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第14章 冒険者の始まりの街フォレンへ

163★重大な事実に気付きました

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 【ホワイトファング】のマイケルさんに、自己紹介されたので、私も‥‥‥‥‥‥と、思ったら、名乗る名前が‥‥‥。

 マズイ、シルビアーナの姿で登録したルビアは使えない。
 それじゃ、アバターのハイエルフハーフの名前‥‥‥も、クランの子達がそれを頼りに、私を探す‥‥‥から、マズイわね。

 そう思ったと同時に、私は重大なコトに気付く。
 クランのあの子達は呼びたく無いとなると‥‥‥うわぁ~なんか新しい名前を考えないと‥‥‥。

 新しい名前、新しい名前と‥‥‥そうだ、髪の色からとってライムにしよう。
 そんで、新しく冒険者登録をしなおさないと‥‥‥。

 「私は、ライムです」

 そう自己紹介し、肩を無意識に竦める。

 「へぇ~ライムちゃんかぁ
  可愛い名前だね」

 マイケルさんが軽くそう言ってくれたので、私は内心でホッとする。

 「ありがとうございます

  あのぉ~‥‥‥ところで‥‥‥
  ここの冒険者ギルドって
  どの辺にありますか?」

 それだけで、私が身分証明になるモノを保持していないコトを察したファーズさんが、また心配そうな表情になって言う。

 「嬢ちゃ‥‥‥いや、ライムちゃん‥‥‥」

 と、話しかけて来た時に、それまでおとなしく前を歩いていた従魔がクルッと振り返り、ニチャッと笑って私に飛び掛って来た。

 きゃうぅ~‥‥‥くるくる‥‥‥きゃきゅぅ~‥‥‥

 と、甘ったれたような声を出して‥‥‥。
 いやぁ~ケモナーな私には、ご褒美でしたから、抱き着かれて顔を舐められても全然平気ですが‥‥‥。

 ちなみに、前を歩いていたのはワイルドキャット種の魔獣ブッシュキャットでした。
 大きさとしては‥‥‥前世の日本で言うところの超大型犬ぐらいですね。
 そう、ワイルドキャットのか大型版です。

 ただ、その勢いと反動でフードがファサッと後ろに落ちてしまい、長い緑の髪が風に靡いてしまいます。
 同時に、水色の瞳に透き通る白い肌と、ばら色の頬と唇が晒される。

 周囲の人達も、突然の従魔の暴走?に、びっくりして振り返って、私の容姿にびっくりしています。

 そうでしょう‥‥そうでしょう‥‥苦心して作ったアバターですもん。
 可愛い美少女ですよぉ~‥‥‥ちょっと自慢。

 そんななか、やはり従魔のブッシュキャットが突然暴走したコトに驚いた、空色の髪のネクトと紹介された彼が振り向く。
 彼が、従魔師さんのようですね。

 「えっ‥‥‥ファラ?」

 振り向いたネクトさんに、ファーズさんがとっさに命令します。

 「えっ‥‥‥ネクトっ‥
  ファラを‥‥抑えろっ‥‥‥」

 その焦った声で、茶髪のエランさんも異変に気付いて振り返る。
 どうやら、ネクトさとエランさんで、今日の予定を話していて気付くのが遅れたらしい。

 「どうした? ファラっ?」

 【ホワイトファング】の皆さんにとっては、とんでもないコトだったのでしょう。

 「ファラっとまれっファラっ
  止めるんだっ‥‥‥」
  
 そう言いながら慌てて、たぶん従魔師のネクトさんが駆け寄って来ます。
 が、マタタビをもらったニャンコのごとく、しがみついて離れません。
 そして、私の口元をフンスフンスしては、可愛らしい声を響かせ、うにゃうにゃしています。

 その姿に、従魔のコントロールが外れた、完全暴走ではないらしいコトを感じて、ちょっとホッとしながら、私に抱き着いてご機嫌になっている従魔のファラちゃんを引き剥がそうとする。

 すると、その気配を感じたファラちゃんは、クルッと振り返って、こともあろうに従魔師の彼に、シャァーっと威嚇音を出して、その手をパンパンと叩きました。
 いや、ツメは出してないけど、あのスナップのきいた手は痛いと思うよ。

 ちなみに、ハイエルフハーフの私は高スペックなので、ファラちゃんの体重や勢いも、ぜんぜん平気だったりする。

 その姿を見て、エランさんがちょっと不可解そうな表情をしてから、私に声を掛けて来る。

 「えぇーと‥‥きみ‥‥」

 「あっ‥‥ライムといいます‥‥‥
  ほら、ファラちゃん‥‥‥
  そんな風に、叩かないの‥‥‥」

 引き剥がされるのを嫌って、またシャァーっと威嚇音を出し、ネクトさんが一歩引くと、また可愛い声で私の顔にスリスリし始めます。

 それを見て、ひとつ大きく溜息を吐いて、私に聞いて来ます。

 「えーと‥‥ライムちゃん‥‥‥
  その‥もしかして‥‥あ‥いや‥‥

  ソルス・エル・ピーシェを
  最近、食べたか?」

 その問いに、私はちょっとキョトンとしてから、軽くファラちゃん の頭を抑えながら頷く。

 「あっ‥はい‥‥‥

  ここに来る少し前に
  ひとつ食べましたけど
  それが何か?」

 頭を抑えた手の匂いをフンスフンスして、ファラちゃんはご機嫌で私の手にも頭をズリズリする。

 「えっ‥‥‥もしかして‥‥‥
  この子のこの過剰な
  可愛い反応って

  ソルス・エル・ピーシェの
  匂いのセイなのぉ?」










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