってますよ……
  かなり大きな固体です……ますたーは平気でしょうが
  彼らにはちょっと討伐キツイと思いますよぉ~………』

 アルフの言葉に、私はブラッドスパイダーの姿を探す。
 と、ガッちゃんが言う。

 『マスター、アレ討伐対象じゃないなら、食べちゃってもイイですか?』

 お腹が空いて来たらしいガッちゃんの言葉に、私はコクッと頷く。

 『いいわよぉ~………なんなら、少し離れて狩りして来て良いわよ
  ガッちゃんには、ここんところかなり無理させちゃったから
  食べられる時にたぁ~んと食べておいた方が良いから………』

 私がそう言うと、ガッちゃんは嬉しそうにこちらを獲物として狙うブラッドスパイダーへと向かっていく。
 ただし、ガッちゃんは透過術を使った状態のままで向かったので、ブラッドスパイダーはその存在に気付くことは無かった。

 そして、ガッちゃんがブラッドスパイダーに口付けた次の瞬間には、チュルンっとその口の中に綺麗に消えていたりする。

 相変わらずの大食漢に、私はクスッと無意識に笑う。
 が、少し離れたところで、そんなコトが起こっているコトに誰も気付かなかった。
 そう、ブッシュキャットのファラちゃんですら………。

 『アルフやレオは行かなくて良いの? コウちゃんは………食べないか』

 そう言えば………コウちゃんが真っ先に反応する。

 『ママ、俺はああいうのパス………ゲテは苦手だ
  前世でだって、台所に走るGなんて獲ったりしなかっただろ

  あいつは、嬉々として追いかけて
  よく口端から黒い足なんかを出してたけど

  ママってば、ガッの口から出ているモン見て
  よく悲鳴上げてたし………』

 と、前世で台所を走るGを始末していたニャンコの話しをしてくれる。
 いや、確かにガッちゃんの前世だって判るよ。
 今だって、巨大なクモを平気で食べちゃってるしね。

 レオも前世ではG獲りはしなかったけど、ネズミ捕りは楽しんでいたので、何処かウズウズした様子で周囲を見ている。

 『レオ、もしも食べたい獲物が居たら
  こちらから見えないところで食べて良いのよ』

 少し離れたところに、前世でいうカピバラさんのような動物が家族?で動いているのが見えた。
 そして、私がソレに気付いたように、ファラちゃんの様子からネクトさんとエランさんが同時に気付く。

 「ん?ファラ……ああ………」

 「………おっ………バラバラじゃん」

 その声で、マイケルさんも足を止めて言う。

 「まだ行きだけど、バルバラ獲るか?
  あれは、脂がのってて柔らかくて美味い

  ライムちゃん、バルバラを獲ったらインベントリに入れてくれるか?
  滅多に出ない高級食材だからさ」

 私を振り返って言うマイケルさんに、私はにっこり笑って言う。

 「勿論、良いですよぉ~………
  インベントリのいらないモノ片付けたんで空きがありますから………」

 と言ったら、そのいらないモノを押し付けられた4人は微妙な表情をする。

 「いや、いらないモノって、どれも良い値が付くモノだったけど」

 「イラナイものです」

 私の言葉に、4人はちょっと苦笑してから、バルバラを獲りに走る。
 これが意外や意外、とにかく足が速くて、バルバラを獲るのに少し時間がかかってしまいました。

 もっとも、上手に追い詰めて一撃で殺したので極上品間違いなしです。
 バルバラは、殺す時に苦しめると肉の質が落ちるそうです。
 だから、獲るときは一撃で一瞬で仕留めないとダメだそうです。

 見事、一撃で仕留めたバルバラは、さっさとインベントリにしまいました。
 帰ってからが楽しみです。
  







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