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第14章 冒険者の始まりの街フォレンへ
160★さっさと、転移でフォレンに行きましょう
しおりを挟む「え~とぉ~?」
ちょっと理解不能でオーバーヒートしかけているガッちゃんに、私は例えを変えて説明する。
「そうねぇ‥‥‥
例えとしてなんだけど
コウちゃんやガッちゃん達を
解体して封印した者達を
仮に運営とするわ
彼らは失敗で空間裂傷させて
それを復元する為の力を
冒険者達に求めたわ
あの【難攻不落の深淵の
絶望ダンジョン】の
最終イベントにある
《狂いし神子の討伐》には
偽の攻略ルートを作って
討伐に来た冒険者達から
魔力を奪っていたでしょ‥‥‥
あれと一緒と思えば良いかな
ただし、こっちは空間修復の
為の魔力搾取だけど
私達が言う運営の方は
冒険者達がゲーム内で使う
お金を求めていたのよ
だから、運営は冒険者を
排除しないのよ
それが、ボッチで暗殺ギルドに
入った者ならなおさらにね
余分に、お金を落として
くれるんだもの‥‥‥」
私の説明に、生命力まで削って、自分達を解体封印した者達を、ずっと視ていたガッちゃんは、なんとなくだが言いたいことを理解したらしい。
「なんとなくですが
マスターの言う意味
理解できました
ようするに
運営にとってのは冒険者は
食べる為のご飯みたいな
存在なんですね」
ちょっとズレているが、運営するコトで課金をかき集めているんだから、まぁある意味では合っているかな?
「まぁ‥‥‥そういう感じね
ってコトで、結論は
始まりの街フォレンに
行けば、ガッちゃんは
お腹いっぱいに
あの恐竜もどき達を
食べられるっていうことよ」
私やコウちゃんと、同じ記憶を共有できないコトが不憫だったので、私はガッちゃんの耳に、心地よい言葉を口にする。
すると、さらに空腹になっていたらしいガッちゃんの意識は、すぐにそっちに行き、めいっぱい浮上する。
ちょっとチョロイガッちゃんであるが、そこが可愛いので、そのままでいてねと思う私だったりする。
「嬉しいです、マスター
それじゃ早く‥‥その
始まりの街フォレンに
行きましょう
すぐに行きたいです」
本当に嬉しそうなガッちゃんは、無意識に長いお耳を両手でクリクリと毛繕いする。
ふわぁぁぁ~‥‥‥そんなガッちゃんの愛らしい姿は、ケモナーの私には眼福です‥‥‥ごちそうさまぁ~‥‥‥。
だから、フォレンに、早くつけるようにと提案します。
「そうね、このまま
空を飛んでファレンまで
行きましょうか」
そんな私に、コウちゃんが胸を張って言います。
「あっ‥‥‥だったら‥‥‥
俺がフォレンまでの
転移の魔法陣を書くよぉ~」
私の提案を超える手段を、コウちゃんが口にしてくれました。
マジですか?コウちゃんてば、マジでハイスペックなチート持ちなんですね。
私もそんなチートが、欲しかったなぁ~なんて、思ってしまう。
「えっ‥‥‥コウちゃんってば
そんなチートを持っていたの?」
私の言葉に、コウちゃんは、人の悪い笑顔を浮かべて言う。
「未来の宮廷魔術師長とか
言われていたあの美少年?
えっと‥‥‥ロスノビア侯爵家の
次男コリウスがさぁ‥‥‥
ママを送る為に書いた
【難攻不落の深淵の
絶望ダンジョン】への
転移の魔法陣を、ちょっと
書き換えれば良いだけだもん」
うん、コウちゃんは可愛い悪魔っ子だわ‥‥‥。
「どんな風に書き換えるの?」
「あの時、無意識で魔法陣を
コピーしていたんだ
魔法陣の内容の中にあった
転移先の名前=【難攻不落の
深淵の絶望ダンジョン】の
部分を、ただフォレンと
書き換えれば良いんだよ
ほら、そうすると簡単に
転移の魔法陣は出来上がるよ
後は、魔力を込めるだけ‥‥‥」
「じゃー‥‥‥さっそく
始まりの街フォレンに
行きましょうか‥‥‥‥‥
コウちゃん‥宜しくね」
「うん、ママ、任せてね‥‥‥えい」
コウちゃんの可愛い声と共に、私達の目の前に転移の為の魔法陣が、出現する。
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